プロローグ
「おはようございます、カオル様」
ゆっくりと目を覚ました私に、丁寧な口調で使用人の女性はそう述べた。
「ふぁああ、おはよーロゼ」
大きな欠伸と共に私は礼儀正しくお辞儀をする女性に朝の挨拶をする。
すると、すかさず彼女は水が入ったグラスを私に差し出した。
「昨晩も遅くまでお酒を嗜んでいらした様で」
「まーなー」
グラスの中身を一気に飲み干し、私は使用人のロゼッタに空になったグラスを手渡す。
「本日はどのお召し物をお召しになられますか?」
沢山の洋服が掛けられたハンガーラックを転がしてきたロゼは、ベッドに腰掛ける私向かって丁寧にそう尋ねる。
しかし、どれもこれも装飾に凝っていたり、やたらフリルが付いていたりと動きずらそうな物ばかりだった。
「こんなフリフリのじゃなくて、もっと動きやすそうなヤツないん?」
ダメ元で、私がそう尋ねると彼女は大きな溜息を吐いた。
「カオル様、貴女様も国王様から爵位を頂いた立派な貴族様なのですよ? もう少しその自覚を……」
ロゼッタの説教が始まった。
彼女の説教はやたら長い、私は彼女の隙を見て豪華な寝巻きのままその場を去ろうとする。
「カオル様! どこに行かれるのですかッ!? 今日こそはこのお召し物を着ていただきますからねッ!」
「いややッ! なんでそんなフリフリ着なアカンねんッ!」
ロゼッタに取り押さえられた私は彼女に無理やり豪華な寝巻きを剥ぎ取られていく。
……コンコン。
「カオルぅ、起きてるー? もうお昼だよー」
部屋のドアがノックされ、シャルジュが私の部屋に入って来た。
…………ッ!!
ベッドに押し倒され、ほぼ素っ裸の私の姿を見たシャルジュが顔を赤らめて硬直した。
「かかかかカオルッ! なな何にやってるのさッ!」
「なッ、シャルジュ様! 今は着替え中です、早く外へお願いします!」
そう言われたシャルジュは掌で目を覆い、慌てて部屋の外へ出て行った。
祝!『脳筋乙女の異世界花道』累計PV50,000達成!!
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ブックマーク・感想なども徐々に増えてきて、とっても嬉しいです。
これから新章に突入!
まだまだカオルは暴れ回りますッ!
これからも応援宜しくお願い致します。




