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354/611

354.ルール解明

 セレストが無力化したミノタウロスを、イヴがとどめをさした。


 ミノタウロスが消え、ダンジョンの空気が元に戻った。

 次々と出てきたのは、布地の多い服を着た天使だった。


 イヴが速攻で向かっていって、その内の一体を倒す。

 天使はガードの上から無惨にも頭をかち割られて、果物みたいなのをドロップした。


 イヴはそれを拾って。


「失敗」

「だから成功」


 逆にチョップをして、果物を取り上げる。

 イヴは唇を尖らせて、不満そうな顔をした。


「ザクロか」

「ちゃんと植物だったわね」

「ああ」


 セレストに頷く。


「もう一度やってみる?」

「そうだな。動植物以外のも試したい」

「うさぎに任せる」


 イヴは早速動き出した。


 指輪をつけたまま、更に別の指輪をつけて、ポーションを飲んで、ナウボードで能力を確認。


―――2/2―――

植物 D

動物 B(-1)

鉱物 A(+4)

魔法 C

特質 C

―――――――――


 傾向ががらりと変わる。

 まるで別人のような能力になった。


 その間、セレストも動いていた。

 俺から牛の模型を受け取って、離れたところに置く。


 途中で何体かの天使が寄ってきたが、糸で操作したバイコーンホーンのオールレンジ攻撃だけで難なく倒した。


 セレストはやっぱり強くなった。

 雑魚モンスター程度なら苦もせずに倒せる様になってて、見てて安心して任せられる。


 しばらくして、ミノタウロスがまた孵った。

 さっきとまったく同じ感じで、糸操作バイコーンホーンで動きを止めて、無力化する。


「すごいなセレスト」

「何が?」

「やってることはさっきと一緒だけど、動きは違う。即興の動きなのか」


 他の冒険者がやってる周回のためのパターン化と似てるようで、本質は違っていた。


「なに言ってるの」


 セレストは何故か呆れたように眼を細めた。


「こんなのリョータさんが教えてくれた事じゃない」

「俺が?」

「あなたがいつもしてる事よ」

「……なるほど」


 確かに俺がやってることと似てると言えなくもない。

 大まかな方向性を決めて、土台とか基礎とかしっかりしてる状態で、後はある程度の即興。


 うん、言われてみれば一緒だ。


「私をあまりほめると自画自賛になってしまうわよ」

「それは恥ずかしい」

「しなくても私がほめるけどね」

「逃げ場がなかったか」


 よく知らない相手に言われたら本気で恥ずかしい所だが、そこは気心が知れた仲間どうし。

 セレストと他愛もない雑談をした。


 すると、空気がまたまた変わった。

 それを察したイヴ、誰に言われるともなく飛びかかって、一撃でミノタウロスを葬る。

 イヴも大分なれてきたみたいだ。


 空気が戻って、元のカルシウム。

 現われだしたのは――。


「あら、鎧ガッチリしてるわね」

「ザ・戦乙女って感じだな」

「弱点どこかしらね」

「……お尻、かな」

「はい?」

「いやこっちの話」


 ゴホン、とわざとらしく咳払いでごまかした。


 改めてモンスターを見る。

 天使は天使だが、今度は金属的な鎧で完全武装した天使だった。

 戦乙女って感想が瞬時に出るくらい、そんな感じがする相手だ。


 見た目だけで言えば今までの天使の中で一番強い――のだが。


「うさぎは誰にも止められない」


 完全やる気のイヴにはかなわなかった。

 イヴは真っ直ぐ飛び込んで、剣のガードごと鎧を――どころか本体まで手刀で粉砕して、一撃で倒した。


 そして、ドロップしたのは。


「石……くっつく」

「磁石かそれ」


 戸惑うイヴの代わりにドロップした物を拾い上げた。

 直径1センチに長さ10センチの金属の棒、それが3本。


 三本はそれぞれくっついてて、引き離してもまたくっつく。


 思った通り磁石だった。

 そしてそれは、鉱物Aの結果だった。


 おおよその事がわかったから、更に検証していった。

 品種改良の時、ミノタウロスを倒した者の一番高いドロップに種類が変わる。


 俺とセレスト、オールSとオールFは種類が変わらず現状維持だ。


 そして一番高いのが複数ある時は。


「成功――やっぱり失敗」


 ニンジンをかじって嫌そうな顔をするイヴ。


―――2/2―――

植物 A(+3)

動物 A

鉱物 E

魔法 C

特質 C

―――――――――


 二つ同じ高いのがある場合、ランダムでどっちかになるみたいだ。


 仲間二人の協力で、ルールがほとんど解明出来た。

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[気になる点] >イヴは早速動き出した。 >指輪をつけたまま、更に別の指輪をつけて、ポーションを飲んで、ナウボードで能力を確認。 ―――2/2――― 植物 D 動物 B(-1) 鉱物 A(+4) 魔法…
[一言] そして一番高いのが複数ある時は。 ―――2/2――― 植物 A(+3) 動物 A 二つ同じ高いのがある場合、混ざるみたいだ。 "ランニング・キャロット" 走るニンジンをイヴが追いかけている。…
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