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【アニメ放送中】レベル1だけどユニークスキルで最強です  作者: 三木なずな
カーボン編

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445/611

445.一緒にいきたい

 プルンブムダンジョン、プルンブムの部屋。


「では、これからは娘と一緒にダンジョンに入るのかえ?」


 ユキの話を、いつものように興味津々に最後まで聞いてくれたプルンブムが聞いてきた。


「だから娘じゃ」


 俺は苦笑いした。

 カーボンの「最初の共同作業」から始まって、そういうふうに言われることが多く、一旦認めてしまうと、そのままなし崩しに最後まで娘認定されそうな気がする。


 苦笑いしつつ、少し考える。


「まあ、時々だろうな。ユキにも自分のやりたいことがあるだろうし、バナジウムもだ。そういうのがあるだろうし、いつもついてこい、っていうのはちょっとどうかって思ってしまう」

「ユキなるスライムの事は知らぬが」

「ん?」

「バナジウムなら、おそらくはわらわと同じじゃ」

「同じって?」

「自分のしたいことだけをする。そなたについていって、そなたの力になりたいのであろう」


 プルンブムの言葉に、妙に納得してしまった。


 彼女に限らず、精霊は皆そういう傾向がある。

 自分がしたいことだけをする、こだわりの一点は譲らない。


 アウルムは外に出たくて、プルンブムは逆にこの部屋で俺をまって俺から話を聞きたい。

 カーボンはやや自己陶酔の域まで入ってる「試練」を好んで、テネシンはツンデレだ。


 精霊はみんなそういう傾向があって、プルンブムに言われて俺はすごく納得した。


「そうかもしれないな」

「一度聞いてみてはどうじゃ?」

「そうしてみよう」


     ☆


 プルンブムの部屋から屋敷――バナジウムのダンジョンに戻ってきた。


 屋敷の中は静まりかえっていた。


 旧屋敷にいた頃は、エルザとイーナの買い取り所があったこともあって、昼間でもそれなりの音がしたもんだ。


 それに普通の屋敷だったから、窓一枚、壁一枚へだてればその向こうはシクロの街だ。

 昼間特有の、街の生活音も聞こえてくる。


 しかし新屋敷、バナジウムダンジョンは違う。

 それっぽく見えるように、壁に窓こそついているが、それは「窓に見えるダンジョンのオブジェ」だ。


 その向こうに街はなく、故に静かである。


 俺は屋敷の中を歩いた。

 サロンで、ユキとバナジウムを見つけた。


「ただいま」

「お帰りなさい、パパ」

「……(ギュッ)」


 二人に声を掛けると、一斉にこっちにむかってきた。

 ユキは見た目の幼さに似つかわしくない落ち着いた感じで歩いて向かってきて、バナジウムはほぼダッシュってくらいの感じで駆け寄って、抱きついてきた。


「何をしてたんだ?」

「お話をしてました」

「……(こくこく)」

「お話?」

「はい。パパのかっこいい所をいっぱい聞かされました。パパのおかげで今すごく楽しいって」

「そうなのか?」


 バナジウムをみる。

 同時に、ちょっとこそばゆかった。


 知らないところで噂されるのは恥ずかしい、それがほめてる内容なら恥ずかしさの自乗倍だ。


 そんな俺の恥ずかしさなどまったく気にすることなく、バナジウムは俺に抱きついたまま、見あげてきて、コクコクと頷いた。


「そっか。結構仲良くなったんだな」

「パパに名前をつけてもらった同士ですから」

「……なるほど」


 厳密にはバナジウムは俺がつけた訳ではないんだが、まあそれはそれとして。


「ちょっと話があるんだ」

「はい、なんですか?」

「これからも、俺はちょこちょこダンジョンに入るんだけど、二人はどうする? 一緒に来る?」

「え?」


 ユキは一瞬、きょとんとなってしまった。


「どうした」

「その……私はずっと一緒に行くつもりだったですけど」

「そうなのか?」

「はい。だってパパ、身を守るアイテムもくれたし、そういうことじゃないんですか」


 なるほど、そういう風にうけとったんだ。


「あの……もしかして……行っちゃ、だめですか?」

「……(じー)」


 同時に俺を見つめる二人。

 ユキは泣きそうな顔をしている。


「いや、そんな事はない。一緒に来てくれると嬉しい」

「はい!」

「……(こくこく)」


 ユキとバナジウム、二人は嬉しそうに頷いた。

 そこまで嬉しそうにされると、こっちも嬉しくなってきた。

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