思い出の風鈴
気付けば今年も終わるなぁと、毎年焦るこの季節。
ああ、何もしないまま年だけとってく、とゆー罪悪感を持つ時期に、重い腰を上げやすい1000字。
多くの方の挑戦に触発されて、「なろう小説大賞」参加します!
軒に吊るされた風鈴が、木枯らしにゆれてか細い音が鳴る。
夏に聞くと涼しげな音色も、この時期になると寒々しく感じるものだ。
僕は年季の入ったこの家で、じいちゃんと二人暮らしの高校生。
都会の人間関係に疲れてこっちの高校に進学したけど、ぶっちゃけ人と関わるのはどこも面倒だと学習した。
逃げた先でまた躓き続ける俺に、根気よく付き合ってくれたのはじいちゃんだ。
両親には言えない話も、じいちゃんにはできた。
励ましたり宥めたりされるより、自分の失敗ばかりさらけ出してくれたからだと思う。
めっちゃ勉強したのに試験範囲間違えてて赤点取ったとか、女子の恋愛相談に乗ってたら親友とくっついて気づいた時には自分だけぼっちだったとか、会社で頼られた後輩に親切にしてたらイイトコ全部持っていかれたとか、抜けてて損ばかりしてる。
けど僕は、貧乏くじひいてばかりの憎めないじいちゃんが好きだった。
そうして僕も、少しは他人を許せる大人になれたと思う。
おかげで人との関係も良くなり、友人もできたんだ。
けど、この夏。じいちゃんは突然、倒れて入院した。
僕は慌てるばかりで何もできず、テキパキと準備や手続きをする両親を見ているだけ。
ちょうどこの風鈴を、ばあちゃんと一緒に行った祭りの屋台で買ったんだと思い出話を聞いた翌日だった。
長く仕事を休めない両親に、任せてくれ僕が頑張ると初めて啖呵を切った。
入院中のじいちゃんの世話、家事と学校、アルバイト。
近所の人や友達の手も借りながら、これまでにないくらい一生懸命頑張った。
風が涼しくなっても畔にススキが揺れても、木々が色づいても、風鈴を外せない。
外すとじいちゃんが、家に帰って来なくなりそうだったから。
僕はばあちゃんの思い出と一緒に、じいちゃんを待つ。
見舞いに行くたびに、その話をして元気づけようとした。
僕も風鈴を見て、その音を聞いて挫けそうなときはスイッチを入れるんだ。
ゴン!
「なあにやってんだ、オメェ。風鈴外しとけって言ってから何か月経ってんだ」
外を眺めながら『感動』がテーマの作文の宿題をしてると、じいちゃんに殴られた。
うん、軽い熱中症で入院してついでにギックリ腰やっちゃたから長引いたのはホントだけど、実際は先月退院済み。
ちょっと盛り過ぎたかな。けど入院期間以外はマジな話。俺は感謝してんだよ、じいちゃん。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます!
あれこれ書き散らして放置とゆー、ろくでもないループにはまりそうですが、一応、完結させてナンボ!とは思っているので、牛の歩みでも進めていきたいです。
来年は、長編ひとつくらい完結させるぞ~!(・・・言ってしまった)




