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レベル1だけどユニークスキルで最強です 作者:三木なずな

第三章

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122/198

122.パンデミック

 ニホニウムダンジョン地下六階。
 鍾乳洞の様な洞窟に、毒霧が充満していた。

 俺は石になってて毒効かないが、この毒どれくらいの威力なんだろう。

 ……ちょっと試してみるか。

 通常弾を一発地面に置いて、距離を取った。
 モンスターは同じダンジョンの別の階じゃハグレモノにならないが、違うダンジョンならなる。
 それは、魔力嵐の日にエミリーがシリコンに助けに来てくれた時に判明してる。

 おれはニホニウム産じゃないただの通常弾をハグレモノ化させた。
 しばらく待ってると、通常弾がスライムに孵った。
 テルルダンジョン一階に生息するスライム。

 そいつは孵った途端――溶けた。
 毒霧に当てられて、ドロドロになって溶けた。

「猛毒じゃないか、これは危ねえ」

 思えば俺も大分やばかったからな。
 HPがSSで体力もSの俺でもやばかったんだ、スライム程度がほぼ即死なのはひやりとなりつつも納得した。

 やっぱりこの階、ニホニウム地下6階は石になったまま攻略しよう。

 となればやれる事は限られる。
 銃と、リペティションだ。

「リペティション!」

 現われたポイズンゾンビに周回魔法を当てた。魔法は問題なくゾンビを倒して、知性の種をドロップした。

 次に銃を構えた。
 通常弾から火炎弾、冷凍弾、無限雷弾、追尾弾。
 攻撃用の弾を一通り装填してダンジョンを進む。

 ポイズンゾンビが出るたびに銃で撃つ、通常弾はヘッドショット、特殊弾は適当に体に当てる。
 色々試してみた結果、ポイズンゾンビはただの毒をだすゾンビだって分かった。
 猛毒の霧を出すけど、耐久力と速さは地下二階のゾンビとほぼ一緒。
 同じ打ち方で倒せるし、攻撃してくる速度も一緒だ。

 攻撃力は試せない、石だから。
 石をといて攻撃させるなんてのは出来なかった。あの毒は怖すぎる。

 まあでも、大体わかった。ニホニウム地下六階のモンスターの詳細は大体分かった。

 俺はゆっくり周回し、リペティションと通常弾のヘッドショットを交互に織り交ぜつつ、種を狩って知性をFからEにあげた。
 日課を終えて、地上に戻る。

「ふむ、毒も上の階には来れないのか」

 地下五階に上がった瞬間、霧は完全に晴れていた。
 よく見れば階の境目でまるで透明の蓋でもあるかのように、毒霧は上の階に上がって来れない。多分下の階でもダメなんだろう。
 この辺はモンスターの特性と同じだな、この毒霧はきっとポイズンゾンビと同じようにニホニウムの別の階には存在出来ないんだろう。

 そう思って外に出た、表のナウボードでステータスもチェック。

―――1/2―――
レベル:1/1
HP SS
MP S
力  SS
体力 S
知性 E
精神 F
速さ SS
器用 F
運  F
―――――――――

 知性がきちっと上がってて、これで日課終了。
 俺はダンジョンから離れて、いつもの(、、、、)場所に向かった。

 人気のない開けた場所、ハグレモノを孵すために何度も何度も使ってる場所。

 そこにポーチをあけて、知性の種を一つ地面に落とした。
 知性の種から孵るハグレモノ、ポイズンゾンビはどんな特殊弾をドロップするんだろう。
 それを確かめようと思った。

 しばらく待つと、種からポイズンゾンビが孵った。

「リョータ、ここにいたの」
「アリスか」

 振り向く、仲間のアリスが来ていた。
 彼女は肩にいつも通り三体のモンスターを乗っけて、持ち前の人なつっこい表情を浮かべて近づいてくる。

「どうしたんだ?」
「ちょっとリョータに相談したいことがあってさ。ダンジョンの中にいなかったからここかなって」
「そうか。相談ってなんだ」
「うん、実はね――あっ」
「あっ?」
「リョータ、あれ」

 アリスは顔色を変えて俺の背後を指さした。
 振り向く、そこにポイズンゾンビがいた。今し方孵ったばかりのポイズンゾンビだ。
 ゾンビだけじゃなかった、そいつが体から放つ霧が拡散していた!

「くっ! リペティション!」

 とっさに魔法を使った、ポイズンゾンビは一瞬で倒された。
 倒された、が、既に体から出ている毒霧は消えなかった。

 霧は風に乗って拡散――シクロの街に向かっていく。

「何あれ」
「毒霧だ、吸い込んでもヤバイし肌に触れるだけで肌が溶ける」
「ヤバイヤツじゃん!」
「くっ! リペティション!」

 もう一回魔法を使った。しかし効かなかった。
 毒霧はモンスターじゃない、一度倒したモンスターなら例えダンジョンマスターだろうと瞬殺するリペティションはまったく効果がなかった。

「どうしよう、もっとひろがちゃったよ!」
「くっ」

 銃を抜く、銃弾を見る。
 効きそうな弾丸を見る。

「火炎弾だ!」

 特殊弾の一つ、火炎弾を込めてうった。
 しかし弾丸は霧を貫通、炎は生まれず遥か宙の彼方に消えていった。

「リョータ! 木が溶けちゃった!」
「わかってる! 他に効きそうな弾丸……効きそうな……消滅弾だ!」

 強化弾を全部抜いて、二丁拳銃にそれぞれ火炎弾と冷凍弾を込めた。
 そして連射、広がっていく毒霧の外側に向かって弾丸を連射。

 火炎弾と冷凍弾が途中で当たって融合し、消滅弾となった。
 まるで空間ごと呑み込むような小さなブラックホール、その消滅弾が毒霧も呑み込んだ。

「やった! それならいけるよリョータ!」
「ああ! これでもう大丈夫だ!」

 更に火炎弾と冷凍弾を込めて連射、毒霧を片っ端から消滅弾で呑み込ませる。

 時間が経ちすぎて広まり過ぎたため、毒霧を全部消すまでに4セット、計24発の消滅弾を使った。

「ふう……やばかった……地味に今のがここに来ての一番のピンチだったかも知れない」

 あのまま広まってシクロの街まで届いたら――想像するだけでぞっとした。

「ごめんねリョータ、あたしのせいで」
「いやアリスのせいじゃない」

 俺はポイズンゾンビがいたところに向かい、ドロップした弾丸を拾い上げる。

「このポイズンゾンビの特性だ、こいつを野外でハグレモノにするにはそもそも危険なんだ」
「うん……」
「それに」

 今のはアリス、つまり仲間だったから問題ないが、ハグレモノがドロップするというのを本来他の人間に見せたらあまりよくないんだ。
 ドロップSの力、それは仲間内の秘密。
 こんな開けたところでやるのはそもそもまちがってる。

 前にもちょっと考えたことがあった、しかしポーチを手に入れたことで後回しにしてきた。

「ハグレモノ用に誰の邪魔も入らない場所がほしいな」

 土地、それともでっかい建物。
 どっちの方がいいのかまだ分からないが、そういうのが必要になると俺は思ったのだった。
面白かったらブクマ、評価してくれるとすごく嬉しいです!

■書籍版一巻、おかげさまで重版です!

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