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58 正義のゴタク

黄色の勇者編です。前回でも記述しましたが

改めて注意点が一つ。ココよりの残虐なシーンを多用しております。

話しの流れ上必要な事なのでご了承願います。




「そう。でもさ、その余裕もここで終わるのよ」

シンラーツは強気に言うと


「口では何とでもいえるわ。大した実力もなくてもね」

イエローも負けずと言い返す。


と、女性陣が不毛な言い争いをしている中、ワルモーンは、アーバレルの傍に近づき膝をつく。

「これでオマエの筋も通せただろう。一度本部の帰還しろ、エグーミこの脳筋バカの事を頼む。

大馬鹿だが、男気もあり組織にとっても大切な戦力だからな、このまま死なすと後が非常に面倒だ」

憎まれ口満載で言う。


アーバレルも言い返したいが、痛みでそれどころではない。

「了解いたしました。ですがあの者は以前より格段に強くなっております。お気を付けください」

と言うとエグーミはアーバレルの肩に手を置き、転移システムを起動させる。

二人が帰還したことを確認すると、激論を繰り返す二人を見る。


エンザーイ・ツインズのネットと部下はどうしようかと考えており、セメットとルトランは女性二人の異様な雰囲気に押されていた。


要は放置状態である。

それを見たワルモーンもほったらかし状態にしたいところだがそうもいかないので


「いい加減しろ、話が進まん。シンラーツ雑魚などほっておけ、相手するだけ意味がない」


「シルバー、偉くなったものね。私に対してそんなことを言うとはね、改めて躾けないダメなのかしらね」


「躾ける?そうか、オレがシルバーだった時の事を言っているのか?すまんなあの時は手加減していたんんだよ、オレが余りにも圧倒的だったのでな。力の九割を封印していたのだ、だからこそ貴様程度では強くなっても大したことはない。だからこそ見逃してやる、さっさと失せろ」

ワルモーンは子犬か猫を追い払うかのようにシッシと軽く手を振る。


それが癇に障ったのか、イエローの顔色が変わる。

「誰が上か教え直す必要があるようねシルバー。折檻してしてあげるセカンドたちアナタたちは残りの相手をしなさい。どうせ悪の組織の人間達だからここで処断しても構いません」

イエローの言葉冷たく響き渡る。


「「「「はい」」」」」

とキチンとそろった返事をする若い男女を四人のセカンドイエローたち。

だがその返事をしない男性セカンドイエローがワルモーンの前に出る。


「マスターイエローが出る必要などありません、こんな奴僕一人で十分です」

自信たっぷりでワルモーンを見る。


それに対してワルモーンは男性セカンドイエローの上半身の胸のあたりを左腕で弾くように軽く振る。

ワルモーンも軽く振ったつもりなのだが、男性セカンドイエローはその部分で体が切り裂かれ壊れた人形のように地面に倒れる。

男性セカンドイエローはヒーロースーツを着ていた。防御力が極端に高いものなのにそれごと簡単に切り裂いてしまったのだ。


臓腑と大量の血をまき散らし彼は即死する。


その姿を見たワルモーンは

「すまんな、軽くした方なのだがこれほど弱いとは思わなかった。こいつがこの程度ならイエローお前もたかがしれなのだろうな」

と言う。

もちろん彼に悪気はない。

ヒーロースーツも来ていた割に簡単に引き裂かれた相手に興味もない。


だが、悪気が無い事がひどいこともある。

無自覚な悪意という奴である。


イエローの氷のような微笑にひびが入る。


「言うわね、シルバー。じゃあ見せてあげる。今の私の力を」

彼女が握る剣に電気が走り始める。

そのか細い電気は徐々に太く強くなっていく。

そして、剣自体が光り輝く。

雷光剣、剣に雷撃をまとわせる魔法剣のひとつ。

剣撃を雷撃で何倍の向上させている。彼女の自信のひとつである。



「なるほど、以前とは違うようだ。ならばオレも応えた方がいいようだ」

ワルモーンの目の色が変わる。


それと一緒に彼の纏う雰囲気が変わる。

身体からあふれる魔力、圧力が跳ね上がる。

それも周囲にいる人間たちが、息が詰まりそうなくらい圧が覆いつくす。


汗や悪寒が、そして体の震えが止まらないのだ。

無自覚の本能の警報が鳴りやまない。



本能が叫んでいるのだ。

ココは危険だ、と。



それはイエローも感じていたのだ。

その警報はイエロー自身にも当てはまる。


先程まで感じたことない恐怖が彼女を襲う。





だが、それを認めたくないのか。

その恐怖を全力で否定しようとする。


「あ、アンタ!!何をした~!!!!」

イエローの咆哮が響く。




「理解できないか、それとも理解したくないのか。それとももう少し見せようか力の差を」

ワルモーンの威圧が強くなる。


先程見せた威圧が彼の最大値でない事を見せる。まだこんなもんじゃないぞ、と警告しているのだ。

それも圧倒的な差だと。


「ふん、威圧だけならアンタが上かもしれないけどそれだけで戦いの強さは決まらない。私は断罪戦隊ジャッジメント、そして瞬雷の勇者。その力を見せてあげるよ、シルバー!!!」

と自身を奮い立たせるための咆哮を上げ、ワルモーンに斬りかかる。



〇コメディーといいながら、コメディーに感じないコメディーである。


正義の定義は人それぞれです。

正義=個人の考えです。

だからこそ「正義」の反対は「別の正義」なんて言葉が出来るんです。

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