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幕間.特別近衛騎士という存在
王立ハートヴェル学園において、「特別近衛騎士」とは、単なる優等生の称号ではない。
これは学園の歴史の中で生まれた、極めて特殊な制度だ。
情熱の大陸を統べるハートヴェルでは特定の王家の中から代々「愛の女神ヴィーデロッテの祝福を受けた者」が現れる。その祝福は強大な守護の力を持つが、反面、守護を受けた者の肉体は脆くなりやすい。コゴメがそうであるように、祝福の担い手は往々にして体が弱い。
だからこそ、学園の優秀な生徒が直接その傍に立ち、守護する役割を担う制度が生まれた。それが特別近衛騎士だ。
現在学園に在学中の王女は4人。それに伴い特別近衛騎士として選ばれる人数も4人になっている。
四年生に三人、三年生に一人。
いずれも、学園の歴史の中でも指折りの実力者として記録されている。彼らは生徒でありながら、その戦闘力は正規の騎士団に匹敵するとも、場合によってはそれを凌駕するとも言われていた。
各学年の大会は、その特別近衛騎士たちが年に一度「現役の強さ」を示す場でもある。
そして一年生の大会から一週間後——上位学年の大会が、順番に始まった。




