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61 歪んだ正義の末路

黄色の勇者編です。前回でも記述しましたが

改めて注意点が一つ。ココよりの残虐なシーンを多用しております。

話しの流れ上必要な事なのでご了承願います。



イエローは、右手で剣を前にかざし、痛みに耐えながらもワルモーンをにらむ。

「さて、ネット、それにクラックス。こいつの始末は任せる。こいつの考えを暴露させたがそれだけでは、納得できまい。好きにしろ、八つ裂きにしても構わん。なんせ貴様らはこいつの被害者なんだからな、こいつの言い分通りなら、何をしても構わない事になる」

ワルモーンはしれっと恐ろしいことをいい、イエローがかざす剣を自身の剣で弾き飛ばす。

それを確認するとワルモーンはその場を離れる。


その代わりにネットと彼女の配下であるクラックスの数名がイエローを取り囲む。

彼女たちがイエローを見る目は怒りと憎悪がこもる。


「何、アンタたち。何するつもりよ」

右手で左肩を抑え、僅かな恐れを感じるイエロー。


「簡単よ、私たちは悪で、アンタが起こし倒した冤罪の被害者。アンタの考えがわかったことであんたを改心させる事なんて無駄だって理解はできたけど恨みは消えない。だからアンタに苦痛を受けてもらうわ」


「ふん、アンタたち程度に私が苦痛を与えれると思う?バカじゃないの、私の高尚な意思に気づつけることが出来るつもりなの、笑わせないで」

と強がるイエロー。


「そうね、そうかもしれないわ。でも今から私たち七人が順番にあなたにこの短剣を突き刺して回ります。いくらあなたでも痛みに耐え続けられないでしょう?」

冷たくどす黒い視線でネットは淡々と語る。


「拷問なんてひどいことが人道的に許されると思うの、卑怯者!」


「アナタ、バカなの。ここは異世界で私たちは悪なの、アンタたちの言い分だと残虐非道をする者たちなんでしょう?なら問題ないでしょう、なんせ悪なんだから。あなたの言い分だと」

イエローの偉そうに言い続けたことが、今彼女に戻ってきているのだ。


自業自得、因果応報なのだろう。


「やめなさい、今ならアンタたちを正義として養護してあげる。私が言えばこの国も動くのよ、悪ではなく正義になれるのよ。みんなが味方になるのよ、全てが合法になるのよ」

その言葉にため息を一つついてネットは言う。


「それで関係ない人が泣いて苦しんで踏みにじられるのね。ダメね、アナタは痛みを知らないといけないわ」

ナイフを各人が構える。


「やめなさい、やめて。イヤ~!!」

そこからのイエローの絶望が始まる。

彼女がまき散らした悪意が、彼女に戻る。


それが例え無自覚であろうとも、それは必ずまき散らした本人の元に戻るのだ。


その状況を後にしてワルモーンはシンラーツたちの元に来ると

「で、そいつらは始末したのか?」

と顎で地面に転がるセカンドイエローを指す。


「一応生きてるかな、弱いものいじめはスキじゃないし、ネットさんたちもそんな感じ。

さっきワルモーン君に挑んだバカが弱すぎるから手加減して正解だったわ」

と、シンラーツは言う。


その言葉に「いや、【悪】の皆さんが強すぎるんですよ。この子たちだって国の英雄クラスの強さですよ。異常すぎるんですよ先生たちが!」

何故かセメットが弁護にまわる。


「そうです。先生たちのように強くなりたいですオレ」

と、とち狂ったことを言い始めるルトラン。


役割が固まってきたな、と思うシンラーツは少し可笑しく感じていた。


常識からズレないように努めてと良くなろうとする少女と

強さを求め、常識から外れることをいとわない少年。


車で言えばアクセルとブレーキである。

うまく役割を担えばいいコンビになる、そうワルモーンは感じていた。


暴走すればあのイエローと同じ末路になるだけである。



息のある者たちは捕縛した。

そして、ワルモーンたちはツカ村に侵攻する。

そこの教会に攻め込み、そこにいた小者である司祭を捕らえ、事情を聞き出す。

村の住人からの事情聴取をしたところ村の状況が理解できる。

まあ、教会の連中は弾圧暴挙をしてきたようで、まず村の安定化を図り、教会関係者を捕まえ、

教団本部に捕まえた奴らの引き取りをさせることにする。


問題もあった。

村の住人たちは、教会に対して不信感と怒りを持っている為、

村での会談は不可能、なのでこの地方と別の地方の境である町、ミゾレ町行うことになった。

捕縛した司祭と教会騎士団。更にその関係者と今回の戦いで死亡した者たちを全て町に移送する。


教会関係者の遺体は村で埋葬しようとワルモーンが言うが、村側が猛反発したのだ。

村を弾圧しまくったため教会に関するものはすべて排除していた。

もちろん、建物も壊された。ここまでするのはあまりにもひどい弾圧があったためだ。


村の恨みはすさまじいものになっていた。

こればかりはどうしようもなかったのだ。



〇コメディー要素に戻りたいが、戻せなくて困っているコメディーである。



正義って便利ですよね。

掲げれば、正しい。間違ってないの代名詞になりますから。

例え掲げる主義が「義をもって正す」からほど遠くても。


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