第7話 不穏に穢れた銀の海
前回までのあらすじ、主人公プリムは国王ファイ、総司令官メアナイトと親友のフィステリアと宇宙人のハイドと共に、宇宙船の素材を取りにウェイテル王国に向かう
「あ!そういえば重大な事を思い出しちゃった!」
プリズムは突然大きな声で言った
「何ですか、プリズムさん?」
「シュークリームもらってない!」
「何の話ですか?」
聞き覚えある鐘の音が聞こえてきた。
「シュークリーム、シュークリームはいかが〜」
シュークリームの販売トラックだ。
「ねえ、メアナイトお願い買ってよ」
「何だか分かりませんが…仕方ないですね、買いますよ」
プリズムがトラックに飛びつく。
「シュークリーム20個くださーい」
「あいよ、6600エルトね」
「じゃあこれで」
メアナイトはカードをさしだした。
エレスタでは買い物は全てカードで行われる。
昔は金貨などがつかわれていたが、先代国王が発明した《電子マネーシステム》が急速に普及した事で、それらは使われなくなった。
「あいよ、シュークリームだよ」
シュークリームが渡された
「わーい、でもメアナイトってお金持ってて良いよね」
「あれ?プリズムさん、シュークリームはどこやったんですか?」
「もう全部食べたよ」
シュークリームを食べたプリズムの瞳は虹色に煌めき、疲労も完全回復していた。
「さすがプリズムさん、シュークリームの早食いで勝てるものいないですよ」
「さすがメアナイト、分かってるじゃん」
「そうですか」
「あの〜皆さ〜ん」
遠くから声が聞こえる。
「あ!フィステリアだ」
「プリズム、あいつがフィステリアか?」
「ハイドの事も説明したから」
「皆さまごきげんよう」
「フィステリア、早いね!」
「ええ、それでこの方がハイドさんかしら?」
「うちはハイドや、よろしくな」
「フィステリアですわ、こちらこそ、よろしくお願いします」
「ところでお前の能力って何や」
「わたくしの能力は【ロケット☆パンチ】でございますわ」
「それで、ウェイテルに行かれるのですね?」
「そうそう、協力してくれる?」
「まあ、いたしますけど」
「それじゃ一週間ぐらいで用意できる?」
「いや、今からでも問題ないですわ」
「さすが、フィステリアは頼りになるねえ」
「なぁそういえば、お前……メアナイトか、さっき、なんか誰か死んだみたいな話やったけど、結局どういうことなんや?」
ハイドがメアナイトに呼びかける。
「ああ、さっき言った通り10年前に《先代国王様》は《リト》という女に殺害されてしまいました」
「…なんでや?」
「僕にも分かりませんよ、ただ…その女性はある男によって討たれたんですが、そのある男も一年後に、エレスタ王国でテロを起こしました、そしてそれを討った男も……というのが今まで続いています、この続きは後で…」
「暴走の連鎖か……」
ハイドは独り言のように呟いていた
こうしていると、そこに一人の女が駆けつけてきた
「元帥!どう言うつもりですか!?」
「ああ、エッジ大将ですか!さっきの話聞いていたんですか?」
メアナイトが返答する
「ええ、それでまさかウェイテルに旅に出るとか言わないでくださいね!」
「そのまさかです!エッジ大将にはしばらく軍を代わりに指揮して貰いたくて……」
「そんな…私が?軍を指揮……?」
「基本的に普段のあなたとやることは変わりませんよ、期待していますよ」
「そんなこと言われても、私、どうしたらいいか」
「大丈夫ですよ、もうしばらく戦争なんか起こっていません、もしなにかあったら、僕に連絡を」
「もう知らないです!」
エッジという女は走り去って行った
「よーしじゃあもう出港しちゃおう!」
「フィステリア、用意できたのか」
「ご準備は完璧ですわ」
5人は王都のハルベア港に来ていた
「あれがわたくしの船、ウルトラ号ですわ」
「すごい大きいですね」
「まあまあ、乗ってくださいませ」
「出発ですわ!」
船がついに出発する!
「どれくらいで着くんや?」
「オシアン海を横切って行きますからから、1日ぐらいですわ」
「速すぎますね」
「何たって、最新式ですもの」
……
「なんか暇だな」
「そういえばずっと聞きたいと思ってたけど、やっぱりプリズムってなんの仕事してんねや?」
ハイドが尋ねた
「いや、特に仕事は…」
「親の脛でも齧ってんのか?」
「そういえば今まで聞いてなかったが、プリズムにも父親はいるのか?」
「いるよ、有名な《錬金術師》だったみたい、アーチって名前なんだけどね」
「錬金術師?」
「初めて《人造人間》の錬成に成功したみたい、なんかよく分かんない」
「今はどこにいるんだ?」
「分からない、お父さんは私が子供の頃にいなくなったみたいだから覚えてない」
「じゃあプリズムって姉妹とかはおるんか?」
「姉がいたけど…」
「俺様の親父が殺された日に、プリズムの姉も行方不明になったんだろ」
「あれ?そういえばメアナイトが本読んでる?」
「はい、僕が研究している《古代アドック文明》についての本ですよ」
メアナイトは分厚い本を読んでいた
「アドック文明なら聞いた事あるな」
「大王様も知っているんですか!」
「もちろんだ」
「それで、ウェイテルには《ギシフ遺跡群》と言う遺跡があるんですよ!」
「あの《メタルデビル》があるところだな」
「《メタルデビル》とはギシフ遺跡群に置かれた人形の様な物で、素材、作り方、用途、全てが謎で、そのかっこいいロボットの様な見た目から《メタルデビル》と呼ばれているんですよ!」
メアナイトがまた早口で捲し立てる
「今日は疲れたし俺様はもう寝るぞ」
「大王様、珍しいですね」
「寝室はあちらにございますわ」
「ありがとう」
……そして次の朝になる
「ついに着きましたわ!」
「おい、どこにも何もねえぞ」
「おいおい、仮にもエレスタ王国の王様が何でこの国の事を何も知らへんねん?」
ハイドが言う
「よそ者は黙っとけ!」
「大王様、ウェイテルはこの海の真下にあるんですよ、真下です、水中です」
「あ〜そう言えばそうだったか」
「今、知ったばっかりのくせに」
「じゃ、飛び込みますわよ」
フィステリアは海に入った
続いて4人が飛び込む
「何か、水が濁ってない?」
「この前はもっと水が綺麗でしたわ」
「お前らまさか全員ここに来たことがあるのか?」
「逆にファイは無いの?」
「無い!」
「そういえば、この水入っても濡れないし、息もできるな」
「この国の技術はすごいですからね、とにかく潜りますよ」
海を潜り抜けた先は国があった
だが海は銀色に変色し、辺りには魚の死体がぷかぷか浮いている
「あれ、もしかしてこの辺に浮いてるのって全部魚の死体?」
「何でこんな事になっているんでしょうね?」
「見て!ウェイテルオオクジラの死骸だよ、やったー!」
「馬鹿、喜ぶな!嫌な予感がする」
……
「へえ、あたしの国がこんな事になったのに、お魚達が死んでしまったのに、外国人ときたら、喜んでるのね!
やっぱり外人はクソゴミね!」
そう言ったのは近くに立っていた、背の低い金髪ツインテールの女性だ
「ド…ドロップ女王!?何故ここにいらっしゃるのですか」
その女性はウェイテルの女王であるドロップだったのだ、
もっとも気づいたのはメアナイトだけだが
「言い訳なんてい〜らないっ!逮捕してあげる!」
ドロップは指を振った、それと同時に5人は謎の力によって床に叩きつけられ、気絶してしまった
さて、次回から本格的にウェイテル王国編が始まります。
ドロップ女王は特にお気に入りのキャラなんで、その活躍をよく見ておいてほしいですね
〈予告〉次回、プリズム、観測上一度目の《死亡》!




