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69 悪者、・・・・に気づかない

昨日は投稿を忘れてしまいました。

仕事の疲れが出てしまい、眠落ちしてしまいました。

とにかく、本日は投稿します。


ツカ村の侵略は、アーバレルとエグーミに任せることになった。


アーバレルの傷の養生も兼ねてである。

彼は基本脳筋だが、おせっかいでもある。

そこに頭脳派のエグーミが付くことで問題解決に尽力できるだろうとの判断である。

これはワルモーンだけの判断ではなく、アクラーツからの進言でもある。

ワルモーンにとっての恩人でもある彼女の助言は信用に足るものなので

助言通りに事を運んだのだ。


ただ、ワルモーンは条件をいくつか出した。

教会は取り壊さず、孤児院兼任のお悩み相談が出来る施設として使うようにして

新たに神社っぽいものを作ること。


単一宗教だとのめりこむ人間が増える可能性があるので

逃げ場所として宗教を複数にすること。


人間は弱い、その弱さを助ける存在としての宗教にしてほしい、とのことをつたえた。


後は、アーバレルたちだけでは心配なので

キリサキ・ハンターの配下であるアウトフィールズから漁業の知識がある人間をピックアップして派遣することになったのだ。



後始末をひとしきり押し付け終わったワルモーンはシンラーツを連れ立って、ミゾレ町を散策する。

町の目の前で行われた惨劇現場は、魔物が大群を撃破したと言うていで領主が対応していた。

もちろん逃げた生き残りがいろいろと言うが話にもならない。


そいつらはミゾレ町での指名手配犯扱いになぅっていたためである。

セメットとルトランは冒険者ギルドに顔を出しに行かないといけないので二人とは別行動をとっていた。因みに蒼月は安全獣登録をしないといけないので二人に連れて行かれた。

町は比較的大きく都市規模である。


なので町のあちこちに点在する教会に査察が入っていた。

今まで勝手をやってきた教会側としても反発したかったのだが戦力が無いのだ。

戦力の九割がワルモーンに潰され、権力も頼みの司祭長が逃げたのでない。


つまり今までの清算をしなければならない状況になった。

全ての教会がそういうわけでもなく、中には良心的で真面目にやってきた教会もあった。

それは査察対象外になった上に保護対象になっている。


あちこちのゴタゴタを横目ににぎやかな繁華街に来る二人。

ワルモーンは相変わらず平常運転なのだが、シンラーツはいささか状況が異なった。

異世界に来て二人きりと言うのは無かったのだ。


蒼月も必ずと言っていいくらい必ずいたし、いなくても冒険者コンビがいた。

又は、商人コンビがいた。


完全な二人きりというのが無かったのだ。

彼女は今危機に立たされていた。


小さいころから一緒でどれくらいの苦労をしてきたか知っている相手で

幼いころからの思い人と二人きりでいる為である。


もちろん、誘ったのはシンラーツである。

彼女は「この町を視察しようよ」と誘い出したのだ。


根がくそ真面目な悪の大幹部。

その提案にキチンと乗る。

もちろん、本部(実家)に連絡もいれた。

上司(母)からの返答は、「いい加減にアナタから押し倒しなさい。彼、鈍感なんだからそのくらいしないと気が付かないでしょ」と言われる始末である。


その言葉に、母親が娘に言うセリフ?とかみついたのは言うまでもない。


そんなこんなでここに居るわけである。

何も考えず町を視察するワルモーンと久々の二人きりに照れまくるシンラーツという図式が出来上がる。

見事な意識のズレっぷりである。


「ねえ、ワルモーン君。今は休暇扱いなんだよね」

ともじもじしながら言うシンラーツを気にも留めず


「視察だろう、この町を侵略する上での問題点を探すための。油断をするなよシンラーツ、何処にバカ者がいるかわからんからな」

と、真剣に周囲を見て回る。

鈍感くそ真面目野郎全開である。


なんだろう、これは。

ここまで意識もされないと逆に腹が立つ


とさっきまでの赤い顔が別の意味で赤くなる。

頬を膨らませ早歩きになり

「じゃあ、さっさと行くよ。問題点を探すんでしょ!」

さっきまでしおらしかったのに今度は急に不機嫌になったことで

ワルモーンは慌てた。


余りにも急展開過ぎて理解が追い付かないでいた。


そして、その姿を見守る影が三つ。

セメットとルトラン、そして何故か空気が読める優秀なオオカミ、蒼月である。


目をキラキラさせて二人を見つめるセメット。

「ねえ、あれってやっぱりラブコメ展開なのかな。

あの二人怪しいと思ってたのよね~」


「がうっ」

何故か返事する蒼月。


それを三白眼で見るルトラン。

「お前さデバガメも大概にしとかんと後で怒られるぞ。それに蒼月、お前ホントにオオカミなのか。

不思議なくらいセメットと息があってるじゃないか」


「がうっ」


「何言ってるかわからん」

返事に困っていた。


「なに言ってんの、これは事件なのよ。あの無自覚不器用真面目一直線のワルモーンさんに浮いた話が急浮上、これは生暖かく見守るのが私たちの役目でしょうがねえ、蒼月ちゃん」



「がうっ」


なぜそこで蒼月に同意を求める、また返事するんだ蒼月。

項垂れながら声にならないツッコミをする。


なんてことが近くで行われていることも知らないワルモーン。

彼は敵意には敏感だが好意には鈍感なのだ。

そして、その両方に敏感なシンラーツは浮かれていてそれどころではない。


ラブコメ展開してる二人とそれを見守る一団のアホな視察が始まるのだ。


〇なぜか聞き分けのいい狼が、話に参戦する意味がわかないコメディである。

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