調査隊、強敵を迎撃す!
突然のグリフォンの襲撃にも関わらず、調査隊の面々は素早くその場から退避する。
その中でサンディスだけは鞘から剣を抜き盾を構えて、グリフォンを迎え撃とうとしていた。
「シャルジュッ!」
私はシャルジュに声を掛けアイテムボックスから盾を取り出し、急降下してくるグリフォンに向けた。
私の意図をいち早く理解したシャルジュは、私の後ろに隠れタイミングを見計らっていた。
ガキンッ、ガキンッ!
グリフォンは自慢の爪で私たちを串刺しにでもしようと思っていたのだろう。
しかしそれは、私たちの盾に邪魔され有効打にはならなかった。
「ハナッ」
「アイラッ」
「「今だッ!」」
サンディスとシャルジュはそのタイミングで反撃の指示を出す。
すると、何処からともなく飛んできた矢がグリフォンを襲う。
『つらたんッ』
更にアイラが魔法を詠唱すると、空中に氷の矢が現れグリフォンに向かって飛んで行った。
『ピィーヒョ〜〜〜ッ!』
鳴き声と共にグリフォンが翼を羽ばたかせると、突然突風が辺りに吹き始めた。
それにより矢と氷の矢は弾き飛ばされ、私たちも突風で身動きが取れなくなった。
そして突風が止む頃にはグリフォンは遥か上空に戻り、旋回しながらこちらの様子を伺っている様だった。
…………。
「グリフォンの縄張りはもっと森の奥だった筈だが……」
一先ず攻撃してくる様子のないグリフォンに、サンディスが溜息混じりにそう漏らす。
「兎に角、グリフォンをどうにかしないと先に進めなさそうだね」
「でも、どうするのよ? あんな上空にいられたら攻撃できないわよ」
「私の矢も効かなかった……」
シャルジュの言葉にエリーゼとハナが頷き、困った様にそう述べた。
「はぃはぁーい! あいらに、いい考えがありまーすッ!」
どうするか悩む調査隊の面々にアイラが能天気に手を上げて、作戦を提案してきた。
***
「で、何で私やねん?」
「えー、カオちーが一番頑丈そーじゃん」
アイラが私の所有している大砲を貸して欲しいと言ってきたので渋々貸したところ、何故が私がその中に詰め込まれる羽目になった。
その様子を黙って眺めていた聖なる盾の皆は思い思いの表情をしている。
「つか、強化魔法もあるし、ノープロじゃね?」
「ほんじゃお前がやれやッ!」
私がアイラに猛烈に抗議している横でシャルジュが大砲をまじまじと眺めながら尋ねてきた。
「カオルぅ、前から聞こうと思ってたんだけど……それって王国軍のだよね?」
「えっと、そのーあれや。よし、いっちょ殺ってくるわッ! ジョゼッ!」
「はい、姐さん。お気をつけてッ!」
合図をした私は、爆発音と共にすごい勢いで空中に打ち出された。
【聖なる盾の面々から一言】
【サンディス】
…………。
【ヴィンセント】
流石、想像の斜め上を行きますね。
【エリーゼ】
バカじゃないの?
【マルカルロ】
ははは、愉快な子らじゃな
【ハナ】
ちょっと楽しそう。




