チンピラ、逞しく生きる。
「あったあったー♪」
私は路地裏に倒れる男の懐を弄り、お目当てのものを見つけた。
戦利品は相変わらずだ。
「ってか、これで何人目や?」
先日、ナンパしてきたお兄さん達を倒してからというもの、毎日のように私に挑戦なのかお礼参りなのか知らないが、この有様である。
まあ、強面のお兄さんや力自慢のお兄さんばかりなので負けることはないし、こうやって私にお小遣いをくれるから別に構わないのだ。
「ほな、飲みに行くかー」
***
「姐さん、あのボロ宿屋に泊まってるんですか!?」
「お前が紹介してくれた宿やんけ。別にちょっと汚くてボロいだけやから、寝る分には構わんやろ」
「「アレに泊まれる人がいたとは……」」
あの日以来、ダラムとヤヌックとは毎日のように酒場で顔を合わしている。今寝泊まりしてる宿屋もコイツらに教えて貰ったところだ。
一番安い宿屋を紹介してもらったのだが、ちゃんと個室でベットもある。食事は付いていないが、この街は朝からやってる店も屋台もあるしそんなに困っていない。
「どんなところも住めば都って……なんやお前?」
私の隣には見知らぬ男が突っ立っていた。
「お前が、黒髪の鬼人だな」
【現在のカオルの所持金】
金貨6枚
銀貨15枚
銅貨23枚
黒貨8枚




