ウメカの事情
よろしくお願いします。
取り敢えず?載せます!
間違いは脳内変換をお願い致しますd(^_^o)
昨今、ウメカはこう思うのであった。
わたしにして見れば、どこに住もうと生きると云う事は苦しいだけで希望も夢も無かった。ただ、どんなに生きたいと望んでも叶わない人や理解出来ないほどの苦難の中でも生きる人も居る中で、自分の命が存在する事は贅沢だと思う。一生懸命に生きる人に対して自分の考えはごう慢だと思う、死んで仕舞いたいとか生きる理由なんてないとか考えることは愚かな事だと言ってもいい。生きて居るだけで丸儲けとすら云う言葉が在る位だ、だから、どんなに辛い時で遭っても死んで仕舞いたい時でも生きて生きて、行こうと想う。そして、人生を全うしたその時に自分の人生を振り返ったら答えが出ると思う。
だけと、本当は生きたいとは思わないし、むしろ、死ぬ事が許され無いというなら何も知ら無い振りをしてひっそりと暮らして生きたい。誰かに受け入れられてくれないならそれで良いとすら思う。世捨て人の様に自分の命が尽きるのを待って・・・。
そうしたら、どうだろう。訳の分からない世界で生きて生活までして居る。すると思った、生きて生きて、その先に何が在ると云うのだ、と。どれだけ悩んで涙を流した事か・・・。それでも、幸せそうに獣たちとお昼寝をするクラリオンの存在にいつも側に居て、心配してくれるネネが居る。今は仕事中だけど。そして、ストーカーと成りつつ在るピアニッシモ。実に賑やかだ。だけと、やっぱり思う、人生なんてやってヤレるか!!と。
そう、何しろ目の前に国家最高の権力者が居るのだから。
「恐れながら申し上げます。陛下、この様な所にお出でになるのはっ。」
「良い、これも懐いておるしのう。」
「しかし、同じように地べたにお座りに成るのは、どうかと?」
何を隠そうクラリオンのお祖父様は国王様だ。
「良いと言って居ろう。構うな、それよりも私の影との結婚の話しはどうなっている?」
いっその事引き篭もって遣ろうか。
「公爵様にはきちんと誤解であると文をしたためました。ですので問題御座いません。」
「うむ、そうで有ろう。私からも言って置いたぞ。」
と、いいつつも敷布の上に在る菓子に目が行っている。
「宜しければどうぞ?」
「良いのか?いや、なに。そちの作る菓子は美味いとクラリオンが言っておったのでな、一度は馳走に成りたいと思っておってのう。ほお、これがクッテーか!」
爺さんは菓子が目当てで来たのか、しかもクッテーとは。
「カステラです。」
クッテーで無くてクッキー、というかカステラだし!!
「なに!カスッテ?」
そう云うと口に放り込む。
「美味いのう。しかし、クラリオンには参ったぞ、いっその事そちを母親にしてくれと言ってくれれば良いものの、まさか契約したいと言い出すとは思わなかったぞ。」
それはそれで、色々な問題が在るのでは無いのか。
「その事は成人なされてからもう一度お考え直す様にと申し上げて下ります。」
「そうか、それも良いだろう。成人すれば見方も変わろう、特に側に居て欲しいと望むのならのう。」
ひょいひょいと口に放り込みウメカの作ったカステラは無くなっていった。
「左様で御座います。きっと麗しき姫君を望まれましょう。私など不要に成りましょう。」
爺さん、全部食うなよ。
「そう云う事ではないが・・・。」
どちらかの嫁になるならのう。とほくそ笑むのだった。
国王はジャズの父親に、この様にしたため文を出した。
“かのものは王家所有の者に付き、嫁す事は無い”と。
「それよりも、私の影の行方をしらぬか?」
恐らくジャズの事だろう。
「存じ上げて下りません。何しろ今後はお会いし無いと約束しましたので、陛下に置かれましては良くご存知かと。」
全ての面倒ごとはこの国王陛下のせいなのだ。そして、ジャズの給金の半分を報酬として頂き、その上に今後、諜報部との接触を断つ事をジャズを通して国王陛下に承諾させたのだった。
「そうだが、忽然と姿を消したらしい。」
「左様ですか、調べて置きましょうか。」
「 そうしてくれ。それとあれはそちの者か?」
スッと、木々の影に視線を送る。そこにはピアニッシモが隠れていた。
「近くにご報告致します。どうやら、父の者では無い様なので。」
「煩いのう。幼い子の眠りの妨げに成るのは認めぬ。早く居たせ。」
そう釘をさすとクラリオンの様子を伺い、幸せそうに眠る孫の姿に微笑む。
「畏まりました。」
と、晩秋の昼間に王宮の片隅で呑気な風景な中で密会が繰り広げているので在る。
一方でジャズは突然の消息不明に周囲は驚居ていた。何しろ、執務室から忽然と姿が無くなっていった、脱いだ上着もそのままでテーブルの上に在るカップからは湯気が登っていた。どこにも居ないというのだ。
それをは丁度、ジャズの父親から結婚の承諾不可の知らせを受け取った後の事で在る。
ジャズの生死が危ぶまれ、だす。
なにしろ、あれから五日が過ぎていた。何処ぞの間者に暗殺でもされたのかと考えて仕舞う、故に国王が不信に思いウメカに消息の依頼する事に成った訳だ。
さて、ウメカの正体は何だというかのだろうか。そして、王宮での仕事は獣の世話ではないというのだろうか。
「あれ?私のカステラがない!
ウメは、全部食べてしまったの?」
うりゅうりゅとクラリオンが見つめる。
「うっ。とっ、違うんだけど。
ごめんね、無くなっちゃって。また、作るね。」
ー爺さん、孫のおやつを全部食うなよ。ー
「うん、なんで寝ちゃったんだろう?
ゔううう、もう寝ないもん!!」
そう云うとギュッと抱きついて来るのだった。
「お昼寝は仕様ね?」