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気分と機嫌と私と  作者: るり


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第2話 背徳感!夜の濃厚アイス

どもどもー第2話です!

見ていってください!

 夜にアイスを食べるとき、人はだいたいわかっている。

 今じゃなくてもいいし、明日でもいいし、なんなら買わなくてもいいってことを。

 それでも冷凍庫を開けてしまうのは、空腹じゃなくて気持ちの問題だ。

 今日は帰りが遅くなった。

 仕事が終わらなかったわけじゃない。ただ、帰るタイミングを逃しただけだ。上司の雑談に捕まり、どうでもいい愚痴を聞き、相槌を打っているうちに電車を一本逃した。三十代前半のOLは、こうして少しずつ夜を削られていく。

 夕飯はもう食べている。

 コンビニのおにぎり二つと、サラダ。栄養的には多分正解。でも正解って、いつもお腹の話しかしない。

 家に帰って、シャワーを浴びて、部屋着に着替えたところで、今日が終わった感じがしなかった。やるべきことは全部やったのに、気持ちだけが取り残されている。こういう日は、だいたい甘いものが足りていない。

 冷凍庫を開ける。

 そこにあるのは、少し前に買って忘れていたアイス。濃厚、期間限定、ちょっと高いやつ。

 夜に食べるには重い。

 だからこそ、背徳感がある。

 スプーンを持つ前に、一瞬だけ迷う。

 もう二十二時を過ぎている。

 明日の朝、少し後悔するかもしれない。

 でも、その「かもしれない」は、今の私を助けてはくれない。

 フタを開けた瞬間、甘い匂いがする。

 一口目は、思ったよりも濃い。

 舌にまとわりつく感じがして、ちょっとだけ笑ってしまう。ああ、これは完全に夜用じゃない。

 二口、三口。

 背徳感は、なぜか安心感に変わっていく。

 今日一日、誰にも強く必要とされなかったこと。

 誰にも頼られなかったこと。

 誰にも甘えなかったこと。

 その全部を、このアイスが引き受けてくれている気がした。

 仕事で褒められたわけでもないし、成果を出したわけでもない。

 でも私は今日、ちゃんと働いて、ちゃんと帰ってきて、ちゃんとシャワーを浴びた。

 それって、意外とすごいことだと思う。

 カロリーのことを考えないわけじゃない。

 でも今は、数字よりも気持ちを優先したい夜だった。

 三十代前半のOLには、そういう日が定期的に必要だ。

 食べ終わって、スプーンを洗って、冷凍庫を閉める。

 胃より先に、気持ちが落ち着いたのがわかる。

 今日という日が、ようやく私の中に収まった。

 夜アイスは、たぶん癖になる。

 でもそれは、自分を甘やかす癖だ。

 だがしかしそれもまた悪くない。

 推しは自分。

 自分の機嫌は、自分で取らなくちゃね。

今日の主人公ちゃんもご機嫌のようです!

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