問いかけ
近年、「異世界トリップ」と呼ばれる小説が、増えている。
普通の平凡だった人間が、故意だったり偶然だったりと、色々な理由で別世界等の異世界へ飛ばされ、チート的な能力を得て無双・暴走したり、はたまた逆に平々凡々な状態で苦労したり。望んでもいないのに勇者扱いされたり悪の方向に走ったり。
その人達の大半が、元の世界に帰れずに(元々から帰る気無い人もいるみたいだが)、その一生を終えている、と記憶している。
しかし自身としては、「帰れてこそ異世界」だと常々思う。
定住してしまえば、元々いた世界は「過去」と成り果て、定住した世界は「異世界」ではなく「現実」のものとなる。そうなれば、もう「異世界」とは呼べないじゃないか。
――さて、では此処に、1つの小説を、提示したいと思う。
と言うより今俺がいる世界の事である。
他の「異世界トリップ」物とは違い、俺が此処に飛ばされた理由を一言でいうなら、
――嵌められた!
だ。それ以上でもそれ以下でも無い。確かに誘われノコノコついてったのも悪いとはいえ、問答無用で異世界に叩き込む事は無いと思う、そう思いたい。
――えー、そろそろ本題に入ろうか。
前の方で「異世界トリップ」について色々述べたのは、まあ要するに、今本の前で見ているであろう人々にどうすれば、どう伝えれば良いか、と四苦八苦していた所為である。
今俺は、本の中から、現実へ向けてコレを書いている。
2次元から、3次元へ。
さてさて、今、コレを見ている皆さんは――
――「本の中に別世界がある」と聞いて、……信じますか?
以上です。
次話投稿はそんなに遅くならないと思います(多分)。