70 悪者は分岐点に?立つ?
さて、貯金も少なくなってまいりました~。
私にしては、珍しく連続更新をしておりますが、もうすぐ息切れが近いです。
息が切れるまでは連続更新をしますのでよろしくお願いします。
ワルモーンとシンラーツのデートは滞りなく進む。
単なる町ブラなのだが、シンラーツは幸せそうだ。
それを陰から見守るセメットとルトラン、そして何故か空気が読める優秀なオオカミ、蒼月である。
前のめりに二人を見守る?二人?セメットと蒼月。
「もう何やってんのよ、相手は鈍感なんだからガッと行くのよガッと」
力ずよくこぶしを握り、本人に届かないアドバイスを熱く語るセメットに
「ががうっ!」
と何故かキチンと同意する蒼月。
「さすが蒼月ちゃんよくわかってるね」
「がう!」
オマエ、オオカミだよね?
何で会話が成り立ってんの?
野次馬おせっかい女子が二人?いる。
ルトランはそう思ってしまった。
その二人を後ろから俯瞰して見ているルトランという構図になる。
何だろう。この状況。と暴走状態の二人?を止める手段も浮かばないまま放置している。
なんせ、妙な迫力で見守る?二人?に気圧されているのである。
その後も二人?はそこだ、もっと強引に、何してんの?そこはガッと届かない声援を送り続ける。
流石の鈍感ワルモーンでも気づきはじめる。
なんせ周囲がざわつきだすのだから。
屋台で肉串を買えば店員がワルモーンの後ろを見て慌てる。
屋台街を歩けば通り過ぎた店から店員が絶句する。
いくら何でもオカシイと感じるワルモーン。
向けられる視線が敵意ではないし、問題にもならない事だと理解はしている。
なんせシンラーツが反応していないからだ。
普段に比べ妙にくっついてくるのだが、敵意に対して反応するので問題ないと放置しているのだが、
彼が感じるのは、敵意ではなく妙な圧力が背後から感じてはいた。
その圧力にワルモーンは、引き気味になる。
怖いや恐怖ではなく振り向くことを許さないぜ善意・・・いや、なんかねちっこい好意が変な圧力に変わっている様に感じていた。
その圧力は、まるで獲物を狙う獣のように感じていたのだ。
普段のワルモーンならそんなものに対しても冷静に対処できるのだが、背中から迫る圧力には逆らってはいけないと本能が警鐘を鳴らす。
シンラーツも気が付いているはず・・・と思いたいようなのだが、明るく楽しそうにふるまう彼女は気づいている様ではなく・・・その楽しそうな姿に水を差すわけにもいかず非常に困っていた。
楽しげな彼女と妙な圧力に挟まれ混乱状態のワルモーンである。
そんなテンプレ展開の中、一人神妙な顔つきでいる人間か一人いた。
目の前であーだこーだとがるっ、かうっで通じっている二人?を追い抜き、
ラブコメ展開真っ盛りの二人の前に立ち真剣な目でワルモーンを見るルトランがいる。
その状況にえっえっと慌てるセメットを前足を彼女の足に置いて
がううって言い?ながら落ち着かせようとする蒼月。
キミはホントにオオカミなのかな?
そんな二人とは別に真剣な目のルトランは、
「ワルモーンさん、オレに剣を教えてください」
と言った。
さっきまでおのろけムードのシンラーツもその言葉に驚きもしたがそれ以上に腹立たしくもあった。
いい雰囲気の所を邪魔されたのもあるが彼の教育係である彼女を差し置いてワルモーンにお願いしたのが気に入らない。
「それは私の教え方に不満があるのかな」
声に怒りが乗る。
「いえ、そうではないです。ただ単純に今のままでもオレは強くなっていることがわかります。
でも、それだけじゃ足りない気がしてきたんです」
シンラーツの向ける迫力にひるむことなくルトランは真剣な視線をワルモーンに向ける。
「なるほど、ならば一度宿屋に戻ろうか。お前さんの覚悟は理解できた。後はその覚悟がどれほどのものかを確認しないといけない。シンラーツ、オレはルトランと戻る。後は後ろでデバガメを楽しんでる連中と町の視察をしてくれ」
と言うとワルモーンはルトランを促しその場を後にする。
残されたシンラーツはあからさまに残念そうにして建物の陰にいる二人?の元に行き、座り込む。
座り込んだシンラーツの肩にセメットが手を置き、蒼月が膝に前足を置く。
ホントにオオカミだよね。
二人?の慰めタイムが始まることとなる。
そのころ男性陣は宿屋に着くと部屋に入り対面して座る。
「オレに剣の指導を願うのには意味があるのだろう」
「はい、オレは今回・・・いえ、魔族との戦いを見た時から考えて居ました。
それが今回の教会との戦いで確信になって、さっきのセメットとの行動で覚悟になりました」
「では、詳しく聴こう」
「はい、魔族との戦いを見た時、自身のふがいなさを思い知りました。
あれほどの威圧を受けてオレ自身何もできませんでした。なのにワルモーンさんは立ち向かえていた。
力だけでなく胆力の差も思い知りました」
「そうか」
「それで更にあなたの強さが何かの信念に基づくものだと教会との戦いで確信でしました。
で、さっきの出来事です。慎重で人間不信に近いセメットの態度がまるで子供のように見えました。
あなた方に対する信用が高いことがわかります」
「それだけでは覚悟にはならんな、で」
「はい、オレはそこで思ったんです。セメットを守りたいという気持ちはあります。
でも、オレは弱いから守り切れないとも思ってしまいます。
だからこそ、今踏み出すことが大事だと思ったんです。
強く信頼に値する人に教えを乞い、守る力を手に入れることが出来れば、大事な人と仲間をその日常を守れるのではないか。いえ守りたいと思ったんです」
「それは、言うのは簡単だがいばらの道でもあるぞ」
「はい、それはわかります。でも、ただ思うだけでいるのはやめたいんです。行動しないと変わらない。それを実践してくれる人が目の前にいるならその人に教えを乞いたいと思ったんです」
ルトランの真剣なまなざしがワルモーンに向けられる。
「だからこそのオレなわけだ。確かにシンラーツは教え方がうまいが、それはあくまでも相手の事を考えての事だ。お前さんはその先に進むためにオレに教えを乞いたいわけか」
「はい」
「わかった、同じ男として答えないといけないな」
「じゃあ・・・」
「ああ、受けよう。と、その前にやらないといけない事もある。気が進まないが・・・」
困った様子のワルモーンに
「大丈夫で言ってください。オレは向き合って解決していきます」
と真剣に答える。
「いや、そこまでの事じゃない。ただ、な。ウキウキのシンラーツと覗いていた二人?のフォローをしないといかんな~と思っただけだ」
その言葉に困り果てている理由を理解し、「あ~」と、思案顔になるルトラン。
二人は、どうしようかと作戦会議をすることとなる。




