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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第1章 命短し走れよ乙女 〜己の拳で切り開け〜
10/157

元就活生、ナンパされる。



(折角、人が気持ち良く飲んでるっちゅーのに、何やこいつらは?)



 口には出さないようにしながら、私は彼ら(ゴロツキ)に視線を送った。



(ひーふーみー、……6人か)



「何ですか、お兄さん達?」



 ここは様子見という事で、町娘(カマトト)のフリをしてみる。



「そんなちんけな連中と飲んでないで、俺たちと楽しもうや」


「えー、奢ってくれるんですかー?」



 私は一番偉そうなお兄さん(ゴロツキ)に上目遣いで尋ねてみる。



「おうよ。好きなだけ飲ましてやるよ」


「やったー」



 奢ってくれると言うのだから、ここは素直に甘えるとしよう。


 私は立ち上がり彼ら(ゴロツキ)について行く。


 彼奴ら(ダラムとヤヌック)は潰れて気がついていないみたいだった。



(まぁ後で迎えに来るから、しばらくそこで寝てたらええねん)




 ***




 先程の酒場を出た後、私とお兄さん(ゴロツキ)達は、別の酒場で飲み直していた。



「嬢ちゃん見かけない顔だが、どこから来たんだ?」



 一番偉そうなお兄さん(ゴロツキ)が私の隣に座って、腰に腕を回してくる。


 その腕をしれっと避けながら私は話を続けた。



「えーっと。日本って所なんだけど、お兄さんは知ってる? あ、おかわり下さい」


「ニホン? 聞いた事ねぇな。おい、お前ら知ってるヤツはいるか?」



 彼が他のお兄さん(ゴロツキ)に話を振るが、皆首を横に振る。


 日本の事を誰も知らないようだ。



「そっかー」


「そんな事よりも、今晩どうだ?」



 再び男は私との距離を詰め、腰に腕を回してきた。



「えー。何がですかー。あ、おかわりくださーい」



 何も知らない振りをしながら、私は再び腕から逃れる。



(やっぱり身体(そっち)が目当てか)


(あーあー。これやから男は嫌やねんなー)



「清純ぶんなよー。町娘が酒場で飲んでるなんて、そっちから誘ってるようなもんじゃねぇか」



(近い近いって! 徐々に顔を近づけて来んなッ!)



「えー。カオル、何のことかわかんないなー。あ、おかわりー」



 再び男から距離をとり、私はしらばっくれる。



「だ・か・ら〜男と女が夜することなんてきまってるだろ〜」



(ちッ、本題に入ってきやがった)



 もうちょっと飲んでから帰る(トンズラ)するつもりだったのに!



(はぁ、この辺が引き際やな……)



「カオル、なんか怖くなって来たから帰ります」



 私は立ち上がり、店を出ようとする。すると、男は私の腕を強く掴んだ。



「おっと、今更帰るなんて虫のいい話はねぇよな?」


「はなせ……」


「は?」


「離せって言ってるやろ、ボケがッ!」



 私は飲みかけのエールを男の頭にぶっ掛けた。




【今晩のカオル酒】


エール8杯(1軒目4杯、2軒目4杯)


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