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モブが異世界で生きていきます  作者: たにやまちゃとら
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腹ごなしに街を歩く。防具屋を冷やかしたり、魔道具屋でアイテムを眺めたりした。ユキトの場合、自分の魔法で出来るから、買うことはないが。


雑貨屋に入ると、日用品を集めた。シロ達のブラシも個別に買う。会計しようと思ったら、ティアが、どこからか、何に使うか解らない様な小物を幾つか持ってきた。一つ大銅貨1枚位なので、一緒に買うことにし、会計7000Fを払う。


買う物も買ったので、ダンクの宿に戻る。今日は、予め部屋を取ってあるので、帰った事を伝え夕食。銀貨1枚を払い、酒も頼む。

買い物も出来たし、昼も旨い物を食べ、夕飯も満足だ。そして眠りにつく。


 残金547600F



23日目

朝食を食べ、チェックアウトすると、街を出てゲートを潜る。


回りに魔物が居ない事を確認すると、昨日買った剣を取り出す。剣を鞘から抜くと、鞘はアイテムボックスへ仕舞う。

切り下げ、切り上げ、払い、突き。

何度か繰り返し、何となく感じを掴むと、抜き身のまま、剣をアイテムボックスに仕舞い、シロ達を呼び、探索を開始した。


発見したのは、オークの団体さん。10匹前後いそうだ。

イメージ、弾ける雷。


「サンダースパーク」


光球が現れると、オーク共の頭上に向かう。そこで光球が弾け雷がオークに降り注いだ。

多くのオークは、ばたばたと倒れていく。

アイテムボックスから、剣を取り出すが、討ち漏らしたオークは少なく、シロ達に倒されてしまった。


「アズくん、レベルアップ」


ティアのインフォだ。アズが発光した。やはり、大きさに変化はない。


「アズも、魔法を覚えたのか?」


「アズくんは、水魔法だよー」


「魔法を使えるのは良いのだが、まだシロ達が使っているのを見てないよな」


「シロくん達は、ユキトくんみたいに、魔法特化な訳じゃないからねー。敵の数が多い時は、使うかもしれないけど、ユキトくんが、その前に凪ぎ払っちゃうからなー」


なるほど。とユキト。

 まあ、奥の手と思うことにした。

オークは11匹あった。回収して、次の獲物を探す。


ゴブリンを発見。数は6。試し切りの時だ。剣をアイテムボックスから取り出す。


「エンチャントウェポン」


ユキトの魔法と同時に、シロ達が突撃していく。


「ひゃっはー」


ユキトも雄叫びをあげ、走り出した。狙いは、シロ達の襲撃を免れた真ん中の奴。胸目掛けて、突きを繰り出す。肋の間にうまく入ったのか、抵抗なく剣の中程まで刺さった。ゴブリンを蹴り剥がし、回りを見渡すと、フウが2匹のゴブリンを相手にしていた。

ゴブリンの頭上で旋回し、隙を見ては頭に爪で攻撃を仕掛ける。

ユキトは、そこへ踏み込むと、ゴブリンの腹を薙ぐ。腹をバッサリと切られて倒れるのを横目に、もう1匹の肩に剣を叩きつける。肩に食い込んだ剣を無理矢理引き抜き、首を切りつけるとゴブリンは倒れた。

シロ達はゴブリンを倒している。

剣を振るい、血を飛ばすと、アイテムボックスから布を取り出し、剣を拭う。武器強化の魔法のお陰か、刃こぼれは無いみたいだ。


「おつかれー。剣で戦ってみて、どうだった?」


「中々良い感じだな。今の所、ゴブリンくらいしか倒せそうにないが…」


「それが解れば、十分たねー。それは良いのだけど、最初の叫び声が悪人風だったよー」


「テンションが上がってな…。それに、俺は正義の勇者様とかじゃないし」


そう言いつつ、剣を仕舞い、ゴブリンの魔石を回収し始める。

回収を終えると、場所を少し移して、昼休憩にした。


午後の狩り。コボルト3匹を見つけた。サンダースピアを放ち1匹倒し、残りはシロ達に任せた。

シロ達は、コボルト達に飛びかかると、何もさせる事無く倒した。

コボルトを回収し、更に奥へ進む。


発見したのは、キラーアント。そのキラーアントが洞窟に出入りしている。


「あれは、蟻の巣か?」


ユキトが尋ねると、ティアは肯定した。

サーチを使うと、数が多い。あれを潰していたら、日が暮れてしまうので、今日は帰る事にした。


街に戻り、ギルドへ行くと、オークとコボルトを並べ、魔石とカードを渡し親父さんに聞く。


「キラーアントの巣を見つけたのですが、潰しても良いのですか?」


「ん?ああ、潰してくれるなら、ありがたいな。放置するなら、場所を教えてくれ。依頼として誰かに潰してもらわないとな」


こんな風に、依頼が作られる事もあるのか。そう思いながら、こちらで潰す事を伝えた。


「ソロなんだろ?あまり無理はするなよ。

持ち込んだのは、オーク11体で88000F、コボルト3体で12000F、ゴブリンの魔石6個で6000F、計106000Fだ」


金貨1枚と銀貨6枚にカードを受け取り、無理をしない様にしますと言った。

ギルドを出て、ダンクの宿に行き部屋を取る。

時間が早いので、夕食までティアと話した。


「魔物の巣とか、潰しまくってたら、魔物が絶滅しないか?」


「森は広いから、一つ二つ潰しても、問題ないよー。逆に、放置するとスタンピードが起こるしねー」


「俺がやる分には、大丈夫なのかな」


「森を全て焼き払う、とかしなければねー」


「そんな無茶出来んだろ」


そんな話をしつつ、夕飯の時間になると、酒と食事で今日の疲れを癒した。


フウレベル変わらず、シロ52、アズ50、ロウ30にレベルアップ。


残金642600F



24日目

昨日見つけた蟻の巣付近に行き、シロ達を召喚。


「取り合えず、出てくるのを叩くとするか」


洞窟の側まで移動すると、フウを周囲の警戒に行かせる。


イメージ、爆発


「エクスプローション」


巣穴の前に、小さな爆発を起こすと、キラーアントが、わらわらと出てきた。

ある程度引き付けて、サンダーストームを使用。

渦巻く雷がキラーアントを倒していく。

イメージ、石の壁


「ストーンウォール」


巣穴を石壁で塞ぐと、シロ達には、残りの殲滅を、ユキトは、キラーアントの回収に回る。

全て回収すると、石壁を消し、出てきた所を魔法で一掃。また、石壁で穴を塞ぐ。その作業を三度繰り返した。


「一時退却だ」


キラーアントを回収し、石壁を消したユキトは、そう言って逃げ始める。

だが、シロ達は早い。あっという間に離される。

イメージ、身体強化


「ブースト」


魔法を使うが、やはり付いていけない。シロ達は、速いな~等とのんきに考えていたら、皆速度を緩めてくれた。しばらく走り、追手がないと解ると、開けた場所で休む事にした。

 シロ達をチェックすると、ロウに小さい切り傷があったので、ヒールで傷を治す。


 「ユキトくん、午後からも同じ事するの?」


ティアが昼食を食べながら聞いてきた。


「そうなるな。頭の切れる奴なら、もっと上手い作戦を思い付くのだろうが」


「まあ、悪くないと思うよー」


「素材を諦めるのなら、もっと早く終わるけど、勿体なくてな」


「お金にもなるし、ギルドも喜ぶと思うよー」


「それなんだが、これだけの数を持ち込んで、大丈夫なのかね?」


「ん~、平気じゃないかなー。駄目なら、説明があると思うし。それに、最悪別の街に売るっていう方法もあるしねー」


その手があったか。とユキトは感心した。


昼休みも終わり、再び蟻の巣の前に立つ。

襲撃の余韻か、キラーアントは落ち着き無く動いている。三本の雷の槍で倒すと、一斉にこちらに向かってきた。


「一匹残らず駆逐してやる!」


「それアウトー」


ティアのツッコミがあったが、それ処ではない。

サンダーストームを放つと、蓋をし回収のルーチンの始まりだ。


今回も三度回したのだが、最後は出てくる蟻が少なかった。


 「ユキトくん、レベルアップ」


HP  275(+45)

MP  940(+240)

筋力   67(+13)

敏捷力 109(+22)

体力   86(+15)

魔力  215(+45)



 ティアのインフォだ。


「レベルアップは良いが、蟻の方は、そろそろ打ち止めか?」


そう言いながら、サーチをかけると、まだ奥に沢山いる。巣穴突入は、明日にした。


「今日は、これくらいで勘弁しといたるわ」


「何で負け犬っぽく言うのかなー」


蟻が出て来ないうちに撤収。少し離れると、シロ達を帰還させ、ゲートを潜り街へ帰った。

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