工作系女子は曲がらない。
家庭科が好きだった。裁縫、料理、洗濯などなど実は小学生のころからある教科、家庭科。俺は小さいころからその家庭科が大好きだった。好きなものをすることは努力とは言わないとは本当によく言ったもので、外で遊ばず、ゲームもせず、ひたすら母親に料理などを習っていたのである。
母親がそういう先生だというのもまた好きな理由の1つかもしれない。家庭科の先生ではなく、近所の奥様方に対して開く料理教室みたいなものではあったが、それで俺は料理に触れる機会が多かった。しかし周りはそれを認めない。認めないというよりせせら笑うとでも言うのだろうか。
男なのに。
その一言がついてまわる。料理男子、だなんて都合のいい言葉があるけれど、それは草食系男子やら細マッチョ男子などという言葉の流れでできた言葉だと俺は考えていた。
実際、家庭科の調理実習で男子が事細かに指示してみろ。それはもはや料理男子とは呼ばれなくなる。男なのになんか・・・ね。そのセリフはもうすでに聞きあきた。
さらに裁縫までも得意ときた。高校に家庭科があり、もちろん調理実習だけでなく、ペーパーテストや他の実技のようなものまである。
俺の裁縫のうまさは自分で言うのもなんだが、とても素晴らしい。他の男子、女子に劣らない、むしろ群を抜いて綺麗なものとなっていた。その結果クラスで一番可愛いとされていた女子が俺に裁縫が劣るというイメージがついてしまい一時期大変な目にあったものだ。だって可愛い女子って家庭科うまそうじゃん、という男子の妄想力が生み出した事件であり、俺のせいでは断じてない。
しかし世間は冷たいもので俺を擁護するような言葉は1つもなかった。でも俺は自分を曲げない。曲げる意味がわからない。好きなものならば他人になんて言われようともそれを貫かなければならない。
なんて、この言葉は引用である。俺の唯一の理解者の言葉。俺は正直、そいつに出会うまで曲がりまくりのぐにゃぐにゃだった。もう家庭科関係のことをするのはやめようか。男子らしく、ゲームやサッカー、学生らしく勉強をするべきだろうか。そう考えていた。
そんな俺を粉々に打ち砕き、新たに生まれ変わらせたその人。
そうだな、最近話した会話はノコギリについてだったか。いや、何も物騒なことはない。ただの俺の愚痴である。
中学の学際の頃、装飾をするために木をノコギリで切る作業があった。もちろん男の中からその作業をするやつを選ばれることに。ここで1つ言うが、力仕事が苦手な男子がいるということを忘れるな。もちろん俺は苦手だった。その頃から技術より家庭科だったし。
ノコギリを必死に動かす俺を見て、先生は「違う違う、力の入れ方が違う」と言った。なぜか他の男子はうまくできている。おい、なんでだよ。
というか力の入れ方が違うってなんだ。力なんてこめるか、こめないかのどっちかしかないだろ。
そう愚痴を言ったときのことだった。
「うーん、相変わらず家庭的男子くんは変に人を信じていないというか、ひねくれているよねぇ。そんな君を作った周りも周りなんだけどさ。あ、無理に変えなくていいよ。あはは、そんな君も好きだから」
第一、初対面の男子に好きとかいうな。お前男子のチョロさなめすぎ。初対面だろうが好きって言われたらすぐ好きになるんだぞ。
「ごめんごめん、勘違いしないで」
いや、それはそれで傷つくんだが。当時の俺、よく我慢したな。
「君のことが好きなのは本当だけれどね。で、力のこめかたの話なんだけどさ。ノコギリってのは引くときに切るんだ。だから入れるときより引くときに力をこめないと。でもあんまり力をこめすぎるのもよくないんだよ、覚えておいて」
へー・・・ノコギリってそういう仕組みなのか。
「え?違うっけ?」
しらねぇよ・・・。なんで俺に聞くんだ。そういうの苦手だっていっただろ。俺はそう答えた。
「ごめんごめん。私はさ、道具も大事にしているけれど、好きなのは工作自信だから」
そう言う彼女の顔はとても輝いて見えたものだ。自分の好きなものを好きだと言える。その素晴らしさを俺はこの人から教わった。
そして現在、俺は高校3年生となっており、彼女も高校3年生になっていた。そんな夏のある日。受験勉強で忙しくなってきたときあたりであった。気分転換に週1で俺は技術室へと訪れていたのだ。
技術室とはその名の通り、普通に技術の授業を受ける場所である。ノコギリ、イトノコ、ドライバー、釘などなどが揃っていて、家庭科室と対をなすと俺は思っている。
ではなぜ、俺がここにいるのか。それは彼女に会うためだ。彼女と言っても恋愛仲なわけではない。そのまんまSheという意味である。彼女も週1で技術室へ行き、工作しているのだ。女子なのに、工作している。当時の俺はそこに自分と似た何かを感じ取って、彼女に話しかけた。
技術同好会という工作をするための同好会に入っている彼女は毎日物を作っていた。3年生になってからはその頻度も減ったが、今でも何か作っている。というか俺も技術同好会の一員なのだが、基本的には彼女の話を聞いているだけである。
ドアをあけ、中を見ると彼女は目にゴミが入らないように工作用メガネをしていて、服装はつなぎ、そして手には木の板があった。相変わらず色気もなにもない女である。胸を除いては。マジ、何食ったらそんなに育つのやら。ボブのような髪型は元気さを印象付け、可愛らしい顔は子供のそれと近い。
「よ。工作系女子」
「ん、こんにちは、家庭的男子」
お互い俺らはそう呼び合っている。もちろん名前はあるのだが、俺らはそう呼び合っていた。ちなみにお互いに本名を知らないところが面白いところな。
「んでまた今日も木の板持って、相変わらず男らしいな。日曜大工とか休日に奥さんに言われていやいややるお父さんかよ」
「家庭的男子くん、いくつか間違っている点があるなぁ、にはは」
快活に笑う顔は太陽のよう。なぜこいつがモテないかは明らかに工作が原因だよな。
「私は工作を嫌々やらない。それともう1つ、男らしいという点だよ」
「意外だな。お前もそういうの気にするのか?」
「その言葉が女子に対して失礼にあたると思わないのかな。ほんと、私でよかったね」
で、私が言いたいのはそこじゃない、と訂正した。
「男らしいってさ、漠然としすぎじゃない。その型にハマった考え方、君も嫌いでしょ?」
その通り。女らしいと言われ続けた俺には1つのトラウマである。それをあえてこいつに言うあたり俺の性格も底辺まできていたらしい。
「私はいつも私らしく。これなら漠然としていない。分かりやすくて生きやすい」
「・・・・・・ほんと、すげーよ、お前」
俺はこういうところにこいつの何かを見出した。俺が悩んでいる時にもこうして励まし的な何かを言ってくれる。こいつもこうして自分らしく頑張っているんだ、俺も自分を貫こう。そう思えるような何かを彼女から得ているのである。
「でも実際俺は惜しいと思ってるぜ。お前が工作にうつつぬかすんじゃなくて自分を磨くことだけをしていたら男がわらわら群がってくんのにな」
「私はノコギリに囲まれていた方が幸せだな」
このセリフだけ聞くとすごい猟奇的だな。でも、そういう意味じゃないってことを俺は知っている。
「それに男なら君がいるじゃないか」
「そのセリフだけとると男女の甘酸っぱい会話に聞こえる」
しかし実際は違う。俺が入らなかったら技術同好会は解散だったのだ。俺を導いてくれたお礼といってはなんだが、この同好会に入った。それでなぜか工作系女子から俺は救世主扱いを受けているのだ。いや、それにしては雑な扱いだが。
「大体、その~らしいって考え方がいけないんだよな。俺も苦しんだ。マジで」
「ははは、君らしいね。その型にハマった考え方は確かによくないかもしれない。人が人をらしさで語ることなんてできないのにさ。そういうのなんて言うんだっけ。えーとラジカセタイプ?」
「お前はその考え方でどうやって音楽をきくんだ・・・。ステレオタイプな」
型にハマった考え方で人にらしさを押し付ける考え方。例えば、女は家事、男は力仕事とか、A型は几帳面でB型はマイペースとか。これは俺的に全面的に反対である。
「まぁ、全部その考え方が悪いとは言わないけれど、私もあまり好きな考え方ではないね」
「俺も」
「そこだけトーン低くしないでよ怖いなぁ」
いや、マジでこれだけは許せん。小学生とか中学生の頃の俺をもっと守ってくれよ。小学生の頃なんかオカマ呼ばわりだからな。あんときの三浦君を俺は絶対に許さない。
「君の私怨には興味ないけれど、君は君らしくでいいんじゃないかな」
「おかげさんでそう思えるよ」
そこで会話にひと段落つくと、工作系女子は木の板をノコギリで切り始めた。がりがりがりという音とともに木の板が切れていく。とてもこいつの白くて細い腕からは考えられないぐらい。俺はそのままそう伝えた。
「その褒め言葉は素直に受け取るよ、ありがとう。でも家庭的男子くん、ノコギリは力技じゃないんだよ。確かに0ではないけれど、それでも少しだけ。だから私のようなか弱い女の子でも扱えるんだ」
「か弱い・・・?」
お前俺より強そうだけど。
「そんなことはないよ。握力も女子平均以下だし」
「俺も俺も。男子平均にとどかないんだよなぁ」
あの平均つくったやつって絶対旧人類時代の人間に測らせただろ。おかしい。そしてそれをクリアできるうちのクラスの男子どもはバカ猿軍団というわけだ。
「ほんと、ひねくれてるなぁ」
感心されてしまった。
「君は今日も何も作らないのかい?」
「えー、あうん。まぁ、俺はいつもお前と話するためだけにここにきているわけだし。工作したらお前とお話できなくなるだろ、それは嫌だ」
「君は恥ずかしげもなくよくそんなこと言えるね・・・さすがに面食らった」
顔を赤らめて下をむく、工作系女子。可愛いな、おい。俺がこいつのこと普通の女子だと思っていたら惚れてたぜ。いやー焦った。
でもしかし事実である。俺はこいつのことが好きだ。もちろん恋愛的な意味でなく。そういうふうに考えたことなどないし、むこうもないだろう。でも好きだ、友人として。だからこいつと話せなくなるのはさびしいのである。
「確かにそれが一番の理由だが、俺はノコギリとか使うのほんと壊滅的にへたくそだしなぁ」
「確かに、君はへたくそだ」
けらけら笑うな。
「でもこういうのだけが工作なわけじゃない。ちょっと待ってて」
そう言うと技術室の奥から魚の入っていたであろうスチロールのトレイが登場。
「こういう小さなものでも工作の1つなんだ」
工作系女子はトレイをある形にハサミで切っていく。なんの形だこれ。丸とか三角とか四角とかいう単純な形ではない。わからん。
すると次に牛乳パック登場。しかしまわりは茶色に塗られて、一部が切り取られていた。その形はまるで舟。カリブの海賊みたいな舟である。そこには割り箸がたっており、その間は糸がはられている。
「これは・・・」
最後に工作系女子が切ったトレイをその割り箸に貼り付けていく。それで俺はようやく、そのトレイの形の意味を知ったのだ。
「舟の帆・・・か・・・」
トレイが帆になっていた。すごい。こういうのは一種のマジック、手品と同じだと思う。何がなんだかわからないものがあるものにくっついたおかげでそれが何かに変化する。小説の伏線回収に似た気持ちのよい何かを感じていた。
「これも工作の1つだよ。何もでかいものが立派というわけではないさ」
にかっと笑う。
「なるほどね・・・」
もう高校3年生なわけだし、俺もそろそろ作品をこの同好会に残さないとな。1年生、今年は入らなかったが、来年こそは。というか俺らが卒業するので来年入らなければ廃部だ。
「作ってみるかな」
「お、本当かい?君の毛嫌いしていた工作だよ?」
「いや、まぁ確かにそうだけど。でもお前が好きなわけだろ、なら俺が嫌いでいるわけにはいかない」
「自分で言うのもなんだけど、君、私のこと好きすぎないかな?」
若干引きながらも、照れている工作系女子。だが、お前が好きなものが好きになれないのは何か悔しいものがある。
「お前は今何作ってるんだ?」
「棚だよ」
「棚?んなもん中学のときに課題やらでやらなかったか?」
「本棚だよ。カラーボックスとか買うより安上がりだろう?」
「いや、おかしいから」
本棚て。マジでお父さんじゃんお前。
「いい父親になるよ、お前は」
「君こそ、いい母親になると思うな」
お互い嫌味を言いあう。しかしどこか心地いい。別にマゾというわけではない。こいつには何を言われても平気なのだった。やっぱこれマゾだろ、おい。
「つか、んなでかいもん作ってどうやって持ち帰るんだよ」
「え、君は手伝ってくれないのかい?」
「俺かよ・・・」
俺、こいつんち知らないんだけど。苗字も知らんし。名前も知らん。グーグルマップで見つかるかな。
ちなみに俺も話しながら木片を探している。作るものが決まったのだ。
「ていうかほんと工作好きだよな、お前。俺の家庭科好きも人のこと言えないものがあるけれど、それでも驚くぜ、マジに」
「私も君には驚いているよ。私は料理からっきしダメだからね」
「へー、確かにお前が料理しているとこ、見たことないからなぁ」
「できないからね」
こいつとは高校1年生からの付き合いなのだが、そんな姿見たことない。つーか、2年経ってんのにお互いの名前知らないとか驚きだな。聞く気もないが。
「そういや、バレンタインのときもお前俺にくれたの義理チョコとかじゃなくて義理棚とか義理椅子とかだったもんな」
「う・・・な、何か文句でもあるのかな」
「いや、普通に使わせてもらってるから何もないぞ」
好きこそものの上手になれ。その言葉通り、こいつは工作が好きなだけじゃなく、うまい。義理椅子も義理棚も家具屋に売ってあるものと変わらない出来であった。いや、だって義理椅子とか回転するんだぜ。そりゃテンション上がるわ。持って帰るの大変だったし、家族に説明するのも大変だったけど。
「ホワイトデーのお礼のクッキーもおいしかった。申し訳ないが、料理が苦手なのでチョコが作れないのだよ。買うのも気がひけたし、だったら私が一番気持ちを込められるものを、と・・・」
「だから文句なんかないって。そういうところも含めて好きだし」
「好き好き言いすぎだ・・・」
完全に引いていた。うん、確かに。彼氏彼女の関係でもないのに気持ち悪かっただろうか。
俺は木片に釘を打っていた。その様子をはらはらしながら工作系女子は見守る。俺の母ちゃんかお前。
「できた・・・」
その四角いキューブ状のものを俺は高く掲げた。
「それは・・・なに?ルービックできないルービックキューブかい?」
「それはただのキューブだ。あとルービックするって言わないだろ普通」
「じゃあそれはなんなのかな」
「ティッシュ入れ」
「ティッシュ・・・?」
すごい怪訝な顔をされた。
「それに箱ティッシュが入るとは思えないが・・・」
「入れるのはポケットティッシュだ」
「・・・・・・・は?」
「いや、これポケットティッシュ入れ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
しばらく沈黙が続く。
「それかさばるだけじゃないのかい?」
「うん・・・」
ド直球だった。俺が作っている最中から気付いていた不安をそんな簡単に言わないでくれ。気付かないふりをしていたのだから。
「でも、初めてにしては筋がいいよ」
「初めてじゃねぇから・・・」
一応授業でやっているから・・・。そんなにひどいのか、これ。
「で、でもこれは困ったぞ・・・」
「・・・・・」
工作系女子が急に芝居を始めた。お前棒読みすぎるだろ。へたくそか。
「き、君が。家庭的男子である君が工作をやったら、わ、私も料理を作らねばならないではないかー・・・」
「え、別にそういうわけじゃなくね?」
「作らねばならないではないかー!」
「は、はい・・・」
あまりの剣幕に負けてしまう。やっぱお前俺より強いよ。
「だ、だから教えてもらえると・・・助かる・・・けど・・・・・」
「え、別にいいけど」
幸い俺んち学校から近いし、家庭科室使わせてもらえなかったら俺んちがある。というかなんでそんな遠慮気味なのか分からない。俺とお前の仲だろう。名前も知らないけれど。
「なんか軽いな・・・で、ではチョコレートの作り方を教えてくれ」
「おう、なんだ、次のバレンタインではチョコを誰かにあげんのか?本命?」
だとしたら少しさびしいな。この会話の時間が減るのは寂しい。彼氏ができたりしたらこの同好会にも出れなくなる可能性があるし。ちなみに工作系女子はフラれない。だって可愛いし。
俺は結構、この時間を楽しみにしている。受験ということで今では週1でこの同好会に出ているが、実は1、2年生とこいつに出会ってからは毎日のように出ていた。ほんとどんだけ好きなんだ、俺。
ちなみにクラスに友達はいない。
「君にあげようと思ってね」
「俺?」
しかし
「まぁ、ほら、あれだ。椅子とかじゃさすがにな」
「いや、気にしてないし・・・」
どんだけその会話ひっぱるんだ。
「・・・・・・・・君はあれだな。やはりはっきりと言わないと分からないようだから言わせてもらう」
なにこの男らしい雰囲気。てかなんで顔赤いの?俺まで照れるんですが。
俺に料理を習うのは屈辱とかそんな罵倒がくるのでは?と覚悟していると・・・
「私は君のことが好きだ。恋愛感情として、君が好きだ。もしよければ付き合ってもらいたい」
「へ・・・」
あまりのことになんのことか分からなくなる。俺は一度頭を働かせるも何も思いつかない。今、俺は何を言われたのだろう。こいつのことが好きすぎて幻聴まで聞こえてきたのか?
しかしそうではなく、続けて工作系女子がまくしたててくる。
「だ、大体、何が義理椅子だ!私がそんな義理のために椅子を作ると思ったのか!」
「い、いや、知らないですけど・・・」
なんだその言いがかり。分かるわけねぇだろ、俺はお前の名前すら知らないんだぞ。
工作系女子はカバンをまとめ始めた。え・・・なに、なんでそんな焦ってんの?
「か、帰る」
「えぇ!?」
ちょ、工作系女子さん!?
早足にカバンを持ち、去る、工作系女子。俺はティッシュ入れを持ち、カバンを持ってその後ろ姿をおいかけるも、見失ってしまった。
工作系女子、意外と体育会系だった。足はやすぎ。確かに俺は運動できないが、それにしても速すぎるだろ。お前、一言ぐらい俺に言わせろや。
「・・・・・・・」
心臓が痛いくらい動いている。
「・・・・・・・・・マジ?」
真実は次の週の時だろう。そもそもあいつの家もメアドも知らないからなぁ。もうこれ他人だろ。
しかし俺は次、またあいつに会えるのが楽しみでしかたなかった。ということは俺もあいつのことが好きだというのだろうか。いや、きっとそうなのだろうな。俺はひねくれているから常に否定していたが、心のどこかではきっと・・・。
好き好き言ってはいたが、こういう意味ではなかった。それだけは断言できる。でも、どこかそういう意味でもあいつのことが好きだったのだろう。いや、まだ自分の気持ちはよくわからない。だからこそ考えよう。考えて考えていっぱい悩もう。
お互いの名前を知ると言うこともそう遠くない話であった。
短編でアイデアを吐き出してみました。一度こうやってまとめると長編にしようかどうかが分かりやすくなります。
この設定も好きな設定で、つい長くなりました。
名前がでないという設定も初めてで心配ですが、いかがでしょうか。
もしよろしければ感想、駄目なところなどなんでもいいので書いていただければ幸いです。
では、また別の短編か連載小説で。
〇最初にあげたものを加筆しました(6/13)