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51 メツハ村議論会


「ワルモーン殿、さっきの衝撃波は何んなんじゃ?何が起こっているのじゃ」

村長が慌てて尋ねて来た。


それは慌てるだろう。ワルモーンが突然村人たちに家へ入り隠れていろ、なんて言うからだ。

死かも説明もなしに、時間が無かったせいもある。


なので説明を求められるのも仕方がない。

ワルモーンが衝撃波を抑えてはいたが、彼が守れたのは森の中の集落と切り開いたばかりの新集落のみで

深い森は広すぎる為全て守り切れていない。

その証拠に森の外周部は壊滅的被害が出ているところもある。


ワルモーンは口下手なもので説明はシンラーツが行った。


ボー村に大型魔物が進撃を始めた為、当時ボー村に視察に来ていた悪の組織の総統自ら処理をした。

総統の攻撃が余りにも強大なためその余波が衝撃波として村を襲ったのだと。

組織からの緊急通信が入り、こちらでも防衛に入ったのだと。


おおむねを説明する。


「それほどまでに強いのか君らの親分は」

村長がため息交じりに聞く。


事情を知れば、仕方ないの事なので納得はしたようだが、その攻撃を仕掛けた悪の総統の力に呆れ気味なのだ。


「そうですよ、ワルモーン君でさえ子供を扱いですからね。聞いた大きさの魔物くらいなら手加減一発で撃破と言うところですね」

と軽くシンラーツは答える。


「そんな人が動いてくれたのか、それにしても君らは本当に人なのかい?今なら魔族と言われても信じれるよ」

と頭を抱える。


「人間ですよ。まあ、人外に足を突っ込んでることは否定できないけど」

と困った感じで答えるシンラーツ。


「でもいいではないか。言い始めたらきりがないしな。それよりも早急に後始末をしないといけない。

倒れた木々はオレが回収しよう、元々木材用に切る予定だったんだ。手間が省けただろう。

それに森の被害は外周エリアで済んでいる。薬草関連に影響はあるまい」

とワルモーンは、他人事に言う。


「まあ、そうじゃが非常識すぎんか。君らの親分は」


「否定はしませんよ、オレもその非常識に入っているんで」

ワルモーンは自身の力が異常な事を理解しての発言をする。


「そうかい。まあ、あの魔族を簡単に退治するんだ。このくらい当然か」

とあきらめ口調になる村長。

というかもうあきらめている。


彼女からすれば、いかに非常識な存在でもワルモーンは恩人だ。

森の中を切り開くことが出来ない為上に薬草をダメにしないように代替手段として山にトンネルを掘ってくれた。

これにより今まで交流が難しかった状況を安易に出来るようにしてくれた。

その上、新集落の立ち上げまで尽力してくれて、新たな産業の立ち上げまでしてくれた。

村の収入は増え、交通の便のよくしてくれたのだ。


更に長年の問題であった森の魔物や獣を凶暴化させてきた元凶である魔族も退治してくれて問題解決の尽力してくれたのだ。

今回の衝撃波の件そうである。


ほとんど災害だ。それを守ってくれたおかげで被害も最小限で済んでいる。

彼女ら村側からすれば、感謝こそしても文句は言えない状況だ。


それに今、村は彼ら悪の組織の庇護下に入っている。

余り強くは言えない立場だ。


ただ、ワルモーンたちは聞いてくれる。

気もしていないようだ、それよりも人的被害が無かったことに安心している。


人格的には良くできた人物だ、と感心もしていた。


「今回のようなことはもうないだろう、後はこの村の発展は今来ている組織の者たちが行うから心配するな。こうしてほしいとか要望は早めに言ってやってくれ、面倒事は早めに終わらせる限るからな」

ワルモーンは倒れている木々を見ながら言う。


「そうさな、そうさせてもらう。因みにあんたたちはこれからどうすんだい」


「ボー村に戻ってからツカ村に行こうと思う」


「そうかい。でも気をつけな、今ツカ村は教会の弾圧を受けているらしいよ。逃げて来たやつからきいた話さ。何やら騎士団も連れてきている様さね、この辺りを支配下に置きに来たのかもしれないからさ」

と忠告してくれた。


「ああ、すまんな。心配は無用だ、その騎士団とやらが我々の前に立ちふさがったとしてオレたちが負けることが想像できるか」

とワルモーンが尋ねると


「できんね、非常識まっしぐらのアンタたちには勝てないとしかおもえんわな。でもさ、足元をすくわれない様にはしてほしいからさ」


「そうだな、油断すればどこで足を救われるかわからんからな。助かるよ、少々油断があるようだ。戒めてもらえてよかった」

と素直に反省する。


それを聞いて、

ホントにこの子たちは【悪】に見えないね。

真っ直ぐで素直ないい子たちにしか感じないね。

と思う村長である。


口に出すと嫌がるから思うだけにしていた。


ワルモーンそれとなく気を使われていた。


〇これは悪を気取ったいい人たちが、周囲に気遣われるコメディーである。



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