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気分と機嫌と私と  作者: るり


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第4話 一人焼肉も悪くない

第4話一人焼肉も悪くない!

一人焼肉って行ってみたいけど中々行けないんだよね〜

 金曜の夜、仕事を終えた私は、なぜか家に帰る気になれなかった。

 特に予定があるわけじゃない。友達に誘われているわけでもない。三十代前半のOLは、時々、自分の意志だけで夜を決めたくなる。

 駅前の焼肉屋の前で立ち止まる。

 カウンター席なら一人でも入りやすい。値段は少し高めだけど、今の私には気にならない。今日は頑張ったから。いや、頑張ったかどうかは置いといて、とにかく帰る前に自分を甘やかしたい。

 メニューを開くと、いつもは躊躇するカルビやホルモンの文字が輝いて見える。

 「今日は一人で全部食べていい日」と自分に言い聞かせ、タン塩とカルビを注文。もちろんビールもつける。明日のことは明日考えればいい。

 席につくと、焼き網の上で肉がジュウジュウ音を立てる。

 香りが鼻をくすぐり、視覚と嗅覚が先に満たされる。

 小さな至福の時間。

 肉をひと口食べると、疲れが少しだけ溶けていく気がした。

 頑張ったとか、えらかったとか、そんな言葉はいらない。ただ、目の前の焼肉が、私を「私として生きている」気分にしてくれる。

 ビールで流し込みながら、次の一口を考える。

 誰にも邪魔されない、誰にも説明する必要のない、完全に自分だけの時間。

 食べ終わったころには、もう明日を憂う余裕すらなくなる。

 胃袋だけでなく、気持ちも満たされている。

 外食って、これほどまでに効くんだ、と少し感動する。

 勘定を済ませて店を出ると、夜風が気持ちいい。

 帰り道、少し歩いてカロリーを消費した気分になるけど、もちろん気休め。

 それでも、この「自分だけのご褒美」は、明日への活力になる。

 推しは自分。

 自分の機嫌は、自分で取らなくちゃね。

今日も主人公ちゃんはご機嫌のようです!

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