Episode19 殺戮虚無
強烈な捕食シーンがあります。
読む際は御覚悟をよろしくお願いします。
飛びかかった美沙希機の正面には、一体の火危生大型翼竜型がいた。
その火危生は空中にいる美沙希のマーズジャッカルを見上げ、口を大きく開いて唸り声を上げている。
美沙希機はそれの顔面を踏み台にし、もう一度飛躍した。
踏み付けられた火危生は、一瞬であるが、重量1tに上るマーズジャッカルの巨体を受け止め、ゴキっと顎を砕かれる。
背部のバーニアを点火させ、飛距離を伸ばす美沙希。
踏み台にした火危生が地面に倒れ伏す頃、両脚部で地面を踏み付け、鈍い音と共に着地した。
周りには敵ばかり。火危生の只中に飛び込んだ形だ。
「1、2、3、4…………計15体。ちょっとキツイかな」
ゆっくりと機体を起こしつつ周囲の敵数を瞬時に数える美沙希。数え終わると冷静そうに呟いた。
自分が装備している武装はハンドガンとナイフのみ。おまけに機体は観測機仕様に改装されて鈍重化している。
コンディションは最悪だ。
だが美沙希はマーズジャッカル課程を首席で卒業した逸材である。近接格闘はエヴァに、射撃はイネスに劣るが、各技能・知識を高レベルに高めており、総合的な習熟度は上。
このような状況もシミュレーション訓練で何百時間と繰り返した。
行ける……と心の中で唱え、彼女は動いた。
火危生からはその場からかき消えたように見えたことだろう。
美沙希機は少し前のめりになるや否や、各部スラスターを全力始動させ、一瞬で火危生群にナイフが届く距離に肉薄する。
刹那、目にも留まらぬ速さで右手に持っていた刃物を左から右へ横に振り、火危生三体の首をはねた。
火危生大型翼竜型は、太古の地球の海に生息していた海龍のような細長い首を持つが、ナイフで切れるほどやわではない。
だが美沙希はナイフの入刃角度やスピードを調整し、竹を切る剣士のように、やすやすと切ってみせた。
美沙希のスピードは凄まじい。
そのスピードに対応できず、火危生が背後や左右からやや遅れて迫ってくるが、美沙希はくるりと機体を振り返させ、その過程でハンドガンを乱射した。
ハンドガンの銃口下に設置された緑色のレーザーポインターが暗闇を横滑りに通過する。発射のたびに銃身が後退し、薬莢が吐き出された。
見当違いの方向にがむしゃらに撃っているように見えるが、その射弾は全て火危生の頭部に命中し、火危生の集団は見えざる手に薙ぎ払われたかのように一斉に崩れ去る。
ここまでで破壊した火危生は11体。
残っている火危生は4体。
その時、何度も聞いたことがある警報音がコックピット内に響き渡った。
それを『陽電子熱線警報』だと瞬時に理解した美沙希は、目にも留まらぬ速さで左右の操縦レバーを渾身の力で手前に引いた。
体長8m以上の鋼の巨人が背後に仰け反り、姿勢を崩す。急激な機動のためスタビライザーでも許容できない。
イナバウアーのような姿勢となっている美沙希機の直上を、赤白いビームが凄まじい勢いで通過した。
「うわぁッ!」
美沙希は思わず叫び、両手をかざして自身を守った。
直撃はしなかった。
だが、発生した高温によって装甲板の一部が融解する。視界を閃光が包み込み、機体に衝撃が走る。
大気の陽電子濃度が上昇し、いくつかの計器がダメになってしまった。視界を提供するホログラムも不調であり、およそ半分の画面を砂嵐が覆う。
それでも、美沙希は機体の安定を取り戻す。
左脚部で踏ん張り、1tの巨体を支えた。
「危なかった……!危なかった!」
自身が生きていることを確認した美沙希は、叫ぶように言った。仰け反るのが少しでも遅かったら、直撃していた。
だが、生の実感という贅沢はいまだにさせてもらえない。
美沙希は熱線の発射点を探り出し、そこにハンドガンの銃口を向ける。
熱線個体は至近距離にいた。口を大きく開き、白い煙を上げている。
残っていた火危生の一体がそいつだったのだ。
イネス機を下に叩き落としたのもこの個体だろう。
美沙希はトリガーを引いた。
だが発射されない。
ガチッ、ガチッという乾いた音のみが虚しく響く。
残弾ゼロ。
本来ならばその四文字が画面上に投影されるはずだが、画面の機能不全によって表示されていなかったようだ。
美沙希は舌打ちをし、空のカートリッジを引き抜き、赤い大地に投げ捨てる。次いでハンドガンを左膝脇に押し当て、そこに固定されていた予備弾倉を差し込んだ。
『装填完了』の文字が浮かぶ。
美沙希は流れる動作で銃口を熱線個体に向けようとする。
だが照準の十字がそれに重なる直前に、別の火危生が襲いかかってきた。
美沙希機の直前で飛び上がり、翼を広げ、機体に覆いかぶさろうとしてくる。
美沙希はハンドガンの照準を変え、発砲。射弾はその火危生の頭部下顎に突入し、脳天にかけて食い込んで貫通した。
頭を撃ち抜かれた火危生は絶命し、力無くバサリと地面に落ちる。
新たな火危生が美沙希機の右腕に噛み付く。
「こいつらッ、熱線個体を守って──!?」
美沙希は罵声を発した。
また別の個体が左脚部に噛み付く。
美沙希が残った三体に手こずっている間に、熱線砲個体は次射の準備をしている。
急がねば、また陽電子ビームを受ける羽目になる。
さっきはかわせたが、二体の火危生に取り付かれている今は無理だ。
美沙希は背部と足のスラスターを点火させ、機体を垂直に飛翔させた。推進剤が底をつきかけているため、最後のジャンプだ。
それによって火危生を引き剥がそうとしたのだが、2体は相変わらず噛み付いたままである。
美沙希は空中にいるさなか、ハンドガンの銃口を右腕に噛み付いている火危生の額に押し当て、二度三度と引き金を引いた。
肉片が飛び散り、体液が機体を彩る。
6発目が撃ち込まれた時にその火危生は力尽き、右腕から離れて落下した。
右腕はもう使えない。
歯跡がくっきりと残され、装甲は砕かれ、回路は切断されている。握っていたナイフが宙に舞った。
やがて、30mほど上昇していた機体が落下を開始する。
左脚に噛み付いた火危生はそのままだ。
美沙希はハンドガンを投げ捨て、火危生の首を鷲掴みする。握力を高め、右にひねり、首の骨をへし折った。
ゴキっという音が響き、火危生は短い悲鳴を発する。
その時にマーズジャッカルは地面に達し、首の骨を折った火危生をクッションにする形で着地した。
1tに及ぶ重量物に踏み潰され、火危生は完全に絶命した。
「あとは……」
着地衝撃の残響が消える頃、美沙希は顔を上げ、正面にいる熱線砲個体を睨みつけた。
14体は片付けた。
あとはこいつのみである。
だが、美沙希は機体を起き上がらせようとするが、機体の動きは鈍い。
熱線砲個体は今にも熱線を放ちそうであり、ブザーも鳴り響いている。だが、スムーズな動きができない。
観測装置を背負ったまま急激な機動を繰り返したため、機体に不具合が出てしまったようだ。
このままでは回避などもってのほかだ。
火危生は今にも熱線を放つ。
死の実感に体が震え、息が荒くなった。鼓動が速くなる。それでも機体の動きは鈍い。死ぬ。
だが熱線砲個体は忽然と暗闇から姿を現したマーズジャッカルに切りつけられ、破壊された。
「あれは……」
美沙希を窮地から救ったその機体はナギナタを持っている。身体中が体液に染まっていたが、辛うじて肩の機体番号は確認できた。
「エヴァ!」
美沙希は機体の主を悟り、歓喜した。
彼女は後方で後衛戦闘を繰り広げていたが、自機を救うために駆けつけてきたのだ。
「喜ぶのはまだ早いぜ。ミサ」
エヴァの相変わらずの男勝りな声が聞こえる。
それを聞いて美沙希は表情を固めた。
未だに窮地を脱していないことを認識したからではない。
十数分前に言われた「お前のことが好きじゃない」という言葉を、エヴァの肉声を聞いて思い出したからだ。
エヴァは親友だ。少なくとも私はそう思っている。
だが、エヴァからは違ったらしい。真意はわからないが、彼女は私のことをよく思っていなかったようだ。
10年近い年月の間、ずっと。
美沙希はかぶりを振って自らの考えを打ち消した。
今は目の前の重要任務に集中するべきだと思ったのだ。かぶりを振ると、頭の周りに立ち込めていた煙のような気持ちが霧散していくのを感じた。
「今の倍近い数が南側から登ってきている。距離はもうない」
美沙希はレーダーを見やった。
確かに、火危生を示す光点が近づいてきているのがわかった。
「ハンドガンの弾倉を頂戴。一緒に戦うよ。その後に観測に入ればいい」
美沙希は言った。
だがエヴァは否定を返す。
「駄目だ。ミサはすぐに観測に入れ。南側の奴らは俺が食い止める」
「それは……!」
美沙希は声を荒げて異議をあげる。
近接格闘戦に定評があるエヴァでも、疲弊した状態で倍の数の敵と戦うのは無謀に思えたのだ。
「やっぱり、自分よりも順位が低い奴は信用ならないか?」
エヴァが今までにない冷たい声で言った。
そして続ける。
「お前の任務は観測とそのデータを衛星戦艦に送ることで、俺の任務はそれの支援と護衛だ。任務を果たせ」
「奴らを30体も相手にできるの……」
「黙れ」
エヴァは美沙希の言葉を高圧的に遮った。
「議論している時間はない。だいたいそんなガタガタな機体でなにができる。足手まといになるだけだ。それとも、自分よりも低位なパイロットに守られるのはイヤか?お前にとっては自分こそ至高で、他人なんてどうでも良いもんな」
「そんなことはないよ!」
──やはりエヴァは自分のことが嫌いなようだった。
普段はそんな様子は全く感じられなかったが、内心でどう思っているかなんて分かるものではない、ということなのだろう。
美沙希はそんなことをごちゃごちゃ考えながら、機体を起き上がらせ、目前の山頂まで歩かせた。
一歩一歩踏みしめるたびに、徐々に思考がまとまらなくなっていることが実感できた。
エヴァ機は一足早く山頂に達し、反対──南側へ下る。
南側から迫る火危生の数は、およそ40体に増えていた。後続もいる。
それに対しエヴァは雄叫びをあげながら斬りかかる。
美沙希は山頂からの眺めを確認し、観測姿勢に移った。
205mの標高を持つだけに見晴らしはかなり良い。
夜であるため肉眼では見えないが、暗視カメラやその他機材は、3km四方に及ぶ第2掘削基地の全貌を捉えている。
この光景を見るために、サーベイヤー大隊は行動してきた。
大きな被害は被ったが、あとは専用の機材で撮影し、はるか上空で待機している衛星戦艦に観測データを送信すれば目的は達成されたと言える。
達成まであと一息である。
美沙希は観測機器を起動させ、機体をオート動作に切り替えた。すると、背部に機器を背負ったマーズジャッカルが意思を持つように動き出した。
膝を折って中腰になり、振動を抑えるために仮設アウトリガーが展開される。
頭部バイザーの前に観測機器が展開され、データ送信用のアンテナが伸びる。
ホログラムモニターに『撮影準備完了』の文字が浮かび、レンズ越しの映像が画面に表示された。
美沙希は倍率、解像度を確認し、引き金を押す。
暗闇から火危生が襲いかかってきたのはその時だった。
自身の左側──高地東側から登ってきた火危生の小集団が美沙希機を囲み、一体が体当たりしてくる。
大地震のような衝撃が機体を貫き、悲鳴のように軋んだ。
エヴァは南側の火危生を相手取っているため、ここにはいない。
美沙希機はまったく無防備な状態で、火危生と向かい合っていた。
「くそッ。ここまで来て!」
せめてデータだけでも…と思い、撮影されたデータを見たが、ダメだ。
体当たりによってカメラがぶれ、鮮明ではない。
美沙希が諦めかけた時、エヴァは来た。
空気を貫きながら2本のナイフが飛んできて、火危生を切り裂く。その直後にエヴァ機が美沙希機の脇に着地し、手頃な位置にいた敵にナギナタを突き刺した。
「ちんたらするな!今のうちに撮影しろ!」
さすがだな……と美沙希は思った。
いつからか付けられた『ナギナタ女』の異名は伊達じゃない。
引き金を何度か引く。
扇子を勢いよく開くような音が連続し、シャッターが切られる。
第2掘削基地の状態やそれを包囲している火星危険生命体の明確な位置が次々と捉えられ、データとなってゆく。
そんな美沙希機の周囲ではわエヴァがナギナタ片手に立ち回り、必死に戦っていた。
美沙希機とエヴァ機では、派手さが違う。
火危生は仲間を殺し続けているエヴァ機に吸い寄せられ、美沙希機には近づかなくなっていた。
だが。
南側から登ってきていた40体が山頂に達し、東側の敵もそれらの後続個体も続々と増えている。
多勢に無勢。
エヴァの振るっていたナギナタは耐久値を超えてへし折れ、持っていた予備のナイフ五本も二本に減っていた。
機体随所を噛まれ、爪に引き裂かれ、装甲はボロボロになっている。両腕に装備していた簡易シールドもめくり上がり、関節は急激な機動の連続で悲鳴を上げていた。
「エヴァ。もういいよ!」
見かねた美沙希は叫んだ。
彼女は近くにいるはずだが、大量の火危生に囲まれて姿が見えない。
いくら近接格闘戦に定評があっても、これほど大量(50体は優に越している)の火危生大型翼竜型に囲まれて戦えるはずがない。
響き渡る轟音。
その時、美沙希は固まった。
エヴァ機が完全に捕縛され、地面に尻餅をついているのが見えたのだ。
頭部バイザーは光を失い、機体の動きは完全に止まっている。
周りには無数の火危生。
「エヴァ!返事して!!」
返事はない。
猛獣のような唸りを上げ、口からはよだれを垂らし、ギロリとエメラルド色に光る目を持つ火危生。
それら全ての目は、エヴァのいるコックピットに向いている。
「……い………」
「エヴァ。エヴァなの!?今すぐ脱出して!!」
雑音混じりに聞こえる親友の声。声を枯らして美沙希は叫んだ。
悟ったのだ。火危生は彼女を喰おうとしている、と。
「今あなたのコックピットに火危生が──」
「……や……だ……」
彼女の声は途切れ途切れにしか聞こえない。こちらの声が聞こえているかもわからない。
火危生の動きがにわかに早まった。
前足を器用に使い、コックピット周りの装甲を剥いでゆく。アーレスメタル合金の壁を、あたかもゆで卵の殻を剥くかのように、やすやすとちぎり取る。
「…………」
相変わらずの雑音で彼女の声は聞こえない。だが、相当の恐怖に苛まれていることは想像できる。
彼女を喰おうとする無数の怪物が、自分とそいつらを隔てる壁を粛々と取っ払っているのだ。恐怖は尋常なものではないだろう。
美沙希はエヴァを救おうと試みる。
だが、機体はオートモードとなっており、観測データ送信までは完全に意思の外だ。
たとえパイロットが死亡しても観測を続行する。このようにプログラムされているからだった。
美沙希は呻いた。
このままでは親友は食い殺される。
エヴァが死んでしまう。
それでも機体は動かない。淡々と撮影し、データを集めている。
「ダメだよ……そんなのダメだよ!」
美沙希はエヴァ機を見た。
死んでしまう。エヴァが死んでしまう。
「……助けて」
その時通信が入る。エヴァだった。
「た、助けて。いやだ……。食べられる……」
負傷しているようだ。雑音と喘ぎ声を挟んだ声が聞こえる。
「しに、死にたくない……しにたく……」
「エヴァ。脱出して!!」
こちらの声は届かなかった。
火危生の爪がコックピット内にまで達する。
「う、うう……こんな死に方なんて、最悪だ。ミサに謝っときゃよかった。うう、わ、わざと冷たくしたって……」
こちらは聞こえている。だがエヴァは通信不能になっていると思っているようだ。
それを聞いて美沙希は、エヴァが急に冷たくなった理由を悟った。
友人が死にかけている時。
仲間想いの美沙希なら任務を放棄し、助けてしまう可能性が高い。
それを防ぐためにエヴァはわざと美沙希を突き放したのだ。
壁は全て取り払われた。
一匹の火危生がエヴァを鷲掴みにし、コックピットから引きずり上げる。
やはり怪我をしているようで、掴まれたエヴァはぐったりしているように見える。
「ああ……あ……」
美沙希は間の抜けた声を上げた。顔には苦渋に満ちた表情を貼り付けている。
火危生は他の火危生とエヴァを取り合いになる。
一体がエヴァの足を掴み、もう一体が両腕を掴んだ。
上下に引っ張られる。
下ではおこぼれをもらおうと、小型の火危生が殺到してきた。
見るに耐えない光景だ。
美沙希はそれをただ呆然と見つめている。
「死にたくない!死にたくないッ!!」
刹那、正気の精神が決壊した。
怪物に鷲掴みにされ、口に運ばれている中で正気など保っていられない。
「いやだ。死にたくない!痛い痛い。痛いよ──」
刹那、彼女の身体は腰を境に引き裂かれた。
悲鳴が唐突に途切れ、代わって骨が砕かれる音が響く。
美沙希は頭を抱え、目を大きく見開き、絶叫を上げた。
エヴァが死んだ。
体の断面から鮮血が溢れ出し、切断されなかった内臓が架け橋を作る。
ちぎれた手足や肉片が宙を舞い、ぼとりと地面に落下した。
火危生は我先にとそれらに群がり、口中に放り込んでゆく。
美沙希の心は虚無になる。
私が宇宙飛行士になりたかったのは、こんなものを見たかったからじゃない。
──なにかの間違いだ。
──なにかを間違えたのだ。
美沙希機は自動的に、そして無機質に写真を撮り続ける。扇をしまうようなシャッター音が、絶えず鳴っていた。
やがて回転翼機の音が聞こえてくる。
サーチライトに照らされ、美沙希は目を細めた。
降りてくるマーズジャッカル。
イネスの機体にも見えるが、視界がぼんやりとしていてよくわらかない。
思考がまとまらない。
やがて美沙希機はふわりと浮かんだ。
回転翼機から垂らされたワイヤーに吊るされたのだろう。
美沙希は前かがみになって頭を抱えた。
回転翼機は第2基地から離脱する。
やがて遥か上空から軌道上物体射出砲の砲弾群が降り注ぎ始める。
美沙希機の観測データを元にしたその射撃は正確極まりなく、基地を包囲していた無数の火危生を全て粉砕した。
エヴァを食った火危生も同様に…。
弾着の閃光。爆ぜる炎。
そんな光景を淀んだ目で見つめながら、美沙希は意識を手放した。
夢を追って宇宙飛行士になった美沙希。
しかし。
過酷な現実にぶつかり、精神に支障をきたす。
心配するイネス、ラングスドルフ。春樹。
そんな中、火星人類にとって最悪最大の脅威が動き出す。




