表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神滅のソードコード  作者: キム
3/3

2話:告白

真由美への告白…相当レベルの高いことだろうと思う。まあ俺は、無理だと思っている。

自分でいうのも良くないけど、この告白の成功確率は0パーセントじゃないかな。クラスのゴミみたいな俺がクラスの人気者に告白する。薄いね。でももう決めたんだよ。不登校になってニートになるんだよ。俺は。

最高のシナリオは真由美と一緒に不登校になるってことかな。絶対無理だろうけど。


放課後までの授業は珍しく集中して聞けた。最後の授業と考えるとなぜか深みがあるなと感じてしまう。どーでもいいけどね。


昼食では学食室で弁当を一人で貪り、自由時間では屋上へ行って、好きな歌い手さんの音楽を聞く。

昼からの授業も終わった。最後の授業は体育だった。


体育→クラスの人気者が歓声を謳歌する時間だと捉えている俺にとって、体育の時間は苦だった。

でも今日は違った、フォークダンスだった。しかも真由美とペアの、ね。


「真由美、よろしくね。」

「うん!よろしくね。エイジ」

フォークダンス→リア充共が青春を謳歌するものだと捉えていた俺。素晴らしいもんだな。

真由美とのフォークダンスはとても楽しい。たまに真由美が間違えて赤くなった可愛い顔を見られるし、真由美の手を握れるし、真由美の笑顔を見れるし。俺はなんとなく青春ってのを理解した。自己満足だが。


約30分の至福の時間は終わった。握りっぱなしだった手のひらは汗でびっしょり。

(これが真由美の汗…)そう感じて欲情しそうになった。

「エイジ、ありがと!…私いっぱい間違えちゃって…ごめんね」

「いやいや、こちらこそありがとう。俺だってなんかおかしいとこあったし…」

「…エイジ優しいね。気を使ってくれて嬉しいよ。」

「…そ、そんなことないよ。」


真由美の笑顔を見て、俺の顔は真っ赤に染まった。真由美はこれをどう見ただろうか。

なんにせよ素晴らしい時間をくれた体育にありがとうを言おう。………手はしばらく洗わない。


最後の学校が終わった。真由美を下駄箱にて待つ。

真由美は放課後にいつも、わからなかったところを先生に聞く。約20分くらい。真由美の友達はみんな家は真由美とは真逆のところにあり、一緒に帰るというこうができないのだ。だから真由美はいつも帰路は一人。


俺は告白する。……………なんて言おうかな…

王道パターンの「ずっと前から好きでした」的な?

ギャップで「俺と付き合えよ。」?

素っ気なく「なあ、真由美。俺と付き合ってくれませんか?」?

どうしようかな。やっぱり王道パターンで行こうかな。


真由美が階段を降りてきた。目が合った。

「あれ?エイジ、どうしたの?エイジも先生に用事?」

「いや、違うよ真由美。」

「ん?じゃあ何?」


俺は真由美に近づいた。そして真由美の目の前で肩膝を付き、真由美の手を取った。

「っちょ…エイジ?」


「…ず、ずっと前から好きでしたぁ!俺とつき…付き合ってください!」

言い切った。真由美の顔が赤くなる。俺は真剣な顔つきで凛としていた。そのときの俺は俺じゃないみたいに堂々としていた。真由美の口が開いた。


「…ふふっ…!エイジそんな風に思ってたんだね!だからフォークダンスの時ににやけてたの?」

そして真由美は笑い出した。

「あはは!いいよ!付き合おう、エイジ!今のエイジ格好良かったよ!」

その言葉を聞いた俺は、思わず涙を流した。真由美が笑っている…真由美が喜んでいる…真由美が付き合ってくれる…!

「…ありがとう!真由美!…本当にいいの?」

「いいよ!…あんなに気持ちのこもった告白されて、断れないよ!」

「ありがとう…ありがとう…」

「っふぇ!?私の腕で涙を拭くなー!」

「!?あ…ごめん!あまりにも嬉しくて…」

「もう…。じゃあエイジ、一緒に帰ろう!」

「うん!」


というわけで俺は成功したんだ。まさかだと思ったよ。嬉しくて飛び上がったからね。


「真由美…いつも一人で帰ってたの?」

「まあね。だって友達が全く反対側だし…すごく寂しかった。」

「そっか…じゃあ今日からは俺と一緒に帰ろうな。」

「でも…エイジの家って私の家に寄ると回り道になるでしょ?悪いよ」

「大丈夫。俺は一人でも平気だし。なにより真由美と長い時間一緒に居られるしね。」

「なら…お願いしよっかな!」

「おう!真由美を寂しくなんてさせないから。」


そのときの俺はすごく男らしかった。自分でも驚くほど。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ