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最強ですが、何か?【vs本家】

ひょんなことから俺は異世界に転生し、そこで神からチート能力を授かった。

 所謂テンプレ部分は省くとしよう。さて、物語は俺がその異世界に降り立った所から始まる。


【最終話 最強ですが、何か?】


 俺が異世界で初めに降り立った地。そこは、この世界を混沌に陥れている元凶の魔王が住む城の眼前であった。

この世界は魔王に支配され、人々は苦痛の日々を送っていると神から聞いた。


 しかし、まさかいきなり魔王城の前に転生させられるとは……とっととエンディングを迎えろってことか。

とにかく、俺はとっとと魔王を退治して英雄になりハーレムを作って後世を過ごすんだ。さぁ、いざ行かん!


 魔王城の中は想像していたモノとは違い、豪華で綺麗で華やかな雰囲気漂うお城となっていた。

もっと恐怖を煽るような薄暗いモノを想像していたのに、なんだこれは。本当に魔王なんているのだろうか。

だが、魔王城の前にご丁寧に【魔王城】という看板があったし……。


 俺は城の中を歩く。するとすぐに一匹のモンスターに出会う。


「……って、スライムかよっ!」


 そこにいたのは、RPGの雑魚の代名詞であるスライムであった。なぜ魔王城にこんな雑魚が配置されているんだ。

普通は終盤の凶悪なモンスターどもがうようよいる筈だろう。ま、まぁいいか。神から授かったチート能力がどんなもんか試す良い機会だ。


「悪いな、スライム。一撃でしとめさせてもらうぜ」

「ぴぃーっ!」


 スライムは愚かにも俺に襲い掛かってきた。俺は拳を握り固め、スライムの顔面目掛けて放った。


「うおっ!」


 スライムの弾力ある体が俺の拳を跳ね返す。それによって俺の体制が崩れた所に、スライムが腹目掛けて体当たりをして来た。


「ぐえぇっ!」


 蹲る。超痛い。なんだこれ。なんでスライムにこんなダメージを受けなきゃいけないんだ。

そ、そうか。まさかこいつがスライムの形をした魔王なんじゃ……。

じゃなきゃ、チート能力を持つこの俺がこれほどのダメージを受ける訳がない。


「はは……あ、あんたが魔王だったとはな……うっ!」


 汚物を吐き散らす。相当キテいる。いくら魔王が相手でも、このダメージはないんじゃないか。

チート能力って、魔王すらも楽勝に倒せるぐらいだと思ったのに、こんなもんかよ。


「ぴぃーっ!」


 魔王が叫ぶ。そして逃げていく。あれ? 俺に恐れをなした? そう思った時、背後から殺気が……。


「ぎゃーっ!」


 そこには、超巨大なモンスターがいた。10メートルはあるだろうか、ゴーレムのような奴だ。


 いや、そんな事よりも何故魔王は逃げた? この巨大なモンスターに怯えて? そんなまさか……。


「ブオォーッ!」


 巨大なモンスターが俺目掛けて突然拳を振り下ろした。 

 チート能力を得た俺なら、片手で軽く雑魚モンスターの攻撃など受け止められる筈。


 だが、もしも――。


「ひぃっ!」


 俺は逃げた。無様にも。必死に走り、物陰に隠れる。


 もしも――スライムが魔王じゃなかったら。ただの雑魚だったら?


 もしも――俺がただ弱いだけだったとしたら、俺はあの巨大モンスターに捻り潰されていた。


 やばいやばいやばい、やばいよこれマジで。神の野郎、全然チート能力なんて授かってねーじゃんか!




 俺はそっと戻るボタンをクリックした。うーん……、本家といえば転生異世界ファンタジー等々っていうのは

わかるが、この作品は俺的には低レベルで読むに耐えなかった。


 本家といえども、やはり底辺作家も沢山いるのだろう。これはマイナー作家がまさかの勝利をする日が訪れるかもしれない。そう考えていたのだが、しかし――。


 翌日、【最強ですが、何か?】の感想数、評価ポイントとも【それでもボクはキミを守る】を遥かに越えていた。

そして、その結果が波紋を呼び2chは大荒れを始めていた。


32 名前:既にその名前は使われています[] 投稿日:2011/07/30(土) 18:56:48.47 ID:FTa88TiH

なんで、最強ですが、何か? っていう本家作品がそれボクの5倍近い評価を得てんだよw

そんなに差があるようには全く見えなかったぞ。工作だろ、これ!


35 名前:既にその名前は使われています[] 投稿日:2011/07/30(土) 19:56:48.47 ID:Tanosiina

>>32

そうか? 俺は結構好きだったぜ最強何か。流行に乗っているし、差がついても全然不思議じゃないと思うが。


39 名前:既にその名前は使われています[] 投稿日:2011/07/30(土) 20:56:48.47 ID:Mottoyare

マイナー作家ども、嫉妬乙w 事実は事実として受け止めろよ。

まぁ俺から言えることは、もっと頑張ってくれないと張り合いがないぜマイナー諸君。ってことだwww


45 名前:既にその名前は使われています[] 投稿日:2011/07/30(土) 21:56:48.47 ID:FTa88TiH

俺の感性がおかしいのだろうか……。自分がわからなくなってきた……orz


46 名前:既にその名前は使われています[] 投稿日:2011/07/30(土) 22:56:48.47 ID:NARIyuki!

ID:FTa88TiHのライフは0よ! もうやめたげて!



 ……マジか。俺もID:FTa88TiHと同意見だった為、散々叩かれているID:FTa88TiHに驚いた。

作品の捉え方は人それぞれ。自分がこっちの方が上だと思っても、それが多数派になるとは限らない。

俺もいつの間にか少数派の人間になっていたようだ。


 やっぱり小説投稿するのは、恥をかくだけだから辞めておこうかな……。

そう考えが過ぎった時、3番目の作品が投稿された。それは、マイナー作家の作品であり

俺がマイナー作家代表として作品を投稿しようと本気で思うようになる作品でもあった。


つづく

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