流浪人、道に迷う。
「マジ最悪! あーシャワー浴びたーいッ」
「うっさいねん! そもそも、お前がショートカットとか言って森ん中突っ切ろうって言ったんやんけ!」
私たちはアレから2日間森の中を走っている。
その間、アイラが王城から拝借してきた地図を頼りに道無き道を突き進んできた。
勿論、その間の寝泊まりは野宿だ。
「つか、この地図大雑把すぎっしょ! 予定ではもう次の街なんですけど〜」
責任を地図の所為にしてアイラは知らぬ顔をする。
「今どの辺りやねん」
「さぁー」
地図を広げるアイラに私が尋ねると、彼女は首を傾げてそう答えた。
その反応に私は思わず、バイクを急停止させる。
「はぁ!? マジで言ってんか?」
「だって、この地図。距離とか方角とかテキトーだしー」
私はアイラの持つ地図を奪い取り、それに視線を下ろした。
「マジか……」
「もしかしなくても、迷子的な? マジウケるーありえなくない?」
隣でアイラは呑気にそんな事を言っている。
…………。
これからどうしようか。
来た道を戻るにしても、もう2日も森の中を進んでいるのだ。
戻ったとしても元来た街道に出れるとは限らない。
…………。
そんな事を考えていると、森の奥から叫び声が聞こえてきた。
『た、助けてくれぇぇええ!』
アイラもその声が聞こえたのだろう。
私たちはお互いに顔を見合わし、バイクを降りて声がする方へ走り出した。
***
急いで向かった先では、おじいちゃんが猪の様な魔物に襲われていた。
「おりゃーッ」
私はそのまま魔物に向かって突っ込み、正拳突きをお見舞いする。
突然現れた新手に混乱した魔物は、成す術なくそのまま私の一撃を喰らい絶命した。
「おじいちゃん、ダイジョーブ?」
アイラはおじいちゃんの側に駆け寄り怪我がないか確認していた。
「おぉ、ありがとう。もう駄目かと思ったわい」
目の前の光景に驚きながらも、おじいちゃんは安堵の溜息を吐いていた。
「つか、こんな森の中で何してんの? まじウケる」
「キノコ狩りじゃよ。今晩の夕食用にの」
「ほんじゃー、じーちゃん。コレいる?」
アイラとおじいちゃんが世間話をしている間に、手早く猪の魔物を解体した私はその肉を差し出して彼に尋ねてみた。
「お主達はいらないのかの?」
「別にええわー、倒せばいくらでも肉は手に入るしー」
「おぉ、それでは有難く頂くとするかの」
おじいちゃんは嬉しそうに微笑み、立ち上がった。
「助けて貰ったお礼と言ってはなんじゃが、昼食を食べて行かんかね?」
「マジで! 行くいくッ!」
私は急いでバイクを回収しに行き、この近くだというおじいちゃんの家へと一緒に向かった。
そして、案内された先にあった、おじいちゃんの家に私たちは驚いた。
…………。
それは家というには余りにも簡素で、すぐに壊れてしまいそうな小屋だったのだ。
【ステータス情報】
【名 前】 カオル=アサヒナ
【年 齢】 18
【職 業】 異世界から来たヤンキー Bランク冒険者 戦闘狂
【レベル】 32
【体 力】 485
【魔 力】 402
【攻撃力】 394
【防御力】 282
【俊敏性】 352
【スキル】
空手 Lv.Max 集団統制 Lv.4 料理 Lv.1
アイテムボックス 異世界会話 Lv.2 鑑定 Lv.2
剣術 Lv.7 双剣術 Lv.3 投擲術 Lv.3
底力 Lv.2 狂人化 Lv.2 怒り Lv.3
窃盗術 Lv.2 砲術 Lv.3 弓術 Lv.1
打撃術 Lv.4 盾術 Lv.3 回避術 Lv.2
瞑想 Lv.1 挑発 Lv.2 必中 Lv.2
道具再利用 Lv.3 装備交換 Lv.4
受け流す Lv.3 千里眼 Lv.1 神聖格闘術 Lv.4
解体 Lv.2 射撃術 Lv.4 礼儀作法 Lv.1
【ユニークスキル】
天才肌 非魔法適正 改
【装備】
剣士の衣服
【名 前】 アイラ=イケブチ
【年 齢】 16
【職 業】 異世界から来たギャル Bランク冒険者 大魔導士
【レベル】 37
【体 力】 252
【魔 力】 788
【攻撃力】 216
【防御力】 207
【俊敏性】 141
【スキル】
化粧 Lv.4 交渉術 Lv.2 料理 Lv.6
アイテムボックス 異世界会話 Lv.3 鑑定 Lv.3
礼儀作法 Lv.2
【ユニークスキル】
異界詠唱術 異界錬金術
【装備】
魔導士のローブ
ほんと久々のステータス情報……忘れてたわけじゃないですよ?




