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クライシス・ホーム  作者: 天崎 栞
【序章〜訪れた変化〜】
5/120

1-2・その意味を知る





其処は闇の世界だった。

照明のあったエレベーター内とは違い、一面に光りなどない。

チカチカと表面が割れた『非常口』の緑の蛍光灯も光りが弱く

ほぼ壊れかけで、少女がいつの間にか手に持っている懐中電灯の

明かりで移動しているのが今の現状だが、圭介には少女の後を着いて行くのがやっとだった。


電灯の視野が小さくて狭い。

その上、少女が着ている服も全てが漆黒だったのもあり

淡い明かりと薄く伺える少女の華奢な身体の線を頼りで。


エレベーターから降りて長い廊下を進み、

左へ曲がった時、ひとつのしっかりとした扉が伺えた。

扉に掲げられた木製の看板には『Crisis・Home(クライシスホーム)

と丁寧に書かれていた。……何かのお店か?


けれど。

英語の意味を察すると、意味が意味故に訳が解る気がする。

少女がドアノブを回して、扉を開けた先には__________

青年が絶する情景が映っていた。


其処はまるで、廃墟のような寂れた場所と空間で瓦礫が壊れ

削れて見るだけで無残な現場だった。

崩壊した(その)



(______まさか……)



圭介の中である思いが脳裏に余儀った。



(……此処が俺の死に場所か?)





「此処が俺の、墓場?」



少女が言っていた、死に場所。

それは此処なのだろうか。



背を向け、目の前を歩く少女に尋ねてみる。

すると少女は____________……。




「墓場……。そう思う?

けれど残念。違うわ。もっと先。此処は単なる"初見"」


着いて来て。と少女は、振り返らぬまま、全てを言う。

圭介は言葉の意図は益々、分からなくなって来たがそんな中で気付いた。

一番突き当たりの、高い本棚があること。

ただそれだけがアンティーク調で壊れず、綺麗に保存されている。

周りが荒んでいるせいか、その本棚だけが浮いて見えた。



少女はその側面のボタンを押す。



______その瞬間。



圭介は、目を見開いた。


高く重たいであろう本棚が突然にして、開く。

そして驚いたのは、その先にまだ闇の道があったからだ。

流石に自殺を願っていた己の願望がカラリと疑念が益々、浮かぶ。


そんな青年とは反対に、少女はようやく青年の方へ向き

闇の道へと招く様に片手を持ち上げて、言った。



「____________ようこそ、クライシス・ホームへ」





クライシス・ホーム。

つまり危機の家。


覚悟していた筈なのに、少女の据わった声音を聞いた時

何故か背筋が凍った様な感覚がした。



「……此処は…」



震えた声で問う。すると______。




「言ったでしょう? 良い死に場所があるって。

此処は死の人々を迎える場所、即ち、葬儀屋です」



葬儀屋。

彼女は葬儀屋の関係者だったのだ。





それを聞いて、圭介は本当に凍り着いた。




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