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76 それぞれの思惑

こちらのお話も資料が全滅したため、投稿ができていませんでした。

完全な復活ではありませんが、頑張りますのでよろしくお願いします。



死の森での課題に奮闘しているルトランを

横目にあきれているセメットと優しく見守るシンラーツ。


目標となる一日十匹倒すを絶賛実行中である。


最初の二、三匹は切り伏せるのだが、その後が続かない。

すぐに持っていた剣が、消耗してボロボロになるからだ。


ルトラン自身も理解はしていた。

それも切れなくなる理由もわかっていた。


最初のうちは集中力があるが、次にはもう切れてしまうからだ。

この課題が、ワルモーンからの集中力持続の強化訓練なのだ。


一日十匹倒すことができれば必要な集中力を養うことができる。

そのことは理解はできていたのだが、さすがに極度の緊張感の中で戦い続けることは、

思いのほか大変だった。


彼がへとへとになりながらベースキャンプに戻ると

「もういいじゃない、私も加わるからワルモーンさんからの課題を終わらせましょ」


「ダメだ、これはワルモーンさんがオレを男として見てもらう為の試練だ。セメットの力を借りて行えばすぐに済むかもしれない」


「…なら」


「それでは、ワルモーンさんの信頼を失うことになる。そうすればもう二度とあの人から教えを乞うことができなくなる」

ルトランは満身創痍の割に目がギラついていた。


彼の言い分が痛いほど理解していたのはシンラーツだ。

彼は…ワルモーンは、言葉ではなく行動を見る。


その努力が失敗しても無駄に終わっても、その真摯に向き合い努力する人間を尊ぶところがある。


精神論と言われることもあるが、その心根を見る。

だからこそのこの試練なのだろうと思う。


それを考えず、彼に文句を言いすぎたと後悔していた。

シンラーツ自身もワルモーンの幼馴染みで彼がどれほど苦労していたかを目の前で見ていた。



それを短絡的に安直にルトランの身の安全を心配しすぎて怒鳴ってしまったのだ。

彼はいつも反論はしない。


それが無茶な言い分であっても「そうか」「すまんな」と言って、

悪者になってくれる。


そんな実直な彼だから惹かれたのだ。


なのに今回も彼に甘えてしまったのだ。

情けなくなっていた。


前向き試練に立ち向かうルトランと要領よく済ませようとするセメット。


二人の言い分もよくわかる。

この試練は自分のためなので逃げ出すわけにはいかないという彼と


命の危険性があるのなら多少の逃げも必要だと言って彼の身の安全を心配する彼女。


シンラーツ自身も後者の考えだ。

それは、彼の成長のために良くないこともわかっていた。

 

 私はセメットを連れ帰るべきなのかもしれない


とも思っているくらいだ。


そのはざまで揺れ動くシンラーツ。

彼女が悩んでいると後ろに気配を感じて振り向くとそこには、


黒い鎧に身を包んだ朴念仁がいた。

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