ひまわり
夏の代表花は、『ひまわり』かな。
「マチ子さん」
帰り道、私は達也に呼び止められた。
「ん、達也か。何か用か」
「・・・・」
達也はもじもじしていたが、意を決したように“バッ!”と黄色い物を差し出した。
「あげる」
「・・・・・」
見ると、黄色い大きなひまわりの花。軸の部分にビニールのヒモが通してある。
「何だ、これ」
「ブローチ。マチ子さん、ひまわり好きだと言ってたから」
「・・・・・」
「あのな~、ブローチは小さくてキレイな色してるから、可愛いんだ。こんな物、頭の上に乗せて歩いたら、バカだと思われる。それに、これ生花じゃないか。こんな物、胸にも頭にも飾るもんじゃねえ」
「・・・・・」
達也は泣きそうな顔をしていた。
「あ~あ、わかった。ありがとうよ」
私は頭の上にひまわりを乗せ、ヒモを顎で結んだ。
好きだと言い寄る男の贈り物だ、笑われたって構わない。
他人の、奇異な視線が突き刺さる。
まったく、幼稚園児にはかなわない。
あれ、ひょっとして、私、からかわれているのかな。
あいかわらず、しょうもないもの書いてます。