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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第10章 ローリング☆ストレンジャーズ 〜嗚呼、転がり続ける我が運命〜
123/157

流浪人、歓迎されず?



 ドドドドド____



 すぐに目的の町には到着した。


 そして、聞き慣れない音聞きつけ、人々が続々と集まって来た。



『お前さんら、何もんだ!』



 しかし、どうやら歓迎されている訳では無いらしい。


 集まって来た人々は手に(くわ)や包丁を持って、私たちを警戒している様子だった。



「アイラ起きろ。なんか不味い事になったで」


「ふぁぁあ〜、もー着いたのぉ〜」



 サイドカーでぐっすり眠っていたアイラは、この状況で呑気に欠伸をしていた。



「え? 何これ、何であぃら達囲まれてるの?」



 ようやく状況を理解したアイラが、凄い剣幕で私に詰め寄る。



「今、町に着いたとこやねんけど。そしたらアイツらが急に……」


「ば、バイクで町に入ったの!?」


「せやでー」



 私が経緯を説明すると、アイラは頭を抱えた。



「あー、もう! カオちー、もうちょっと考えてよ!」


「何やねん! 寝てたのはお前やんけ!」



 …………。



『『なんだ、仲間割れか?』』



 言い争いを始めた私達に人々は更に動揺し始めた。



「あぃらが説明するから、カオちーは何もしないで!」



 そう言ったアイラはサイドカーを降りて、人々に事情を説明し始めた。



 …………。



『何だ、旅の人かい。新手の野盗かと思ったよ』



 アイラの説得のお陰で、どうやら誤解は解けたようだ。



「驚かせてごめんなさい。カオちーにも悪気はなかったの」


『こちらこそ、すまんかったな』



 人々に平謝りするアイラだったが、頭を下げたまま何故か私を物凄く睨んでいた。


 私に悪気はなかったと自分で言ったのに、その反応は解せない。



『何もない町だけど、ゆっくりして行くといいよ』



 そう言って集まっていた人々は散り散りに仕事へ戻って行った。



 …………。



『おねーちゃん、これなにー?』


「バイクやでー」


『ばいく? なにそれー』


「んー魔力で動く馬車的なー?」


『えーでも、馬がいないよー』



 いつの間にか集まって来た子供達の質問責めを受けながら、私達は町の宿へとバイクを押して向かっていた。


 一頻り子供達の相手をした後、私達は宿で部屋を借り、ようやく一息着くことが出来た。



「カオちー、バイクのままで町に入ったら目立つに決まってるじゃん」


「悪かったって」


「てゆーか、本当に気をつけない……」



 部屋に入るなりアイラが説教を始めたが、眠気が限界に達している私はそのままベットに突っ伏した。


 そして知らず知らずの内に、私は眠ってしまっていた。



【組織情報】


【アンダイエ】

 アスティーナ王国の南西に位置する人口200人程度の小さな町。


 街道から外れた山間部に存在する為、人の出入りは少なく町の主な収入は狩猟である。


 その為、町の人々の生活は豊かとは言い難い。



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