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実力者

随分遅くなって申し訳ない<(_ _)>


なかなか書く時間がないもので


大変申し訳ない(~_~;)



「お前と喧嘩すんのも久しぶりだな、夜美」



「つい3日前に私の弁当勝手に食べて以来ね…」



呆れたように答える夜美に緋波は「そうだっけ?」っととぼけたように呟いて相変わらず抑揚のない声でつづける



「うん、あれは美味かった、可愛い猫の弁当箱にノリでハート書いてたな、うぁ夜美ちゃんかぁわいぃ〜…」


「ぶん殴る#!」



その言葉がゴングだったかのように夜美と緋波が同時に動いた



緋波は後ろに飛び、夜美は緋波の立っていた場所に拳を振り下ろす



「月下光天流、(ひらめき)!」



そして夜美の拳が地面に触れた瞬間




【ドッッ!!】





その場所が土埃を巻き上げて抉れた





…………







「始まったな…」




戦いを始めた二人を遠くから見る姿が二つ…



ガタイのいい男と小柄な少女が土埃の立つ道路を人様の家の屋根の上から見下ろしていた




「茅野…、お前はどっちが勝つと思う?」




勝麻は戦いから目を話さずに訪ねた



「勝麻はどうおもってるの?♪」



しかし茅野はその質問をそのままに返す


茅野も勝麻と同じで…、こちらは少しワクワクしたように見つめていた



「…緋波が勝つだろ、おそらく…」



「なんで〜?♪」



勝麻の答えた言葉に茅野は疑問を投げかける

すでに答えはわかっているようににやけながら



「実際夜美と戦った事はないが、緋波の能力…火炎造形(フレィメイク)は厄介な能力だ、何度も戦ったからわかる、状況に応じて炎の形を変えられる分普通の火炎使い(フレィマー)や爆発使い(エクスプローダー)より数段タチが悪い…」



何度も対峙して戦ったからこそ


その能力がどれだけタチが悪いのかを勝麻は理解していた



しかし茅野から帰って来たのは意外な言葉だった



「緋波が勝つのは難しいんじゃないかな…?、多分逃げるんだろうけどそれも簡単じゃないと思う…」



「っな…!、マジか…」




茅野の言葉は勝麻を驚かせるのに十分な力を持っていた


冗談で言っているのではないと勝麻もすぐに判断する事ができる


茅野は自信に満ちた声だったのだ…



当の本人は「緋波逃げきれるかな?♪」などと悠長にしているが実力は自分を超える事は勝麻がよく知っている



まぁ、そうが惚れた理由でもあるのだが…




そんな勝麻の気持ちを知ってか知らずか茅野は続ける



「恐らく実力は五分五分、だけど勝麻との戦いで緋波に少なからず消耗とダメージがあるって考えたら七・三で夜美が勝つと思う…」



「マジかよ…」



まるで信じられないと言うような勝麻に茅野はため息を吐いてさらに説明を始める



「勝麻の言った通り緋波の能力の応用力はスバ抜けてるし緋波の運動能力とか判断力がさらに能力の性能(スペック)を数段上げてるのは確かだよ…、それに対して実家が道場でその跡取り娘とはいえ戦闘経験は緋波に全く及ばない夜美がなんで緋波に五分以上の勝負ができるか…、理由は案外簡単だよ…」





「な、なんでだ?」



茅野は勝麻の顔を見て呟いた



「夜美の能力の性能(スペック)が緋波以上だから…」









………







土埃を見ながら緋波は呆れたように呟く



「あ〜ぁ〜、相変わらずだな…、その馬鹿力」



「うるさいわね」



そんな軽口を叩きながら呆れたように抉れた土を見て『あれ当たったら痛いんだろな〜』などと他人事のような事を考えていた緋波が夜美に目を向ける



「閃ねぇ、久しぶりに見たけど威力がだいぶ上がったもんだな…」



「当たり前!、私の能力、光天(レイニング)と月下流を合わせたオリジナル月下光天流よ覚えときなさい!」



満面の笑顔でそう言ってくる夜美


しかし今戦っている幼なじみがその笑顔を見て『ネイミングセンスが微妙だな…』などと思っているとは考えてもいないだろう



「どうでもいいが勝手に流派の名前変えたら親父さんが泣くぞ…」



「大丈夫、ちゃんと月下流の方は師範代だから文句は言われないって〜」




そんな軽口を言い合いながら緋波は先の技の跡をみて苦笑いを浮かべる



『月下光天流、閃…ねぇ、おおかた地面に拳が当たる瞬間に手を光化(体の一部もしくは全体を光にする)させたんだろう、場所さえ指定すりゃ光の速度で殴った訳になるから威力を出すのにほぼ力は必要ない…か…、厄介だな…』



答えがわかってんのに馬鹿力とか罵った自分も十分に厄介だな、とか考えて緋波は再び構える



『怪我させるわけにもいかねぇし…、光化の時間もそんなに長いわけじゃないみたいだ、光玉ももう仕掛けられてないだろうから、チャッチャと逃げるのが一番……か…』






そう考え足に力を入れた時…




「月下光天流、進明(しんめい)…」



【ット…】



夜美の姿が消えた



『!、消え…』



その刹那、緋波は一瞬で背後の気配を感じた



「ばぁ…」


「!!」



後ろにはおどけた夜美が蹴りのモーションに入っていた



緋波は体制をそのままに前に飛び出して回避を試みる



【コッ!】



『っつ…!!、かすった!』



………






「さすが緋波だ!、すんでで前に飛んでダメージを抑えた!」



「…いや…、あれは悪手だよ勝麻…」



「は?、かすっただけだろ!?」



「二撃目は避けれない…」



………



「っつ…」



前に飛んだ緋波は上手く着地してそのまま夜美のいる場所を睨みつける




しかし…






「はぃ、残念…」



「!?」



そこに夜美の姿はなく変わりに背後からナイフを首に突きつけられていた



「ペーパーナイフじゃ人は殺せねぇぞ…」



「まっけおしみ♪、別に殺したいわけじゃないからこれで十分、それに時間的にそろそろ特別演習の時間だし、早く行かないとね」



そう言うなり夜美は屋根に向かって思いっきり叫んだ



「って事だから茅野も勝麻も降りてきなさい!」


どうやら最初から気付いていたようだ…



……




「どうやらバレてたみたいだな」




「はぁ、演習面倒くさいなぁ……」




悪態をつきながらも彼らは約束の待ち合わせ場所に向かうのであった

火炎造形(フレィメイク)


能力者:緋波


炎の型を自由自在に操れる

応用力に優れた能力

型によって炎の性質やスピードが変わる



光天(レイニング)



能力者:夜美


体の一部や全体を一時的に実体ある光に変える事ができ

それによって力や技術に関係なくスピードだけで爆発的な破壊力を生み出したり瞬時に短距離を移動する事が可能

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