第43話:考えたら負けです(断定)。
とりあえず、書けた分だけ投稿します。
硝酸に鉄鉱石を溶かしてはまた継ぎ足し、継ぎ足し。精練用の硝酸鉄(+銅&ニッケル含む)溶液を作るため、メンバー総出で石をぽいぽいと水槽に放り込んでいく(※ぽいぽい=雰囲気ね←リアルにぶっ込むと硝酸がはねて危険でござい)。
ぽいっとぽいっと。
俺が言い出しっぺになって始まった、3ヶ月に一度の研究所外向け定期報告会(直近は先月にあった)の感想についてあれこれ駄弁っていると…。席を外していた雪白さんが作業部屋に戻ってきた。
「ソーマ殿。そろそろお時間です」
「………。え~」
「え~、じゃありません。そろそろ諦めたらどうですか」
なぜこんなやり取りになっているかというとね…。
結婚騒動のどさくさに紛れ、兄貴(首謀者)が俺をウォーカー家に組み込みやがったのでございます。
有無を言わさず、強制でした。
当主の親父殿も、実に変わっておられる人で。兄貴と俺が(過去に)兄弟関係だったし法的にも問題無いよ?…的な軽さで、あっさり手続き決行。
イエス! 許諾がおりたよ~☆
…で、こうなりました。以降、ちょくちょく晩餐にお呼ばれされております。
貴族様よ。いいのか? それで!
◆ ◆ ◆
「ん~。実に美味しいねぇ、このお肉は」
実に優雅に(俺がうっかり倒した)アサシンスネークのステーキを食しながら、兄貴の実父であるウォーカー氏が嘆息と共に感想を述べた。
虎男の父も、また虎なり。
姿形が実にそっくりです。はい。
大昔の名残でやや偏見を持たれている獣寄りな種族たちのなかで古参の貴族をしている、ウォーカー家のようなお家は希少である。
世界的な多種族共生路線の時代背景のなか、民族主義的な風潮は時の流れと共に風化してきているけど、ハロワ(街の職安)が実質上表裏の二面性を持つことが示唆している程度には、ヒト族(かつ平民)優位が残っているご時世である。
(まぁ、考えたら負けだよな)
俺はモキュモキュと肉を頬張りながら、我が身の行く末を考えた。
考えたら負けとは分かっているんだよな~
…うん。アサシンスネーク、旨いです。




