7ー7・断絶
今回から
フィーアは、本名である芽衣と呼ばせて頂きます。
ややこしいですが、ご了承下さいませ。
「お嬢様?」
そう呼ばれるのは、久方振りか。
あまり好きな呼名ではないが、この家に居る以上は、そう呼ばれ続けるのだろう。
北條家の縛りから、逃れられない事を悟った。
ならば。自分も“孫娘”という立場を使って、祖父を、兄を殺めた男を束縛しよう。
あの電話を機に
何もないのに、祖父への憎悪が増して行った。
ならば、人を殺めた事を気にしている祖父に近付いて、自分の存在を見せつけろ。
(___だって、私は)
信濃 直斗の双子の妹。
厳造は自分がいる限り、直斗を殺めた事実を直視するだろう。風花はその弱味を握った。許し逃がしはしない。
自分の存在で、奴を苦しめてやろう。
これからは、復讐の為に生きてやる。
闇が解けはしない。
薄暗い廊下で、二人が立ち話をしている。
ジェシカは、萩原の話に呆気に取られつつも
出来るだけ冷静に、事を飲み込もうとした。けれど。
『___風花、お嬢様が仰っておりましたよ。実家に帰るので、全てを終わらせたい、とね』
『じゃあ、ここは_』
『本日付で契約者が北條家ではなくなります』
(___なぜ?)
ジェシカに、浮かんだのは疑問符。
風花は三年前、全てを捨てたつもりで実家との距離を置いた筈なのに。
『立派な跡取り娘』としての姿になって帰ってくる。
それは事実が半分で、偽りが半分。
北條厳造から離れたくて、あの日、彼女は___。




