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モンスター モンスター2

よろしくお願いします。

力強くスカートを掴むと、ウメカを見上げる。

大きな瞳を潤ませながら懇願するその様に、多くの人間は卒倒しても可笑しく無いほどの美貌と愛らしさがあった。しかし、ウメカに通用する事は無くにっこりと微笑むとクラリオンに諭すように話しかけ始めた。

「勉強は終わりましたか?

その格好では、逃げ出しましたね。同じことを言わないと分かりませんか?」

実はクラリオンは秀才であった。そのため、本人は自分より劣るものを軽く観て、自分の関心事を優先させる為ならその能力を存分に発揮させるのであった。

静に唸るクラリオン。

「つまんないもんっ。」

「勉強がつまらないのですか?

他に理由がありますか?」

愛情に恵まれ無い子供・・・。ただそれだけの事で、環境が特殊だということ。それでも、人に愛されないと言う事は哀しい事で根本は変わらない。クラリオンの瞳を見つめてため息を吐くとクラリオンは、泣き出してしまい「ごめんなさい」と謝った。

「勉強したら、遊んでいいんだよね。でも、ダメだって、言うの、だから、逃げてきた。どうしてって聞くと、王族だからって、」

クラリオンの不満が溢れ出す。

ボタボタと大粒の涙を流して。

その姿が痛々しく、ギュッと抱きしめる。すると、更に声を上げて泣き出してしまう。

子供の探究心は時に恐ろしい事に発展するものの、クラリオンの場合は常にそうなのだ。

「何がしたかったの?クー。」

「怒ってない?

ウメ、起こるとクラリオンっていうんだもん。」

「怒ってないよ。」




どうやら、ウメカと一緒に居ることを咎めた侍女がいたため、暴れてしまったクラリオンはそのままウメカの所に来たと、言うことだった。

クラリオンがウメカの所に居ることは国王が許可して要るのだが、良く思わない人間がいるのはあたりまえの事で、身分の低いということや、異国人だということだけで差別されるのは解りきっていた。


嬉しそうに獣の世話を手伝うクラリオン。

こうして、側使えが来るまで好きにさせる事に成ったのだった。

子供の教育には丁度良い。

こうして、ウメカの仕事が始まる。




ウメカを非難した侍女が王宮から消えた・・・、それが生きているのか死んでしまったのか不明である。忽然と消えた、何も無かったの様に。

彼がその侍女に「去れ」と言ったので有る。


ウメカの知らない所で密かに・・・・・。


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