12 悪者の戦果報告と新たな火種
ゴブリンの巣穴から戻るワルモーンを確認すると現地人一行は安心する。
だが、黒い鎧に赤い血が大量についている姿をみて驚きはしていた。
それよりも彼が引きずってきたでかいゴブリン(ゴブリンクィーン)を見てひどく驚いていた。
それに巣穴のゴブリンは全滅させたという説明にも驚いていた。
中にいたゴブリンは約200匹、ホブゴブリンは約50匹、ゴブリンクィーンが1匹という報告にさらに驚かれる。
その数を彼ワルモーン一人で制圧したことにも驚かれる。
その言葉が嘘でないことは、彼が引きずり持ち帰ったゴブリンクィーンが物語っている。
村長は、驚きはしたが村に迫る脅威がなくなったことにひどく喜んでいた。
彼らの力を疑問に思っていた他の村人も彼が持ち帰ったものを見て納得するしかなかった。
彼らは、ゴブリンクィーンを村まで持ち帰り、村は安堵に包まれた。
翌日は村は大騒ぎになった。森を切り開いた事による木材を村に運び込むことになった。
そして、ゴブリンの巣穴は、使いどころがないで爆破したのだ。
もちろんそれはワルモーンがおこなった。
簡単な事である。巣穴の真上に彼が立ち加減無しのこぶしを振り下ろす。
それだけだ。それだけで地面が大きく陥没しまるで巨大な穴が出来上がる。
例え生き残りがいても先ほど攻撃でつぶれているだろう。
これで問題はなくなり村の問題は、散発的に畑を荒らすハーケンボア(イノシシもどき)だけとなった。
彼ら悪の組織の二人は、ホブゴブリンの魔石を自分たちと村とで等分した。
村長は、それだけもらうと申し訳ないと言っていたのだが、ワルモーンは「おつりがでるのならこれからしばらくこの村にいる間の滞在費代わりにしてくれ」と言って無理やり押し付けた。
村長も恩人がそういうのであればと引き下がる。
多くの材木と魔石を手に入れた村は、お祭り騒ぎとなりさらに一夜が明けた時問題が村に訪れた。
村に突如ここの国が認めた勇者御一行がやってきたのだ。
この村は、ハトタハト王国の薬草の産地の一つである。
その為、魔物の被害が深刻になるといろいろと問題になるのだ。
その為問題解決のために国が勇者を派遣してきた。
その勇者御一行がやってきたのだ。
勇者とは異世界において正義のヒーローである。
つまり、悪の組織の二人からすれば大敵である。
異世界において正義と異世界の悪の組織、
この二つが出会って、問題が起きないはずがないのだ。
〇これは悪を気取ったいい人たちが、悪いことしているつもりで周囲に感謝されるコメディーである。




