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魔王リライト  作者: ゆずリンゴ


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18/55

幕間.ルベルドとレニオニード

 四年生大会の翌日、ルベルドは演習棟の廊下を歩いていた。


 すると正面から、三年生の特別近衛騎士―――レオニード・クレインが歩いてきた。


 二人は同時に相手に気づき、すれ違う直前でレオニードが足を止めた。


「一年生で優勝した子、君だろう」


 声は穏やかで、あの薄い笑みのままだった。


「そうだ」


「名前は?」


「ルベルドだ」


「レオニード・クレイン。一応、現役の特別近衛騎士だよ」


「知っている」


「へえ、観てたの?」


「大会を全日観た」


「感想は?」


 レオニードが興味ありそうに聞いた。


「三年の大会では、あなたが最も印象に残った」


「ありがとう。理由を聞いても?」


「読んでから動く試合運びだ。速度に頼らず、先に答えを決めてから動く―――その的確な動きに感心した」


 レオニードは少しだけ目を丸くした。


「……一年生にしては、よく見えたね」


「観察は得意だ」


「君は闇属性だろ。大会で見たよ。精度も高くて素直に良かった―――だけど」


 レオニードの目が、わずかに細くなった。


「力を抑えてたね。全力じゃなかった」


 ルベルドは答えなかった。


「否定しないんだ」


「……否定した所で信用しないだろう」


 レオニードは少し笑った。


「面白いな、君。なんで力を抑えるの? 目立ちたくない理由でもある?」


「個人的な理由だ」


「そっか。まあ、人それぞれだね」


 レオニードはさらりとそう言って、歩き出した。しかし二歩進んで、振り返った。


「特別近衛騎士を目指してるんでしょ。大会の宣言、聞こえてたよ」


「ああ」


「じゃあ一つだけ言っとく。近衛騎士になるための選抜試験は、魔法だけじゃない。学業、人物評価、面接―――総合評価だ。『強さ』だけじゃないから、コゴメちゃんの近衛騎士になりたいなら気をつけて」


「……忠告か?」


「アドバイス、かな。力がある子が好きだから、頑張ってほしいと思って」


 レオニードはそう言い残して、今度は本当に歩いていった。


 ルベルドはその背中を見送った。


(……人物評価。面接)


 魔界にはない概念だ。力だけが基準でないとすれば、「旅人が王女にあって直ぐに学園に入ったと思えば陳腐な目的で近衛騎士を目指している」という状況の奇妙さ、面接で詳しく問われる可能性もある。


(素性は隠し通せるか……それも、考えておかなければならない課題だな)


 ルベルドは歩きながら、頭の中の課題リストに新しい項目を追加した。


「……そういえば、コゴメの名を出されたが」


 記憶を辿るとレオニードはコゴメの近くにいた現近衛騎士だったことに気づいた。

 その事を思い出すと先程までの「アドバイス」というのが宣戦布告のように感じた。


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