表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【アニメ放送中】レベル1だけどユニークスキルで最強です  作者: 三木なずな
カーボン編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

522/611

522.大人と子供

 そろそろ寝ようかという時に、エミリーが部屋を訪ねてきた。


「どうしたのエミリー」

「話があるです、ちょっと一緒に来るです」

「話?」

「はいです、大事な話なのです」

「そう? ……わかった」


 なんの話かは分からないが、エミリーの表情は真剣だった。

 よっぽど大事な話なんだろうなという事はわかったから、俺はそれ以上何も聞かずに、部屋を出て彼女についていった。


 エミリーにつれられてやってきたのはサロン。

 仲間達が解散した後のサロンだが、さくらとバナジウムの姿があった。


「まってたよ、ついでにバナジウムちゃんも呼んできた。話もしといた」

「ありがとうなのです」

「えっと、それで……なんの話?」


 この組み合わせからして、バナジウムになんか関係のある話なんだろうな……と何となくの察しはつく。


「ヨーダさん!」

「は、はい!」


 エミリーの剣幕に、思わず気圧されそうになる俺。


「バナジウムのドロップを売るです」

「……はい?」

「それじゃすっ飛ばしすぎてわかんないと思うよ。おじさん」

「はあ」

「今のままじゃ稼ぎ足んないよね」

「……まあ、な」

「それをさ、おじさんの稼ぎじゃなくて、バナジウムの水を売ってここの賃料に充てようってはなし」


 なるほど、そういうことか。

 前にも似たような話があった、そして俺の返事はその時と変わっていない。


「それはダメだ」

「まあ聞いてよおじさん。ダンジョンを丸ごと借り切ってるんでしょ? こっちの世界に来てまだ間もないけどさ、それでもわかるもん。普通こういうのって、借り切るにしてもそれで利益を出さないと話になんないでしょ。おじさんサラリーマンだったから分かるよね」

「まあ、な」


 そこは確かにさくらのいうとおりだ。

 ダンジョンを畑だと思うにしろ、店舗だと思うにしろ、工場とかそういうものだと思うにしろ。


 そこは何かを生産する拠点であり、借り切るということは通常賃料以上の稼ぎを出すものだ。


「おじさんは年間十五億ピロのお金を払ってる。他の精霊とちがって、バナジウムの力を借りて金儲けするのは正当な権利じゃん?」


 それもまた、さくらのいうとおりである。

 だが。


「言いたい事は分かるけど、それはダメだ。ここの賃料を出すことは俺とバナジウムとの約束。彼女を他の人間から守るための約束なんだ。だからここの賃料は俺が出さなきゃいけない」

「うん、そういうと思った。だから彼女にも来てもらった」


 さくらはそういい、バナジウムの肩をおした。

 バナジウムはてくてくとこっちにやってきて、いつものように俺の裾を――つかまなかった。


 代わりに俺の前で両手で小さくガッツポーズをして、「フンスッ!」って感じで鼻息を荒くした。


「どうした?」

「通訳したげる。私もおじさんとの生活を守りたいから、出来る事をさせて」

「……(フンスッ!)」


 さくらの通訳に、バナジウムはほとんど間をおかずに同じ行動をした。

 それが正しい通訳だといわんばかりの行動だ。


「えっと……」

「まだわがままいう? 精霊がはっきりとやりたいことを主張してるのに」

「むっ……」


 それを言われると弱かった。

 精霊のやりたいこと。

 それは俺がいままで守ろうとしてきたことで、この一連の騒動のキーワードでもある事。


 俺はしゃがみこんで、バナジウムに目線の高さを合わせて。


「本当にそうしたいのか?」

「……(こくこく)」

「そっか……」


 バナジウム自身がそういうのなら、そうしてあげなきゃダメだな。


「ヨーダさん、なんか寂しそうな顔してるです。……でもちょっと嬉しそう?」

「おじさんは大人だからね」

「大人なのです?」

「子供だと思ってた相手に独り立ちみたいな事をされるとああなるの。ちなみに子供は大人に守られてるだけなのを嫌がるから」

「はあ……なのです」


 さくらとエミリーのやりとりも、実はちょっとグサッときた。


 バナジウムを子供扱いしすぎてた、か。


「話は分かった。バナジウムのドロップを売るとなると水だが、その水をどうするのかだな」

「水素水にして売ろうよ、H6Oくらいの感じの」

「それはやめよう!? ハイドロジェンあたりがネプチューン使って怒鳴り込んできそうだ」


 ただでさえ、精霊達が次々と主張を始めて大混乱している最中だ。


 H6Oなんて言い出したらネプチューン辺りから新たな問題が発生する可能性がきわめて大だ。


「まあ、それは冗談だけどさ」

「冗談に聞こえなかったぞ」

「あたりまえじゃん。あんなのにひっかかるほどバカじゃないって」

「いやまあ……ノーコメントだけど」


 水素水の事は一旦完全に頭から追い出して、考える。


「やっぱり品種改良して、クロムにない水を作った方が一番の手だな」

「ふむふむ……ねえおじさん。おじさんって例のビールの店よくいってるよね」

「うん? ビラディエーチか? そこがどうかしたのか?」

「思ったんだけど、こっちの世界に炭酸水ってある?」

「炭酸水か……エミリー、どうなんだ?」

「初めてきくです」

「バナジウムは?」

「……(ぷるぷる)」


 エミリーもバナジウムも知らないと答えた。

 いけるのか? それで。

おかげさまで目標の21万ポイントに到達しました!

皆様の声援にこたえる為にも、これからも隔日での更新をつづけていきます!


面白かった

続きも読みたい

更新頑張れ


と思ってくれた方は、下の評価ボタンから評価してくれると、すごく励みになります。

よろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 約束もクソもなくダンジョンのドロップで稼ぐのは関係ないやん。それをして来なかった設定に無理があるわ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ