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レベル1だけどユニークスキルで最強です 作者:三木なずな

第三章

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199.ニホニウム、地下八階

 ニホニウム、地下八階。
 久しぶりに一人でここに来た。

 周回、になったらレイアを連れてくるが、一回目は自分できた。
 自分一人なら何が起きても――って考えからだ。

 八階に入ると、すぐにモンスターと遭遇した。
 今回もゾンビだった、しかしタダのゾンビじゃなかった。

 胴体は人型だ、ただし四つん這いになっている。
 服どころか皮膚すらなくて、ピンク色の筋肉が剥き出しになっている姿。
 それよりも更に異形なのが、三つの伸びた首。

 人間の体をしたヒドラのゾンビ。
 そんな言葉が脳裏に浮かんだ。

「まずだ小手調べだ」

 首の三つはまったく同じ、三つ子レベルの同じ顔だ。
 その首の一つに通常弾を撃ち込んだ。
 銃弾は眉間にヒットした、ヘッドショットだ。
 が、効かなかった。
 銃弾は勢いを失い、当たった瞬間ポトッと地面におちた。

 何も起きないって訳でもなかった。
 ゾンビの胴体は四つん這いのまま、首が霞のように消えて、それからまた三つの首になった。

「なんかあるな……」

 そうつぶやきながら、もう一回銃を撃つ――うぐっ!

 ヘッドショットがヒットした瞬間、俺の脳天にガツンと衝撃がきた。
 目の前が真っ白になる、意識が飛びそうになる。

 上半身がのけぞってふらつくと、ゾンビはすかさず飛びかかってきた。

 とっさに横っ飛び、地面を転がって無様に躱す。
 手と膝をついて起き上がると、ゾンビの首がまた一瞬きえて、三つ首に戻る光景が見えた。

 とっさの判断、これまでの実戦経験で三つ首の正体にあたり(、、、)がついた。
 ついでにもう一つ確認、通常弾でゾンビの足をうった。

 銃弾は一瞬足を吹っ飛ばしたがすぐに再生――バランスを崩す事すらなく足が再生した。

 ほかの足も撃ち抜く、同じようにすぐに再生する。
 飛びかかってきたゾンビはまったく消耗してる感がなくて、勢いも攻撃の()も同じだ。

 多分、首以外をいくらやってもたおせないだろう。
 弱点は首、しかも三つの内のどれかだ。

 そして三つの首の内訳にも予想がつく。

 確認するためにヘッドショットする。
 眉間に当たる、何事もなく、首が消えて再生。
 都合四回目のヘッドショットで、ようやく首を撃ち抜き、ゾンビは体がボロボロになって崩れ落ちた。

 予想通りだ。
 三つの首、一つは無敵、一つは反射、そしてもう一つは弱点だ。

 無敵は文字通り無敵、攻撃しても無効化される。
 反射は多分倍返しか三倍返しかそこらだろう。眉間に来た衝撃はそれ程のもので、HPと体力がSSじゃなかったらあぶなかった。
 そしてもう一つの首、そこを撃ち抜くとゾンビは消える。

 問題はどれか一個――というより外れの二つを攻撃すると首はいったん消えてシャッフルすることだ。

 常に三択を、危険な三択を強いられるゾンビだ。

 俺はドロップした種を拾った。

 ――運が1あがりました。

 能力はしっかり上がる、だけどやっかいな敵だ。
 次のゾンビが早速現われた。俺しか来ないこのダンジョン、休む暇はない。

 リペティションがある、が俺はそれをまずは封印した。
 確実に攻略が出来るまでは封印だ。

 とはいえどうしたものか……そうだ、追尾弾。
 ゴミのハグレモノ、フランケンシュタインからドロップする追尾弾。
 敵の弱点を追いかける、ダンジョンマスター戦でも活躍した弾丸だ。

 それを込めて、撃った。
 追尾弾はホーミングする軌道を描いて、一つの首に飛んでいった。

「――ぐはっ!」

 着弾した瞬間、また目の前が真っ白になるほどの衝撃がきた。
 立て続けの衝撃、今度は復帰まで遅れて、ゾンビの突進で噛みつきを喰らった。

 とっさに噛みついてきた頭を殴った。
 どうやら無敵の首だったみたいで、殴った瞬間首が消えて、噛みつきも解除した。
 俺は地面を蹴って大きく後ろに飛んだ。

 回復弾を自分に打つ。
 ふう……危なかった。

 弱点を狙う追尾弾なのに何故……?
 少し考えると一つの仮説が浮かび上がった。

 俺はまた追尾弾を撃った、同時に回復弾をスタンバイさせた。
 追尾弾が着弾する瞬間自分に向かって回復弾を撃つ。

 また衝撃が来た、来た瞬間にひいた回復弾のトリガーが俺をすぐに動かせるようにして、回避行動を取った。

 追尾弾、弱点を狙う弾丸。
 反射が倍返しだか三倍返しだかになってるのは、その首がほかの首に比べて防御が弱いって事なのかも知れない。
 だから追尾弾はそこを狙い、カウンターが来た。

 つまり、追尾弾は反射の首しか狙わない。

「それならそれでいい」

 俺はにやりとわらった。

 三度追尾弾を込めて、今度はあさっての方向に向かって撃ちながら、ゾンビに向かって突進する。
 集中する、銃弾の軌道を見極める。
 速さSSの世界で、追尾弾が狙う首が軌道でわかった。
 この瞬間、あたりが3分の1から2分の1になった。

 追尾弾が確実に反射を狙うのなら、狙わないほかの二つに本当の弱点があるということ。
 そして、その二つのどれをやっても反射は来ないと言うこと。

 俺は追尾弾よりも更に速く動いて2分の1を撃った。
 無敵の首だったようだ。

 いったん距離を取って、更に追尾弾、更に突進、更に2分の1――また無敵。
 もう一回――やっぱり無敵。

「ちょっと引きがよすぎるぞ」

 笑いがこみ上げてきた。
 まあでも、追尾弾の選別が聞いてるってことでもあると思うことにした。

 3分の1を三回連続でひく確率は27分の1だ、それにくらべて2分の1の三連続はまだ8分の1。
 12.5%ならなんやかんやでひく確率だ。

 四度目の正直、今度こそ真の弱点を吹っ飛ばし、種を手に入れた。

 追尾弾選別でゾンビを狩り続けていった。
 五体倒すまでのチャレンジ回数が8回、運が2分の1に収束してきてる。

「……でもなあ」

 このままでいいのか、って思った。
 2分の1の選択、反射をつぶした上での選択。
 それは攻略として成立しているが、もう一息なにかが欲しい。

 更に選択肢を絞れるように。

「……もしや」

 ある可能性を思い至った。それをタメしてみることにした。
 失敗して、反射されても問題は多分ないテストだ。

 ゾンビが現われて、俺は回復弾を連射した。
 三つの首それぞれめがけて回復弾を撃った。

 弾はあたって、回復の光を放つ。
 ゾンビの首はリセットしなかった!

 ビンゴだった。
 ゾンビの首は攻撃を受けるとリセットするが、回復はリセットしない。
 更に三つの内、一つの銃弾が回復の効果を出せなくて弾丸のまま地面におちた。

 多分、無敵の首だ。なぜなら反射の回復を感じたからだ。

 首切り分けのチャートを頭の中で復習して、拳銃にそれぞれ追尾弾と回復弾を装てん。
 より早い動きが要求されるなか、俺は深呼吸して、カッと目を見開いて突進。

 追尾弾を撃つ、その軌道で選択肢を2分の1にする。
 その追尾弾よりも早く突進してゼロ距離で回復弾を撃つ、回復しなかった。
 考えるよりも脊髄反射でのこった一つの首を吹っ飛ばした。
 ゾンビは倒れて、種をドロップした。

 種を取って、更にステータスをあげる。
 ステータスよりも更に大きい満足感を覚えた。
 攻略法を確立させたからだ。

 追尾弾で反射を切り分け、回復弾で無敵を切り分け。
 この二種類の弾丸と、速さSSを織り交ぜて。
 ニホニウム地下八階を無事攻略して、この日、まずは運をFからEにあげた。
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