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猫化しながら自室で荒ぶる西亜口さん

☆ ☆ ☆


「にゃああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


 家に帰ったわたしは自室でゴロゴロ転がっていた。


「死ぬ、死ぬわ! 恥ずか死ぬわ!」


 カップラーメンのときは余裕綽々だったけど、このプリンは!

 間接キスなんてたいしたことないと思ってたけど、実際にやってみるとなにこの恥ずかしさ!?


「うにゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」


 わたしはさらに転がる。

 ローリング・ナーニャと化す!


「…………。……ふぅ……。……なにやってるのかしらね、わたし……」


 たっぷり十分は悶絶して賢者モードになったわたしは、さっきの醜態を冷静に振り返る。


「いくらなんでも食事の途中で奇声を発して帰ったのは失礼だったかしら……」


 でも、あのときは頭が沸騰しそうなほどにパニックだったのだから仕方ない。

 せめてメールでも入れておくべきかしら。


 そう思ってスマホを手に取ると、メールを受信していることに気がついた。


「あら? 祥平から……?」


『えっと、今日のことは気にしないで』


「気にするわよ!」


 画面に向かって叫んでしまう。

 わたしはメールを打ち込んでいく。


『わたしの間接キスをあげたのだから、ありがたく思いなさい! むしろ今日を記念日として子々孫々まで語り継ぐのよ!』


 と送ってから、それはそれで恥ずかしいことに気がついた。


「にゃああああー! やっぱりパニックになると、わたしはポンコツ化してしまうわ!」


 これではスパイ失格だわ。


「ロシアにいるお姉ちゃんに怒られちゃう!」


 お姉ちゃんから色々教わったのに、ちっとも生かせていない。

 日本に来てから、特に祥平と出会ってから、わたしのポンコツ化が止まらない!


 そんなふうに思っていると、祥平からメールが返ってきた!

 わたしは光の速さでスマホを確認する。


『わかった。記念日にして子々孫々まで語り継ぐよ』


「記念日にして子々孫々まで語り継がなくていいわよ!?」


 自分で命令しておきながら、突っこんでしまうわたし。


「いけない、支離滅裂かつ情緒不安定だわ、わたし……」


 でも、物事がトントン拍子で進みすぎなのよ!

 これから少しずつ仲よくなろうと思ったら、いきなりここまで進展しちゃうし!

 しかも祥平、わたしと幼少期に会ってたことを朧げながらも覚えてるっぽいし!


「わたしにも心の準備があるのよっ! うにゃあぁああぁーーーーーーーーーー!」


 ゴロンと床に転がると、再びわたしは荒ぶりながらゴロゴロしまくった。

 この部屋が防音仕様で、本当によかったわ……。


 再び、メール。


『ちなみに今日のことも小説に書いたほうがいいのか?』


「キシャ――――ッ!」


 なんなのよ、本格的にわたしを殺す気!?

 で、でも……読みたいわ、祥平がわたしのことをどんなふうに書くか気になる!

 あぁあああああああ! でも、そんなものを全世界に公開!? わたしは死ぬ気なの!?


「これは……命がけの小説連載になりそうね……」


 ラブコメ恐るべし。ロシアでお姉ちゃんから特殊なメンタル訓練を受けるわたしだから大丈夫だけど、ほかの人なら死んでるわね。


 わたしは震える指でスマホを操作する。


『ももも、もちろん投稿しなさい!』


 今のペースだと更新はまだ先だけど……これは毎日ドキドキが止まらないわね。


「ふふ、ふふふ、ふふふふふ…………」


 いいじゃない。耐えてあげるわ。

 至高のラブコメを読むために、わたしは尊い犠牲になる……!

 わたしは強い決意を固めたのだった!


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― 新着の感想 ―
[良い点] ローリングナーニャ! 語呂が良いです! お姉さまがいたとは!
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