↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、異世界なう。~理系男子徒然日記~  作者: 糖類ゼロ
第3部:生活向上活動編
45/51

第41話:いろいろ目撃されてました。

現実逃避なう。

恥ずかしい二つ名を付けられ、炎神ファミリーと神域でてんやわんやし。兄貴が電撃結婚したあの日から月日は過ぎ、もう10月になった。爽やかな初秋である。


こっちの暦、太陽暦に慣れている(慣れていた)俺にとって、言い方がいちいち面倒だ。なもんで、太陽暦仕様で数えりゃいいか!…となっている。


今日は10月8日なのだが、こっちの言い方だと“10月赤の1番目(10月2週目の日曜日)”。

いや、マジめんどくさい。



1年=月28日×13ヶ月=364日。

【春】3月、4月、5月

【夏】6月、7月、8月、9月

【秋】10月、11月、12月

【冬】13月、1月、2月


【第1週】青の週

【第2週】赤の週

【第3週】白の週

【第4週】緑の週


【曜日】日曜=1番、月曜=2番 ~ 土曜=7番



何度も言おう。…めんどくさい!




研究室の仕事、つまり鍛冶やら薬学やらの業務を一通りメンバーに任せられるようになったので、日曜日=お休みである本日を、フルーツ狩りに充てようと目論んだ、というわけなのです、はい。

いつもは西側だけど、西側じゃなくて南西の森に。西の森がホームグラウンドだけど、狙い目なんでございますよ、この森。秋の味覚が豊富なんスよ。



…とはいっても、一般人が町の外を自由に歩けるかといったら、そうは問屋が卸さない。

ここいら一帯の国でほぼ共通、外遊と狩猟に関する法律が定められている。ここには保証的な意味もあるのだ。


大都市の市街地を中心に、そこに繋がる街道や衛星都市(っていうか町とか村?)だけを行き来出来るのが、『D級ライセンス』という発行証である。

大都市の“市街地”というのが、ハイ重要。

治安の悪い地区に行くには、『C級ライセンス』が必要だ。

そのC級ライセンスを取得するには、国営の“狩猟協会”(ハンターズ・ギルド)から自衛能力に関する認定をもらわなくてはならない。

他にも狩猟協会はその名のとおり、野獣や魔獣の狩猟を管理していて、害獣が出ると組合員にオファーを出す。狩ったモノの持ち込みも可能。

組合員は腕前によりさらにB級・A1級・A2級・A3級・S1級…といった感じで区分されていて、何かしらの要請が来たら出動する。要請は義務で、もちろん拒否権は無い。


ちなみに兄貴に魔改造された俺は、残念ながらA3級らしい。

これ以上あがりたくないわぁ…


戦後平和になって以来、A2級以上の害獣や凶悪犯は出たことがないという話だし、出ても残念火竜様と雷熊さんに『実力行使(紳士の対話)』してもらえば円満に問題解決である。

…ねっ♡



というわけで、単騎フルーツ狩りに向かうべく、狩猟協会に立ち寄った。

俺たちの国じゃ、狩りに(フルーツだけど)行く場合には事前の申請が必要だ。

いつ、どこで、どのくらいの期間か。

申請すれば、トラブっても幾ばくかの後ろ楯が得られる。申請がなければ全てが自己責任。

この違いはデカいので、大概の人は事前に申請していく。…後ろ暗い奴は分からんけどね~。



「ちわ~す」


協会に着いた俺は、窓口で書類作業をしているマックスさんに声をかけた。


「よっ! ソーマ君、相変わらず元気だね」

「まー、それが取り柄ですから!」


他の組合員さんの書類申請を邪魔しない程度に、二人で世間話に花を咲かせていると。

ふと、マックスさんが真顔で呟いた。


「で、ソーマ君。いつかはやらかすかなぁ…と思ったけど、ついに人間辞めちゃったんだねぇ」

「ちょっ…! 止めてくださいよ! 不可抗力です不可抗力!」

「分かってるさ~。加護持ちかぁ。いいよねぇ、加護って」


マックスさん、ニヨニヨと悪い顔をしてるよ…。

呟きなわりに、フロアに美声がやたら響いてるよ…!



「おい、アイツが竜殺しの…?(ボソボソ)」

「ああ、竜殺しだ…!(ボソボソ)」



ざわついてるよ…

どーするよ…



「…マックスさん…」


俺が絶望に満ちた眼差しでマックスさんを見ると、マックスさんが苦笑混じりに答えた。


「残念だけどね~。クロードさんがこれ見よがしに吹聴してた。不可抗力不可抗力!」

「ええぇ…」


兄貴のやつ…

なんちゅーことを!


「んがァァァー! …チックショォォォー!」


ムキーッ! と地団駄を踏む勢いで絶叫したら、フロアにいる方々がビクッとした。

…しまった。魔力が人外になってるんだったよ…


組合員さんは大抵魔力感知が出来るので、人外魔力はヤバかとです。


雰囲気的に居たたまれなくなり、いそいそと申請を済ませた俺は、目下南西の森に向かうことにした。




「さーてと」


街を出て、人の往来も疎らになり、さらに人影も無くなった頃。

俺は、おもむろに服を脱ぎ半裸になった。

露出狂じゃないよ? ホントだよ?


『竜化』


精神を研ぎ澄まして、身体を流れる独特の力を制御する。

南西の森はちょっと遠いので、竜形態で飛んでいく腹積もりである。…低空飛行だけどね!


次第に身体の構成が変わっていく。

ベキベキポキポキと、人型から竜形態に骨格が変化していく。…この過程、ちょっとしたホラーかもしれない、と思ってます!

人前では見せられないよ? ね!




「うぉっ!?」

「わぁ!」


俺、忘れてました。

世の中、スケベ心で付いてくる野次馬が居ることを。



「…やだっ! エッチ!」


舞い上がった俺は変なことを叫びながら、はるか南西の空へバッサバッサと飛び去った。

目尻に涙が浮かんできた。


…なぜこうなった。解せぬぅぅぅ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。