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……とまあ、話はそれだけなんだが、最近はきみとも連絡を取っていなかったし、上手く行けば今年中には日本に戻れるかもしれないから、そのついでの話題振りだ。ではね、お元気で』
そのメールが引き金になったのかどうか、次の週末、久しぶりに墓に行ってみようかなどと考える。
わたしの妻の骨が『安らかに眠』っているはずの墓まで。
電車を乗り継ぎ、やっとの思いで最寄駅まで辿り着く。……とはいえ、大して遠い距離ではない。最近は近郊の路線も発達したから三時間弱だ。ただし駅から墓所までタクシーで三十分ほどかかる。この時間は昔も今も変わらない。