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第104話 邪龍のお出まし

「分かったよ!戦ってやるよ!戦略的撤退だけどな!」

シャープはドロップの後ろに隠れた


「情けないわね!このクソゴミ!」


「どうすんだよ!全体が全然見えねぇぞ!こっちは海の中だし、あっちが一方的に攻撃してくるんじゃねぇのか!?」

ライトが叫んでいる


「まずいね…それは三大神の力か!」

アイムは剣を向けてそう言う



「御名答!フェニックスの翼、大蛇の鱗、ティラノサウルスの牙と爪、どれも最高の力だ!私は【邪龍】になったのだよ!」



「うおっ、聞いたか?あいつ自分のこと【邪龍】って言ったぞ!前から思ってたけど、お前ネーミングセンス無さすぎ!中二病かよ?」

ジャンがそう吐き捨てる



「そう思ってもらって結構!負け犬の遠吠えに応じる暇はないのだよ!さぁそろそろ始めようか!」


「ま…待って、アーチはどうなったかしら!アーチが生きてると私たちの戦いの邪魔だと思うのだけど?」


「ああ、安心しろ、お前の父親は、お前らが復活させた後、もう一度抹消しておいた!これで心置きなく戦えるな!」



「そうか…心置きなく…ね、ね〜、ハルマゲドンはネイルって人知ってるかな〜?」

ジブルが語り始める



「ああ、カタストロフか!あいつは優秀な部下だったよ!本当に役に立った!」


「そっか〜、分かった!君はこの世に存在しちゃいけない人だね〜僕は謝罪が欲しかったんだけどな〜」


「謝罪?なんだそれは?それより早く戦おうではないか!?私を倒したらいくらでも謝罪してやるぞ!」



「もうやめてよ〜!ハルマゲドン流石にひどいよ!ジブルが泣いてるのが分からないの?」

レッドが叫ぶ


「分かるに決まってるだろうが!戦わないやつは…死んでもらおうか【破壊光線ディザスター・ショック】!」

邪龍の口から、青白く光り輝く光線が放たれた

光線は海中を通って進む


「ちょっと!あたしの宮殿が!」

ウェイテル城が粉砕された




「誠に残念ですなぁ!」

薙ぎ払われる光線に、ウェイテルの街が根こそぎ破壊される



「そんな…!」



「リセットのお時間ですわ!」

幸い、フィステリアにより、すべてが修復される



「なるほど、よしそろそろ君には消えてもらおう!」

水面から邪龍の腕が伸び、フィステリアにつかみかかる


「あっ!!」

邪龍の握力により、フィステリアは一瞬にして握りつぶされた


そして大きく開いた口の中に放り込まれていった

海にはどす黒い血が漂っていた



「どうしよう!フィステリアが!」



「リセットのお時間ですわぁあああ!ロケットパンチ!ロケットパンチ!」

中から叫び声が聞こえたかと思えば

邪龍の腹部が一瞬ロケットパンチの衝撃で盛り上がったが

そこで、フィステリアの声が止まった



「フィステリアが…フィステリアが!どうしよう!」



「プリズム、もうどうしようもないぜ!」



「どうしようもなくないよ!」


「フィステリアを信じろ!あいつはきっと生きてるはずだ!」

ファイが声をかける


「そうだよ、ハルマゲドンを殺せばいいだろ〜!」

ジブルは自身の姿を透明に変えた



そして散弾を打ち込む

拳銃から放たれた無数の不可視の魔弾は邪龍の胴体に当たったようだがその硬い鱗を貫けることはなかった



「水の中からじゃ攻撃できなくて当たり前よ!よし、あたしが持ち上げるから誰かあたしを守ってね!」

ドロップは重力で全員を水中から引き上げた



「じゃあ、ドロップちゃんは俺が守るんで!」


「期待してるわよ!」



「ハルマゲドンの鱗はただ硬いだけにすぎない!なんとしてでも鱗を破壊しないとダメだね」

ナレッジが目を閉じながら呼びかける



「よし、みんなジブルに続いて攻撃しまくろ〜!負ける気がしないよ!」

レッドは血液を心臓に集めて、右腕の動脈から一気に解放

ものすごい勢いの血液が邪龍を撃つ


「これならどうかな?」

アイムはかがやきの剣から真空波を放つ



「【(しぶき)】!」

ハイドは高圧縮水流を発射



「てか、ハイドって今、何と契約してるの?」


「ああ、鮫とか蛸とかや、大蛇の使ってた技は使えへんからしんどいわ!」



「よし、僕たちも行かなきゃいけないね!」

エイントは巨大なドラゴンの絵を描く


「いいこと思いついたぜ!」

そして実体化したドラゴンにケミが毒液をかけて特攻させるのだ


「元帥!何か武器に出来るものはないですか」


「そう言われても…」


「俺を使ってよ、俺以外に適任はいないと思うけどな!」

レイが申し出た



「ご協力ありがとうございます!【レイ光線銃】!」

エッジが右手で触れたレイが、小さな光線銃へと姿を変えた


そして、引き金を引くと、虹色の太い光線が邪龍へと向かって行ったのだ



「やったか?」



「無駄なのだよ!私への攻撃は全部無駄なのだよ!」

なんと、邪龍は一切傷を負っていなかった


「かがやきの剣も効かないとなると……」



「どうしよう!」


「だから死ねと言っているだろう!【|破壊光線《ディザスター・ショック】!」

またも放たれる蒼き光



「バリアぁあ!」

プリズムのバリアによりなんとか無事でいる



「ねぇ、ファイもメアナイトも作戦とかないの?」


「ちょっと待て、プリズム!きらめきの鍵使えよ!」

ファイが叫ぶ


「使っても意味ないと思うけど?」



「そうじゃない!おいLibra!Unlimited Stateで跳ね返した攻撃ってちょっと威力が上がってたよな!」



「僕はLibraじゃないけど…君の言うとおりみたいだね」


「これだ!おいお前ら!作戦を思いついたぞ!」

ファイが何かを思いついたようだ



「どうするの?」



「ああ、声に出したらハルマゲドンにバレるからな、とにかく今何としてでもハルマゲドンの動きを止めろ!」

そういうと同時に邪龍に着火したのだった!

邪龍についた炎は少しずつ着実に鱗を傷つけていった

そして、レゾナに作戦を耳打ちする


「なるほど…了解よ」

レゾナはファイの提案を受けて、【ハルマゲドンには聞こえない声】で全員に作戦を伝えた


「なるほど!いいねそれ!」

プリズムはまずきらめきの鍵を腹部に差し込み左向きに回してUnlimited Stateへと移行する


「よし、まずはハルマゲドンの拘束ですね!」


「分かったっすよ!じゃあジャンにドロップの護衛を頼みますんでそこんとこよろしく!」



「うわっ、自分で仕事引き受けといて他人にやらすとか……」

ジャンはドロップの前に立って構えている



「じゃ、ケミちゃん!あれもう一回やるよ!」

シャープは全身から無数の棘を生やしていた


「分かった、行くぜ!今あるありったけの毒をやるから覚悟するんだぜ!」

ケミがシャープに真の猛毒を浴びせた


シャープは毒液を浴びた毒針を、ハルマゲドンに打ち込むとともに死亡した

が、すぐに蘇生された


放たれた毒針は邪龍の鱗の表面を僅かに溶かした


「キャンディも活躍しなきゃいけないのです!」

巨大な四つのキャラメルを作り出し、射出する


キャラメルが邪龍の翼にへばりつき、重く重く垂れ下がる

もはや飛ぶことは叶わず、地面へとゆっくり降下するのだ



「ははっ!今だな凍りやがれ!【彗星】だ!」

ライトは、彗星を撃ち出した

−200℃の氷塊が堕落した龍を狙う

その軌跡に青白い尾が光り、氷の塵が舞い散るのだ


「ぐわあああ!ふざけるな!何をするつもりだ!」

氷塊は直撃した

触れた刹那、邪龍は完全に凍りついた


「よし!今だね!」

プリズムは自分から少し前に、バリアを自分に向けて張る


「よし、じゃあいくよ!」

レイがプリズムとバリアの間に入りビームを撃つ


ビームがバリアに触れた瞬間、ビームの威力が僅かに上昇するとともに、向きを逆転する

そしてビームは今にもレイに貫きそうになっている



「よし!」

ここでジブルが透明化の秘術をレイにかける

これでビームが安全にレイを通過して、プリズムへと向かう


すると、初めのバリアを消して

プリズムは新しく出したバリアで再度跳ね返す


当然また威力が上がる


そしてこれを何十回も繰り返すことで指数関数的に威力が増大していくのだ


そして500回目の反射を経ると、光線は虹色に、より一層強く光る



「よし、今だ!」

エネルギーを増幅させた光線を解き放つ

凄まじい爆音とともに、凍りついた邪龍を撃ち抜いた!



「ぐおぉおお!」

爆発四散する邪龍の肉体



邪龍の肉体は完全に崩壊して、中から暗黒の物質が漏れ出す

そして、大蛇、フェニックス、ティラノサウルスが解放された


「また捕まっていたとは情けないものじゃ」


「朕が操られるとはなんたる不覚ゾヨ!」



「無礼な者ティラ!」


そしてその闇の中から現れたのはまさにフィステリアだった

「みなさま、申し訳ございません……わたくしのことはお気になさらず…」


「フィステリア…?」



その瞬間、フィステリアの瞳が漆黒に染まった



「ガハハハ!これが最後の依代となるだろうな!さて、残念だがこのフィステリアの体は完全に私のものになった!」


「何それどういうこと?」


「つまり、仮にこの体から私を追い出したとしても戻ることはない!フィステリアの魂はすでにデスロザンにあるのだよ!」


「その状態で蘇生したらいいじゃん!」


「言っただろう、これは完全に私の体だ!その状態で蘇生すれば私の魂がまた乗っ取るだけだ!」


「ちょっと待ってそんなことが出来るんだったら最初からメアナイトにそれやったら良かったじゃん!」


「ああ、これを使うほど追い詰められてしまったというわけだよ!もはや手加減は出来ない!そして私は逃げに徹するぞ!」

そういうと、ハルマゲドンはどこかに一瞬で消えてしまった

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