3-4・秘密裏、隠し事2
どうして自分が後継者になったのだろう。
どうして、あの時に庇えなかったんだろう。
そんな答えの出ない自問自答を繰り返して、無に終わる。
葬儀を終えてから、
フィーアの計らいもあって風花は休暇を貰っていた。
あの日から精神的なトラウマとフラッシュバックに襲われて平常心が保てない。
自責の念と罪悪感。
あの葬儀の中で絶えないフラッシュバックの感覚がしてトラウマが蘇り続ける。
トラウマになった光景が脳裏に焼き付いて浮かびながら考えない様にしても
どうしても脳裏に思い出してしまう。
そんな避けて来たフラッシュバックを浮かばせながら
ベットに横になりながらひたすら、自分を悔いていた。
_____________クライシスホーム、事務所。
整理整頓された、必要な物だけがある事務所。
デスクだけではなく休める様に休憩所の間取りもちゃんと取られている。
そんな休憩所の飲み物の機械で淹れたコーヒーを壁に背を預けて飲みつつ
ジェシカが戻ってくるのを、圭介は見ていた。
ここの仕事もだいぶ慣れた。
葬儀関連も手に着いて来たと思う、ただ一つ出来ない事を挙げるなら。
「あれ? 風花は…?」
「風花なら今日は休みですよ。ジェシカさん」
風花の姿が見えない事に気付いて、ジェシカはフィーアに問う。
けれどフィーアは資料に目を通しながら冷静に答えを言って、話題を済ませる。
何時も風花にべったりとしているジェシカはどうしてかと聞くと思っていたが。
「……そっか。そうよね」
何故かジェシカも悟った様な答えを口にした。
フィーアもジェシカも意外とあっさりとしたものだ。
何時もベタベタとしているジェシカがそれで黙る筈も無いと思ったが
今回ばかりは、静か。意外だった。
(何故?)
そんな会話を聞いていた圭介は、心の中では疑問符が浮かんでいた。
先日の葬儀では普段の風花が何処か可笑しいと感じさせるばかり。
見るからに普段の風花ではなかった。
まるで何かの螺子が外れてしまった人形の様に。
更に疑問に思ったのはフィーアとジェシカの会話ではその理由を知っている様な
素振りをするのだから益々謎は深まっていくばかりだ。
何かあるのだろうか?
仕事は慣れたものの、圭介の“与えられた役割り”であるここの責任者の監視と教育、護衛が出来ない。
最近は親しくなってきたせいなのか、それとも自分の役割りへの責任なのか、彼女を見れば安心していた。
否。束縛するつもりは無いが謎の多い彼女を見つけるのは難しく。
見守れば良いとフィーアは言ったけれど、意識しなくても不意に
風花の身に何かあるのか気になってしまう。
「さてと、風花が居ないのならじゃあ私は夜勤に浸るわ」
「すみません。お願いします」
冬の夕暮れは早いから…と、揃って口を揃える二人。
「フィーアさん」
「なんですか?」
帰る身支度を済ませているフィーアに、圭介は身を乗り出した。
「あの、風花の様子見に行っても良いですか?」
「……ほう、どうしてです?」
「最近様子が可笑しいから気になって…あ、駄目ですかね…」
あんまり深く関わろうとすると、風花は嫌だって言ってたか。
あまりに干渉すると彼女は逃げてしまう。
そんな圭介の表情にフィーアは暫し考え込んだ後、
薄く微笑んだ。
「良いですよ。
貴方の仕事は風花の監視人ですし。
まあ、様子見でもして下さいな。私と風花の家は一緒ですし」
返答は、意外な答えだった。
【お詫び】
ジェシカの名前が、第2章以降レベッカになっておりました。
間違えたままで申し訳ありません。
これからは、最前の注意を払いながら
執筆したいと思います。




