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90  枢機卿の野望3



『何でこうなった』

枢機卿は、教会の大陸支部で思い悩んでいた。


せっかく、アホな勇者が居なくなり、異世界人も厄介払いしたのにうまくいかない。

と、椅子に座り思いにふける。


すると、ドアをノックする音がして、

枢機卿は「入れ」と許可を出す。


「失礼します」と入ってくるのは、若い白装束の男性。

肩から掛けられる袈裟が、その男の身分を表している。


司祭クラスがつけることが許されている袈裟である。

枢機卿の副官でもある。


「ヘイト枢機卿、ミゾレ街に向かう魔物の一団が討伐されました」

副官の報告を聞いて


「そうか、青の勇者と神殿騎士団の面目躍如といったところか…」


「それがですね、魔物の一団を率いていたのは、魔族だったようで青の勇者と神殿騎士団も全滅したとの報告が来ております」

その内容に慌てる枢機卿。


でも、しばらくして落ち着いたのか

「そうか、魔族が相手ならば仕方ないだろう。

むしろ相打ちで事を納めたのがよかったと思う方がよいか」

その言葉に


「いえ、逃げ延びた騎士からの報告では、青の勇者と神殿騎士団と魔族と魔物の一団を一人の戦士が葬ったとのことです」

その報告に思わず立ち上がる枢機卿。


予想外の内容に驚きを隠せない。

「何だ!その化け物は!」


「わかりませんが、異常なまでの強者であるとしか…」


「一人で相手できるものではないぞ」

極悪顔の枢機卿は、驚きを隠せない。


「ですが、事実です」

その言葉に椅子に座り直す枢機卿。


「お前は、どう思う。対魔王兵器と魔族、それに大群を相手に一人で殲滅できるのか」


その言葉に顎に手を置き、思案する副官は、

「できませんね、そんな無謀な事。因みに対魔王兵器とは何ですか?」


「ああ、お前は知らなかったか。それは異世界人の勇者の事だ。

本部ではそういわれている」


「そのような言い方ひどすぎます。こちらが勝手に招き入れておいて」


「わしもそう思うが、これが現実だ。

神の名の元に正義の為と言っているが、異世界人召喚術はただの誘拐でしかない」

枢機卿は、椅子に座り直し、空を仰ぐ。

恐ろしい顔なのだが、その表情には呆れが見れる。


「そのような言い方はおかしいです。彼らは神に選ばれし者たちです。

栄誉ある戦いに身をささげる為にいる者たちです。それを誘拐などと不謹慎です」


「そうか、お前は敬虔な信者だったな。だが、事実だ。

何も知らない若者を異世界から本人の許可なく連れてくる。

誘拐そのものだ、それにどこかもわからない異国の地で

自由を奪い戦うことを提示されされる。頼るべきもの者いない土地でだ。

呼び出され、いや誘拐された異世界で迷子となった者に選択肢があると思うか?

無いだろう。これは誘拐と言う犯罪で誘導洗脳えいてだけなのだ。

これが正しいと思うか?

今回の召喚もそうだ。

度重なる異世界人召喚のせいでこの世界のひずみが大きくなりすぎて

関係ない異世界人も多数こちらに引き入れた。

これも神の意志か、ならば神はこの世界の崩壊を望んでいる事になる」


「そ、そんなことは…」


「いいか、お前も考えろ。盲目宗教の教えに従うのではなく考えろ。

教会の本部の言う通り動くか、わしにつくか」

そう言うと枢機卿は、聖職者にあるまじき邪悪な笑みを浮かべる。


「それは理解できますし、私は恩人であるヘイト様に付き従うつもりですが…。

わたしは神にお仕えするものでもあります。

教義に背く行為はできません」


「そうか、それは私が背いた場合は、敵にもなるという事か」


「ヘイト様が教義に背くのであれば、背信者として扱わせていただきます」


「そう来るか、まあその反応が当たり前か」

と言うと椅子にもたれかかる。


「何の議論なのですか?コレは」

不思議そうにしている副官に


「ただの暇つぶしだ。とにかく面倒事はもうごめんだ。

今回の異世界人召喚でこの大陸は大混乱だ。

あちこちに関係ない異世界人が迷い込んでいるからな」


「そうですね、保護するのも大変です。

信用してくれませんからね」


「まあいい、こっちもそれどころではない。

孤児院のガキどもの為にいろいろやりすぎて疲れたわい」


「まったく、いい人のくせに

もう少し、笑い方を工夫してください。

ただでさえ悪役顔何ですよ、普通に笑うと邪悪そのものです。

民から優しくもあり、面倒見もよく、人望もあるのに…。

なんで顔だけ魔王級何ですかねぇ」

と、呆れながら副官はため息交じり言うと


「知らん!これは生来の物だ。この顔は、こうなったものにしかわからん」

と、威厳たっぷりですねる枢機卿であった。



〇どこかで見たような聞いたことのあるような話になってきたが、

そんな事は気にせず読めるコメディである。



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