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 それからしばらくの間、墓碑銘を見ることはない。

 世の中は不景気でどの会社を訪ねても担当者とはその話ばかり。夜は賑やかに見える盛り場も昼に通れば閑散とし、厭な臭いばかりが鼻をつく。今回の世界的不景気を発明したノーベル賞学者たちに思いを馳せつつ得意先をまわり、細々とした註文を攫うように受ける。街を歩けば、中年はもとより若者たちにも覇気がない。ただ老人たちだけがやけに明るく生き生きとして見える。


 Eメールが飛び込んできたのは、そんな頃だ。送り手は大学の同窓で、わたしはその後落ちこぼれたが、当時はよく馬鹿をやって遊んだ仲間の一人。何年か前、連絡を受けたときには韓国にいたが、今度のメールはロサンジェルスからだ。優秀過ぎて、まだ日本に戻れないらしい。


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