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俺、異世界なう。~理系男子徒然日記~  作者: 糖類ゼロ
第1部:異世界転移編
4/51

第2話:異世界で宿探しします。

ルビ振り、覚えました。

細かい月日設定、挿入しました。(2014/09/03)


投稿は鈍足ですが、どうぞよろしくお願いします。

ザルツ村に馬車が差し掛かったとき、時刻はすでに午後6時をまわっていた。



馬車の中で、アンナはこの世界の色々なことを教えてくれた。


例えば、暦。


1年=月28日×13ヶ月=364日。

【春】3月、4月、5月

【夏】6月、7月、8月、9月

【秋】10月、11月、12月

【冬】13月、1月、2月


【第1週】青の週

【第2週】赤の週

【第3週】白の週

【第4週】緑の週


【曜日】日曜=1番、月曜=2番 ~ 土曜=7番


今日はさっきアンナが言っていたように、10月青の1番目(10月1日の日曜日)、ということだ。


これに則せば、俺の誕生日は“7月青の7番”となる。…うん。あまり変わりない。

3月24日なら、え~…と。うん? 思ってたよか面倒じゃね?“3月緑の3番”


24÷7=3あまり3 → 4週目に切り上げて+3する

……

………。

小学3年だったかな? これ習うの…。まいっか!

(いつ習ったか覚えてないわ~)



頭が迷子になり始めたとき、アンナから素敵な情報が出た。



この世界(少なくとも王国内)の8月は、暑くて(たま)らない…ということで、長期休暇を採用しているところも多いとか。止まると困る施設はキッチリ稼働しているのは当たり前としても…イイネ! 夏休み。







―――――――――――――







『ソーマさん…。 外の景色、見てくれますか~?』


不意に紡がれたアンナの言葉で、俺は後部座席のうしろに目を遣った。


「…綺麗だな……」


そこには、街道沿いいっぱいにひろがる草原が、地平線へ沈む夕陽の残光に赤く照らされながらさわさわと波打っていた。


何時の日か忘れたけれど、確かに見た覚えがある風景。稲穂が実った水田が、秋の風に吹かれて黄金色に揺れる。日本人なら、良く見掛ける風景。




『…これから、大変です…ね~』




旅愁を誘われぼ~っとしている俺に、アンナはポツリと一言、話し掛けてきた。


そして、色々なことを教えてくれる。




「まずは、泊まる部屋を確保、だな」


『そうですねぇ~』


「ここはいっちょ頑張りますか!」


『応援しますよ~』





―――――――――――






異世界へ飛ばされてきた俺は、アンナの助けがあったおかげでトラブルが起こることもなく、ひっそりとしっかりと、この世界の住人になることができた。



まずは当面の拠点にするべく、ザルツ村に3つあるという宿のそれぞれの特色をアンナから訊き、俺は泊まる宿を選んだ。




一軒目は1泊300ы(3000円)


ちょっと高いが、朝夕2食付きで個室に風呂とトイレまであるらしい。

1ヵ月部屋を借りて泊まるとすると、8400ы(8400円)

だから、現在の所持金4905ы(49050円)では高すぎて全然無理。



二軒目は1泊180ы(1800円)


朝夕2食付きで、風呂は宿内にある共同浴場・共同トイレが使えるとのこと。

1ヶ月借りると5040ы(50400円)

若干手持ちをオーバーしているし、全額を宿泊費に回すのは論外なので、ここもちょっと無理そうだ。



最後の三軒目は1泊100ы(1000円)


朝食1食だけ付いて、あるのは共同トイレだけで風呂は無いが。

その代わり、追加料金として30ы(300円)を出せば、宿泊者用チケットと引き換えで、近くの公衆浴場に入れるということだ。

本気で安く済ませるなら、10ы(100円)を払って、宿から30Gr(約54L)程の大きさの木桶(1Gr=約1.8L)に湯をもらって汗を流す程度のサービスはあるという。

1ヵ月借りると2800ы(28000円)。だから、俺でも所持金2105ы(21050円)を残して十分借りられる。


湯浴み込みでも三軒目は3080ы(30800円)




シャワー派の自分にとって、汗だけ流せればいい。別に湯船に浸かる必要ないな…とか、そう思う。


そういうわけで、俺は、身の丈にあった最も安い宿を選んで泊まることにした。

この宿“星乃家”(スターズ・イン)には、月極めと日払いとの2種類の泊まり方があるという。


一括で支払うのは今の俺にとっては資金面のリスクが高いので、まずは今夜から2泊だけ部屋を借りることに決めた。




特に荷物もないので、俺は部屋で休むことにした。アンナは、自分の家に帰ります~、ということになった。


『転生・転移者は必ず王城に出頭する義務があるんですよ~、というわけで、明日また街へ行くことになりますからね。宜しくお願いします~』

と、アンナは俺に明日すべきことを教えてくれた。


わかったと俺が頷くと、『それじゃ、明日8時に村の正門で待ってます!』とアンナが応え、俺たちは別れた。


残金:4685Ы


――――――――――




次話、やっとプロローグ的な話から進めそうです。


読んで頂きありがとうございました。

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