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154 悪の組織劇場 第12幕 聖邪顔大戦01



ここはミゾレ町の頌主館の応接間。


そこに威厳たっぷりのごついオッサンとソレにそぐわない慈愛に満ちた女性がソファーに座る。


そして、その対面には、コレマタ厳つい顔の教会の神官らしき男性と笑顔が優しいシスターは座る。


その間になるような形で町の領主がいたたまれない顔で座っている。

彼女はおもう。


『なぜこうなった?


二人の魔人顔に挟まれ、なおかつ連れている女性が女神と天使ですか。


何ですか?この混沌状況?聖戦?魔人戦?ですかこれは?

何か起きるんですか?こんなところで世界の命運をかけるんですか?』


と変な考えが頭の中をめぐる。


彼女の頭の中でなぜか聖魔大戦勃発がめぐる。


「では、挨拶しようか。

我は、悪の組織ギャクゾークが総帥ゴクアークである」

邪悪な笑みを浮かべるゴクアーク。

悲しいかな彼の最大限の微笑みである。



邪悪にしか映らいの悲しいが…



邪悪な笑みに引く厳つい顔の教会の神官らしき男性と笑顔が優しいシスター。

と、町の領主。


もう汗が止まらない。


緊張感がすごい中

「すいませんね。これでも友好的な笑顔なんですよ、コレ。

あっ!申し遅れました。私は悪の組織ギャクゾークの大幹部の一人でアクラーツとも言います。因みに邪悪な笑いを浮かべるこの人の伴侶でもあります。

見た目は、邪悪そのものですが心優しい男性ですよ」

と、ディスりながらほめるという荒業をかますアクラーツ。


若干、場が和むのだが本当に心優しいのか?という疑問が残る。


だが、そう思わない人もいた。

笑顔が優しいシスターだ。


彼女は、『彼女は、私と同類だ』と直感的に感じ取った。


「ならば私も名乗ろう。大陸協和神教会枢機卿ヘイトだ」

と、いうと神官服の邪悪な顔のオッサンは、立ち上がり頭を下げる。

顔を上げ目の前にいるオッサンと目が合う。


その瞬間、二人にある共感が走る。


『この男の顔は、なんて邪悪なんだ』と。

互いにディスり合う。



そして、笑顔が優しいシスターが続く。

「大陸協和神教会のハマカと申します。シスターを務めさせていただいております」

と、頭を下げる。


彼女と目が合ったアクラーツは、

「誤解され安い方の傍で補佐をされて何かとご苦労されているようですね」

と、優しく声をかけた。


「和解ますか、アクラーツ様。

ヘイト様は、顔や言い方こそ邪悪で粗暴ですがそれとは似つかわしくないほど慈愛に満ちた方です。ですから領民からの信望も厚いのですよ。

まあ、初対面の方は打ち解けるまでが至難なのですが…」


「わかりますわ、ご苦労なさっていますのね。

ウチの邪悪顔も同じです。

会う人会う人が、魔人だの魔王だのと怯えて話が進まないこと。

私が居なければとうに討伐対象だったと思いますよ。

この人小さいころから優しいくせに。常にイキがって。

邪悪顔の癖に慈愛の女神様張りに優しくて困るのに」


「そうですよね、この人もそうなんですよ。

ご苦労されているのですね」


そう、たたえ合い二人はガッチリと力強く握手をする女性陣。

その横で褒められたのかけなされたのか分からない邪悪顔陣が渋い顔をしていた。


その顔ですら恐ろしく見えたのは余談だ。


ここに邪悪顔で慈愛に満ちたオッサンたちと

見た目が慈愛に満ちた女性たちの会談が始まる。


外野は、相変わらず怯えていた。



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