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75 現状確認と不穏な空気


死の森での痴話げんかが行われている時、ワルモーンはミゾレ町のはずれにいた。


ワルモーンは、新地方側を高台から眺めていた。

そこに近づく人影が一つあった。

「ワルモーン様、近況の御報告に参りました」

若い男性はかしづいた。


「そうか、かしこまる必要はないぞトレイン。誰かに見られると余計な事を勘ぐられるからな」

ワルモーンは振り向くことなく話を進める。


その言葉に若い男性・・・トレインは、立ち上がり話をつづけた。

「現在ボー村、メツハ村、ツカ村は発展は順調です。

ツカ村はアーバレル様が陣頭指揮を執ることで復興が進められています」


「そうか、アイツが指揮を執るのか。

なら問題ないか、脳筋の癖にあれでくそ真面目だからな。

いい配置だと思う」


「そうですな、何故か悪の組織の割には幹部の方々は真面目な方が多いですな」


「なんだ、何か言いたげに感じたが・・・」


「いいえ、それよりも他の報告を続けます」

と言うと報告は続く。


ツカ村はアーバレルとその指揮下の部隊が担当することになる。

ボー村、メツハ村も順調に発展し始めている。

ミゾレ町での交渉はネットが担当しているそうだ。

さらに別地方からこの町に進撃している一団が二つあるとのこと。

一つは教団から騎士団が向かってきているらしい。

もう一つが所属不明の一団が迫る。この二つの一団が来るのは同じ時間らしいことだ。



つまり、面倒事がお手てつないでスキップ踏んでやってくるということである。

例えこちらが望んでいなくても、である。


その報告を聞いて

「まあ、ヒーローどもが来るのはこっちにとっては探す手間が減っていい事なんだろうが、その所属不明の団体は面倒な予感しかせんな」


「仕方ありませんよ、世の中思う通りになんてなりません。むしろ不確定要素と理不尽の権化ですから」


「そうだな、そういってしまえば身もふたもないがな。それなりの準備と予測を立てておいてくれ」


「わかりました。それからさっさとシンラーツと仲直りしてくださいね、後が面倒なので。では失礼します」

と一言多めに言ってからトレインは姿を消す。



「ぬぁっ」

とうめき声を上げてワルモーンが振り向くとそこにはもうトレインに姿はなかった。



誰もいない事を確認して反論すらできない状況にワルモーンはうなだれた。





「オレにも事情があるんだよ、察してくれ」

と力なく小さくつぶやいた。






彼の嘆きとは別に事態は動くこととなる。






彼の思惑とは別に彼の周囲は思う。

痴話げんかはとっとと終わらせろ、と。



さて、ストックもこれで最後です。

準備ができるまでしばらくお待ちいただけると幸いです。

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