表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/34

15

 人はいない。

 自宅のドアの前に立ったとき、一瞬それからも疎外されているような気がして落ち着かない。だから鍵を開けて中に入り、奥の部屋の電気を点ける直前に鳴った電話には心底吃驚してしまう。そんな心理的な遅れが仇となったか、送受機を取ったとき、もう電話は切れている。

 ツーッという音だけが耳の奥に残る。

 それから外でサイレンの音が聞こえる。人の集まるザワザワとした気配がする。ベランダに出て覗くと向かいの建物の中に小さな火が見える。

 その中で女が焼死中だったらしい。

 事件の全容を知ったのは、もちろん翌日のことだ。火事自体は大したことなく殆ど小火だったらしい。

 女が死んだのは自殺意図があったからだ。少量の石油を被って自殺している。

 知り合いの女ではないが新聞によるとずっとそこに住んでいたらしい。だから何度か見かけたことがあったかもしれない。

 過去に……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ