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144 悪者と聖勇者は対峙する


ワルモーンは、トレインからの情報で思った以上に早く着くと聞いていたのだ。




聖勇者。




聖なる神の力を宿した勇者として問題に挑む者。


しかも強く、気高いらしい。




そして、断罪戦隊の中でも強い部類に入る者。


その人物が馬に乗り、多くの騎士を従えて向かってくる。


ワルモーンの前で止まり、馬を降り歩いて近づいていく。


ピンクは、窪地の外まで他の騎士団を戻らせる。




どうやら考える事はワルモーンと同じらしい。




背丈はワルモーンと同じくらいだが、顔は幼く見える。


着込んだ鎧は軽装で剣を左右に一本ずつ腰につけている。


鎧の下はピンクの戦隊スーツを着込んでいた。




ワルモーンとピンクが対峙する。




「久しぶりね、シルバー。


ここで会えたのも何かの縁だしね。


ちゃんと連れて帰ってあげるから安心して」


ピンクは優しい笑顔を浮かべる。




「寝言を言っているのかピンク。


何故オレが貴様らの元に行かないといかん。


理解できていないのか?すでに貴様らの仲間を屠ったオレがここにいる意味を」


ワルモーンの表情は変わらない。


冷静に表情を見せていない。




「あら、アナタこそ何を言っているの?


あの三人は弱いから死んだ。


それだけでしょ、それにいつも言っているでしょ。


弱い事は悪なんだよ。だから死んだあいつらは悪なんだよ」


ピンクの表情は変わらない。




「相変わらず、すさまじい考え方だな」




「だってそうじゃない。戦場でも法律でも弱い立場の人間は守ってもらえない。


気持ちと生活に余裕のある者たちは余裕のない人たちの事なんて考えない。


弱い人間は弱いから悪なの。それのどこがオカシイの?


みんな気づかないふりをして目をそらしているだけじゃない」


ピンクは揺るがない。




「その通りだよピンク。


だからと言ってその言い分を納得してやるほどオレは落ちぶれてはいない」




「何を言っているの?コレは事実で正論なのよ。


間違いの無い現実なの」




「正論か、それはバカでも言える言い分だ。


相手を切り捨てる言葉だな。


流石は正義の味方だ。感心するよ。


だが、オレは悪の大幹部なのだよ。


正論なんぞくそくらえだ」




「もう困った子ね。もう一度しつけ直してあげるわ。


アナタのためだものね」


と、片眼を閉じるピンク。


愛らしい仕草をしながら言った。




「相変わらずの都合のいい言い分の押し付けだ。


もういいだろう。始めようかピンク。


どうせ話し合いなど平行線でしかない」




「そうね、ちゃんと躾直してあげるわ」




二人は剣を抜き、構える。


ワルモーンは二メートルを超える出刃包丁を


ピンクは一メートルほどの両刃剣の聖剣である。



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