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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第10章 ローリング☆ストレンジャーズ 〜嗚呼、転がり続ける我が運命〜
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捜索隊、追跡を開始する!



 王都から早馬で半日、ようやく僕等は2人組の女性の目撃情報があったアンダイエに到着した。



「それじゃあ手筈通りにしてね」


「ああ、わかったよ」


「ほ、本当に宜しいのですか?」



 僕等は王命で動いている訳ではなく、あくまで個人的にカオル達の捜索をしているのだ。


 無闇に王族として振る舞い、住人を混乱させるのはどうしても避けたかった。


 そこで僕等は身分を偽って、活動する事にしたのだ。


 そしてその提案にジョゼは二つ返事で了承してくれた。


 しかし、ルベルレットは中々了承してくれないのだ。



「やっぱり僕らが兄弟っていうのは無理があるかな?」


「いえ、そういう訳では……(むしろ、ご褒美です。ありがとうございます)」



 どうやらルベルレットは、フリでも護衛騎士として主人と兄弟の様に振る舞うのを躊躇しているらしい。



「よかったー。それじゃあよろしくね、『お姉ちゃん』♪」



 …………!



 僕は思い切って彼女の事をお姉ちゃんと呼んでみた。


 すると、踏ん切りが着いたのか諦めが着いたのか、ルベルレットは僕の事を恥ずかしそうにシャルジュと呼んでくれた。




 ***




「最近、この町で野盗が出たらしいぞ」



 酒場にいた客から話を聞いていたジョゼが戻ってくるなりそう切り出した。


 既に日も暮れていた事もあり宿を取った後、僕等は町の酒場にやって来ていた。


 情報収集はバーウィッチにいた頃からジョゼの得意分野だったが、最近は更に磨きが掛かって居る様な気がする。



「3日程前に2人組の女が襲われたらしい。俺らも気をつけなくちゃなー」



 面白い話を聞いたとでも言うような素振りでジョゼはそう述べる。



「(……2人組の女は、独特な訛りのある話し方をする大酒飲みの女と意味不明な言葉を話す女だそうだ)」



 そしてその後に、小声で2人組の詳細を教えてくれた。


 やはりカオル達はこの町に来ていたのは間違いない。



「大丈夫だよ! 野盗なんて僕がやっつけちゃうよ!」



 しかし、何故野盗はカオル達を狙ったのだろうか。


 ここ最近、盗賊の類いの話は聞かないし、しかも町中で襲われるなんて聞いた事がない。


 いや……もしかするとカオル達が『貴族』の身分だと知っているとすれば……



「ほら、シャルジュ。これも食べて。野盗を倒すなら、体力つけなくちゃ」



 考え込んでいた僕にルベルレットが顔を覗き込んできた。



「え? 自分で食べれるよー」


「もー遠慮しないの。ほら、あーん」



 突然の事に僕が思わず断ろうとすると、ルベルレットはフフフと微笑み、料理を僕の口元まで運んでくる。


 仕方なく、僕はされるがままルベルレットに料理を食べさせて貰った。


 何だろう、何故か上機嫌の彼女に身の危険を感じたのは僕だけだろうか?




【組織情報】


【義賊?】

 近年、王国内や近隣諸外国で騒がれている盗賊。

 その実態は現在不明で、各国が血眼になってその行方を追っている。


 彼らの活動は無差別に窃盗行為を行うのでは無く、主な標的を貴族や貴族と親交のある商人などに絞っている。


 それら標的にされた者達は少なからず黒い噂を耳にする者達が多く、民衆の中には彼らを救世主や英雄として讃える者もいるらしい。



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